「どうしたら強くなるんですか?」とよく聞かれますが、楽に強くなれる方法はありません(笑)。僕もそうでしたが、時間が限られた中でまずやるべきことは、乗る時間を生活スタイルの中に組み込むこと。30分でも1時間でもいいので生活習慣化させることです。
サラリーマンが生活スタイルの中でトレーニングを取り入れやすい時間帯は、朝だと思います。サラリーマンは仕事の都合や付き合いなどもあって帰れる時間が定まりにくい。帰る時間が定まらないと練習する時間はとれないし、帰ってからだとだるくて風呂入って寝てしまう、あるいはお酒を飲んじゃう人もいますから、それだともうアウトです。そうなると生活習慣にはなり得ません。
私の場合、練習を夏場に集中してやるといっても、それは冬から始まってるんです。最初の頃はまず朝5時に起きる習慣をつけて、そこから乗る習慣をつける。強度は関係ありません。乗って体を慣らし、そこから強度を上げていく。
外を走ることはたしかに重要なことですが、天候や気候によって環境が変わり過ぎてしまいます。室内であれば、例えば暑い日だって冷房をつければ常に同じ環境を再現できます。そこでパワメーターがなくてもスマートトレーナー等をうまく使えば出力もちゃんと計測できるし、いまならバーチャルサイクリングのアプリを使ってFTPを上げていくようなトレーニングができます。FTPを上げるためなら、むしろ時間が限られているサラリーマンには「外に走りに行く必要はない」といった方が良いかもしれません。
もちろん最終的な段階では実走が必要になってきます。ただ、限られた時間の中前半の筋力アップとか基礎体力づくりには室内の方が効率が良い。とくに冬~春にかけては、パジャマを脱いでジャージ上下に着替えて、レッグウォーマーとシューズカバーつけて、タイヤに空気入れて…と、起床から走るまでの支度の時間がかかり過ぎます。
その人の家の環境にもよりますが、例えばローラーが備え付けの状態であったら、端的にいえばレーパンを履いたら上はパジャマのままでもいい。準備して始めるまでの時間がとにかく短いし、終わったあとの時間を有効に使うことができる。だから限られた時間であれば絶対室内トレーニングがおすすめです。そして週末まとまった時間がとれるときに外に走りに行けば良いのです。
さらにヒルクライムに特化していえば、週末は長距離を乗らないこと。張り切って100kmとか150kmもの距離を乗る人いますが、そんなことをしたら疲れてしまう。そうなると平日がグダグダになって質の濃い練習ができなくなってしまいます。それは中身のない練習。1日置きにリカバーしながらきっちりメニューを入れてこなしていけば、実力は確実に伸びてきます。
極端にいえばクルマで山の麓まで行って、山を2本程度上ってクルマで帰ってくるぐらいの方が効率が良い。目的を明確にしてやる内容を吟味する。その代わり、この場合の練習では「ツール・ド・おきなわ」等の長距離のレースは目指さない。そういうレースに出たければ長い距離を走ってスタミナをつける練習も必要となります。
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