TOPサイクリングコース美味しく、楽しく“尾根幹デビュー” プラスアルファのバリエーションルートを紹介

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美味しく、楽しく“尾根幹デビュー” 
プラスアルファのバリエーションルートを紹介

 東京近郊でロードバイクに乗り始めると、いくつか定番のサイクリングコースの名を耳にし始める。その代表格の1つともいえるのが「南多摩尾根幹線」、通称「尾根幹」(おねかん)だ。東京都の調布市から町田市までを結んでいる15kmほどの道路で、週末ともなると東京近郊在住のサイクリストたちがどこからともなく集結。「都内の自転車練習コース」さながら、たくさんのサイクリストたちが自慢のバイクで往来している。「とりあえず尾根幹集合で」といえるようになったら一人前のサイクリスト(東京近郊)の仲間入りかも? 今回はそんなビギナーの皆さんの“尾根幹デビュー”を楽しく、美味しく誘います。

東京近郊在住のサイクリストたちのホームグラウンドになっている「南多摩尾根幹線」、通称「尾根幹」(オネカン)

尾根幹の新拠点「クロスコーヒー」

 尾根幹は、いってしまえば“ただの道路”。しかし、なぜそれほどまでに多くのサイクリストたちが集まるのか。その理由は、東京近郊エリアで得難い“継続したアップダウン”が手近に得られるからだ。

直線道路で緩やかにアップダウンを繰り返すコースプロファイルがトレーニングルートに最適

 東京都調布市の多摩川原橋から町田市小山町の町田街道までを結んでいる道路で、練習の拠点となる矢野口から基本ルートを走るとおおよそ往復30kmほどになる。その間にアップダウンが波打つように繰り返し、最終的な獲得標高は320mとなる。練習コースとしてはなんとも“チリツモ”だが、コースを往復したり、インターバルトレーニングをしたり、基本ルートを外れて激坂コースへと向かったり…と、皆、勝手にバリエーション豊かに楽しんで(もがいて?)いる。その懐の深さは、一般サイクリストだけでなく、プロもお忍びで通うほどのポテンシャルだ。

拠点として使われる通称「矢野口ローソン」(正式名称は稲城鶴川街道店)。いつしかバイクラックも完備されていた。最寄り駅、JR矢野口駅まで輪行しても良いが、東京近郊のサイクリストの多くはここまで自走する

 そんな尾根幹練の集合場所といえば東京・稲城市の矢野口交差点にあるコンビニエンスストア「ローソン」。コンビニが集合場所というのもなんとも味気ないが、駐車(輪)スペースが広く、飲み物も補給食も得るのにもちょうどいい場所がスタート地点の近くにあれば、自然と集まってしまうのがサイクリストの性なのだろう。


 しかし、そんなローソンの向かいに素敵な自転車カフェが登場した。サイクリングウェアブランドの「チャンピオンシステム・ジャパン」が手がけるコーヒーショップ「CROSS COFFEE -chocolate & sandwiches-」(以下、クロスコーヒー)だ。

「チャンピオンシステム・ジャパン」が手がけるサイクリストのためのコーヒーショップ「クロスコーヒー」。週末の休日はたくさんのバイクでラックがいっぱいになる

 サイクリストのための「コミュニティスペース」をコンセプトに、フレンチスタイルのドリンク・フードメニューを展開している。一押しのメニューは、カカオ選びからこだわって作った「チョコレート」のドリンク。本場フランスの味を再現したというバゲットサンドも、外はカリカリで中身はもちっとした絶品だ。

こだわりのチョコレートドリンク(アイス、ホットあり)とサンドイッチ
スタッフのトニオさん。「尾根幹を走る前後にお立ち寄りください」

“真綿で脚を削られる”コース

 軽めにエネルギーをチャージしたら、いよいよライド開始。尾根幹から派生した、より厳しい練習コースもいくつかあるが、まずは基本となるルートを押さえよう。途中、6%ほどの勾配の手強い直登が顔を出したりもするが、激坂はなく、全体的に緩やかな斜度で初心者でも頑張れるコースだ。

「尾根幹」と一括りにされているが、「稲城市福祉センター」までは「鶴川街道」

 多くのサイクリストがトレーニング目的で走っているため、あっという間に抜かされたりするかもしれないが、周囲の雰囲気に飲まれる必要はない。惑わされずに自分のペースを保って走ろう。道がきれいに整備されている上に路肩も広めに設計されている部分も多いので、後ろから来たクルマに煽られる心配もない。


 信号は比較的少ないが、アップダウンの谷間に設置されていることが多いので、赤信号に捕まってダウンヒルの勢いが強制的に停止されれば、再度ボトムから踏み直さなければならない。その繰り返しで、気づかないうちにじわじわと脚が削られていく、まさに“真綿で首を締められる”もとい、“真綿で脚を削られる”コースなのだ。

道がきれいに整備されている上に路肩も広めで走りやすい
唯一斜度がきつい700mほどの坂(右奥)。「バーミヤン坂」という愛称もつきつつある

 ちなみに尾根幹の一部は、2020年東京オリンピックの自転車ロードレースのコースにもなっている。間もなく“聖地”となるこの道。世界各国の代表選手が駆け抜ける姿をイメージしながら、早くも日本代表気分で走っているサイクリストもいるとかいないとか。

一部、東京オリンピックの自転車ロードレースのコースにもなっている尾根幹

食べ過ぎ注意?尾根幹周りのグルメスポット

 信号を挟みつつ平均時速15kmほどで走ると、約1時間ほどで折返し地点に到着。ここでもと来た道を折り返すのも味気ないので、方向を西へと変え、津久井湖、相模湖方面へと向かう。その前に、ここでおすすめのランチをご紹介。町田街道につきあたった尾根幹の終点から1kmほど南西に行ったところにある、肉汁うどん専門店「南哲」だ

尾根幹の終点から1kmほど行ったところにある肉汁うどん専門店「南哲」。嬉しいことにバイクラックが完備されていた

 その名の通り「肉汁」に特化し、コシの強いうどんを特徴とするラインナップ。 国産小麦にこだわった自家製麺は、歯を押し返すほどの弾力だ。看板メニューは、豚肉とネギの入った濃厚な肉汁につけて食べるつけ麺タイプの「肉汁うどん」。並盛りといってもかなり量が多く、女性なら並盛りでも完食なるかどうかという見た目だ。


 さらに名物の巨大なかき揚げをトッピング。普段はカロリーを気にしてしまう組み合わせも、しっかり運動する自転車では必要なエネルギー源。お楽しみの1つとして遠慮なくがっつり堪能しよう。

看板メニューの「肉汁うどん」(これで並盛り:720円)に名物の巨大かき揚げ(200円)を追加し、食べごたえ十分!
見るからにコシが強く、噛みごたえのある自家製うどん
四季折々の自然が楽しめる津久井湖畔。紅葉には少し早かった

 エネルギーを補給したら次の目的地、津久井湖へ。道中に出てくる標識の「津久井湖」という表示をたどって、約8kmの道のりを西へと走る。津久井湖は「城山ダム」の人造湖。湖畔にある「津久井湖城山公園」は、春には桜の名所、秋には紅葉、冬にはわかさぎ釣りなど四季折々の表情を見せる。


 津久井湖沿いを走った少し先に、この辺を走るサイクリストたちが必ず立ち寄るホットスポットがある。「ゼブラ コーヒーアンドクロワッサン 津久井本店」だ。旧工場を改築したという店内は天井が高く開放的で、無造作に置かれたコーヒーマシーンや、コーヒーやペイストリーの香ばしい香りが、無機質な空間をスタイリッシュに演出している。

サイクリストに人気の「ZEBRA 津久井本店」
玄関では「ゼブラ」(?)がお出迎え
倉庫を改築した広々とした店内。平日でもサイクリストの姿が
通常のクロワッサンの2つ分はありそうな名物の巨大クロワッサンと、普通サイズのシナモンロール

 居心地の良い空間、自家焙煎コーヒーの魅力はもちろん、このカフェは店内にバイクラックがあり、自分の目の届くところに愛車を置いてゆっくりコーヒーを堪能できる。ただでさえコーヒー好きが多いサイクリストが皆、ゼブラに引き寄せられてしまう理由はここにある。

店内に自転車を駐められるので安心してくつろげる
自転車をもって入店しやすいよう、入り口にスロープが設けられている

神奈川・東京の県境ヒルクライムでフィニッシュ

 ゼブラをあとにし、さらに西へと向かう。ここから少し山深くなり、斜度強めのアップダウンがスタートする。7kmほど走ったところで、到着したのは相模湖公園。尾根幹から外れ、20kmほど走ってきただけで、山に囲まれた静かな湖畔が広がる景色にたどり着く。

山に囲まれ、広々とした光景が広がる相模湖で、贅沢に愛車撮影

 相模湖を出たところでライドのクライマックス。ゴールの高尾に向かう甲州街道(国道20号線)を走り、大垂水(おおだるみ)峠を越えなければならない。ヒルクライムというと身構える人もいるかもしないが、大垂水峠はヒルクライム初心者におすすめのレベル感。とくに相模湖側からのアプローチは距離4km程度、獲得標高200mほどで、勾配も比較的一定なので高尾側から上るよりもアクセスがしやすい。

相模湖から甲州街道を辿り、大垂水峠へ登坂開始
相模湖から約7km上って大垂水峠に到着。神奈川県と東京都の県境

 峠を越えて高尾側へ下ると、旅行客や登山客を迎える賑やかな観光地ムードに一変。高尾山入り口付近に完成した「TAKAO 599 MUSEUM」など新しいスポットも誕生し、さらに賑わいを見せている。休日はたくさんの人で溢れかえるので、車道を走る場合でも人の往来(突然の道路横断等)に注意して走ろう。

高尾山入り口付近に完成した「TAKAO 599 MUSEUM」。カフェやショップなどがある。施設内に駐輪場はないので入館の際は高尾山口駅付近の駐輪場を利用する
高尾山口の表参道
さらに2kmほど走ってゴールのJR高尾駅に到着

 京王電鉄高尾線「高尾山口」駅をゴールにするのも良いが、登山客で混み合う休日には輪行しづらい場合も。人混みを避けたいなら、さらに2kmほど走った先にあるJR高尾駅がおすすめ。中央特快に乗れば新宿まで46分、東京へも1時間ほどで到着する。


 初めての尾根幹デビュー、あるいは尾根幹を走ってみたいという友人をエスコートする際のバリエーションルートの1つとして、ぜひ参考にしてほしい。

■「CROSS COFFEE -chocolate & sandwiches-」

所在地:東京都稲城市矢野口227-1
TEL:042-401-6126
営業時間:7:00~18:00
定休日:なし
HP:CROSS COFFEE -chocolate & sandwiches-

■肉汁うどんの南哲

所在地:神奈川県相模原市中央区宮下2-9-15
TEL:042-703-7585
営業時間:月火木金 11:00~20:00/土日祝 11:00~21:00
定休日:水曜日(祝日の場合は営業)
HP:肉汁うどんの南哲

■ZEBRA 津久井本店

所在地:相模原市緑区中野1890-1
TEL:042-780-8600
営業時間:平日 9:00~17:00/土日祝 9:00~18:00
定休日:なし
HP:ZEBRA Coffee&Croissant

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