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サイクリングウェアは揃えるべき? 自転車ビギナーは何でもいい?

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スポーツバイクを買う前に知っておきたい10の教え<7>
サイクリングウェアは揃えるべき? 自転車ビギナーは何でもいい?

 スポーツバイクで走るサイクリングの時に、いわゆる専用のサイクリングウェアは使った方がいいのでしょうか? なんでサイクリングウェアはピチピチなの? ここでは自転車のウェアに求められる機能性について解説します。

典型的なサイクリングウェアの着こなし Photo: Image Source / Photodisc / ゲッティイメージズ

専用ウェアを使わなきゃダメ?

 スポーツバイクを始めるにあたって、必ずサイクリングウェアを着なきゃダメか?と言えば、別にそんなことはありません。例えば10分くらいの“チョイ乗り”であれば普段着でも全然大丈夫ですし、もっと長く走る場合も、普通に運動に適した服装であれば、特に問題はないでしょう。

 ただし、サイクリングウェアは自転車で走ることに特化して設計されているので、実際に使ってみると、やはり普段着や一般的なスポーツウェアよりも、快適にサイクリングをすることができます。これは数十分、あるいは数時間と、乗車時間が長くなるほど顕著になります。

専用のウェアでなくてもサイクリングは十分に可能です Photo: Sam Edwards / OJO Images / ゲッティイメージズ

自転車用のウェアがピタッとしてる理由

 サイクリングという運動には以下のような特徴があります。

・常に風を受けており、空気抵抗が走行抵抗の大半を占める
・長時間の有酸素運動で発熱・発汗量が多い
・前傾した乗車姿勢で、長時間をサドルに座って過ごす
・常に移動している中で、運動強度や気温などの外的環境が変化しやすい

 自転車というスポーツは、実は空気抵抗との戦いです。速度が増すほど空気抵抗の割合は増大するため、平地でスポーツバイクで走る速度域であれば、走行抵抗の半分以上は空気抵抗です。特に速度が高いロードバイクであれば、走行抵抗の8〜9割が空気抵抗になってしまいます。つまり空気抵抗を減らせれば「より楽に」なるのです。

自転車ウェアがピタッとしているのは、バタつかず空気抵抗を抑えるため Photo: technotr / E+ / ゲッティイメージズ

 どんなコースを走るとしても、より楽に走れた方がいいですよね? そんなわけで、サイクリングウェアはどれも割とピチッとした、身体に密着してバタつかない設計になっているのです。ピチピチは気になる…というのであれば、カジュアルサイクリング向けに密着度を抑えたウェアというものもあります。

細部まで自転車に乗るために設計

 汗の処理も自転車ウェアでは重要です。大量の汗が衣服で留まってしまうと、下り坂や休憩時に汗冷えで身体を必要以上に冷やしてしまうことがあります。このためサイクリングウェアでは、汗を肌面からなるべく早く外に出す構造で、なおかつすぐに乾く吸汗・速乾の機能性繊維(主にポリエステルの合成繊維)が使用されています。

 また、サドルに座り続けるということで、サイクリング専用のパンツには、お尻にパッドが設けられています。これはお尻の圧迫が少なくなり股ずれも防止するので、ある程度以上の時間を走る場合、劇的に快適になります。とはいえ身体に密着したスパッツ状のウェアは心理的ハードルが高いかもしれませんが、そういった人のために、普通の服の下に着用するためのパッド付きインナーパンツ、といった製品も作られています。初心者はまずそのあたりから試してみると良いかもしれません。

サイクリングパンツの裏側には大きなパッドが縫い付けられており、お尻の圧迫や股ずれを防ぎ、快適にサイクリングできるようになっています

 そして前傾した姿勢を続けるため、サイクリングウェアは自転車に乗車した姿勢を中心に、袖の付き方や各部のサイズが決められています。普通の服では自転車に乗車した姿勢を続けると、肩周りや脚が突っ張ってしまったり、腰の辺りの丈が足りずに肌や下着が露出しやすかったりしますが、専用のサイクリングウェアではそのようなことはありません。

まずはサイクリングを楽しんで

 このように自転車の乗車に特化したサイクリングウェアは、自転車で走る際には圧倒的に快適なのです。とはいえ、絶対に使わなきゃダメということもありません。まずはサイクリング自体を楽しむことから始めて、興味が出てきたら少しずつ試してみる、といった感じで大丈夫です。専用ウェア以外を使う場合も、上記の自転車ウェアに求められる機能性について意識してみると、快適にサイクリングできますよ。

文:米山一輝(よねやま・いっき)
スポーツサイクル歴25年の自転車乗りで元ロードレーサー。TOJやジャパンカップなどを走っていたことも。幅広いレベルに触れたクラブチームでの経験を生かし、自転車スポーツの楽しみ方やテクニックをメディアで紹介しています。