日本に友人が遊びに来ると、「日本はすごい、快適、キレイ、サービスが良い」と言うのですが、自分がずっと住んでみて、そして自転車で通勤してみると「もっと良くなる」と思うところがあります。私が個人的に期待していることは、自転車レーンの整備とミドリを増やすことです。
日本ではマウンテンバイク(MTB)に乗っていますが、1年前から自転車通勤を始めました。正直に言うと、あまり日本の道路に良い印象を持っていません。クルマが左側のスペースを空けてくれないし、さも「自転車は歩道を走ってくれ」と言いたげで危険です。法律では自転車は車道を走ることになっているのに、クルマから邪魔にされるからどうすればいいんだって思います。都内でも自転車レーンが整備されてきましたが、今後さらに増えていくことを期待しています。
あとは、乗り捨てができるレンタサイクルが都内で増えてきたことは、東京の観光がしやすくなって良いと思います。でも車体が重くて、あまりかっこよくない(笑)。フランスの自転車レンタルシステム「ヴェリブ」のほうが、ちゃんとした自転車だと思います。でも、日本のレンタサイクルは坂も走れるように、また誰もが使いやすいように(電動アシスト付きに)なっている点は良いと思います。
ヴェリブはパリが美しいから、パリの人でも使います。クルマで走るのは美しい街を見られないからもったいない。だから、ヴェリブが改めてパリに住んでよかったと思えるようなツールになっています。最初はけっこう壊れていたけれど、最近はちゃんとしていて、性能が良くなっています。見かけは普通のママチャリに見えるけど、結構優秀ですよ。それに、ステーションがいっぱいあるから困らない。ボクは、ローラン・ギャロスのときに、パリには年に1度しか帰っていないけど、帰ると実家からスタジアムあたりまでをヴェリブで走るのがイチバンの楽しみです。
しかしパリが唯一間違ったのは、バスの専用レーンにヴェリブのレーンを入れてしまったことです。自転車の横をすごく大きなバスが通るので怖い。でも、狭い道を行けば色々なルートがあるから大丈夫です。
あとは、日本は治安がいいからあまり自転車は盗まれないかな。でも駐輪場はまだ少ないと思います。例えば渋谷は、どこに停めればいいかわからない。新宿と恵比寿は駅の中に駐輪場ができましたね。パリにはヴェリブのステーションはたくさんあるけど、有料パーキングはないと思う。ヴェリブがあまりに優秀だから、自分の自転車を持たなくてもいいというところがあります。お金に余裕があってヴェリブよりも良いものを買えても、今度は盗まれるのが心配ですからね。もちろん週末に田舎の方へ行ってサイクリングをする人は別ですが。