2024.3.13
ロードバイクに乗り始めたばかりの頃は、「慣れないロードバイクを走らせることで精一杯」になってしまうので、パンクの原因になり得る路上の小さな異物を避けたり、段差で重心移動をしたり……という工夫ができず、何度もパンクに見舞われてしまうもの。経験を積むにつれてパンクの回数は減っていきますが、しかし空気入りタイヤを使っている限り、パンクと完全に無縁ではいられません。
やっかいなのは、パンクのタイミングは予測できないこと。ベテランになっても、何年間もずっとパンクと無縁であるかと思えば、一日に3回パンクすることもあります。これはもう「パンクの神様が降りてきちゃった」と考えるほかありません。そんな「神の気まぐれ」に備えて、サイクリストは必ず予備チューブを携帯します。
でも、“神様”が降臨なされて一回のライドで何回もパンクして、予備チューブを使い切ってしまったら……?
一番簡単な解決法は、「予備チューブをたくさんもっておく」ですが、「体一つ、自転車一台」で身軽に楽しめるのがロードバイクの良いところ。携行品はできるだけ少なくしたいので、私も予備チューブは1つしか持ちません。パンクの可能性が高まるオフロードを走行する場合でも、せいぜい2つです。
では、一日で複数回パンクしたらどうするのか。
パンクしたチューブを修理して、再利用するのです。その際に使用するのがパンク修理用の「パッチ」です。チューブに貼って穴をふさぐための、強力なシールのようなものです。これを何枚か携帯しておけば、何度パンクしても大丈夫です。
ただし、パンク修理用のパッチは小さいので、チューブが大きく割けてしまったようなケース(バーストといいます)では修理不能です。
バーストしてしまい、予備チューブもなくなった、という不運に見舞われたらどうするのか。幸い筆者はそのような八方塞がりの状況に遭遇したことはありませんが、「そんなときは草とか藁、タオル、着替え、新聞紙、ホース……なんでもいいからタイヤの中に詰められるものを探して詰め込んで、なんとか走れるようにするんだよ」と先輩に教わりました。
「なにかを詰め込む大作戦」は、携帯ポンプが壊れたときにも使えそうです。もちろん、チューブのように内圧がかからないため、タイヤが外れやすいのでゆっくりとしか走れませんが、自転車ショップや輪行できる駅にたどり着くまでの緊急策として覚えておいて損はないかもしれません。
最後に、パッチは何年間も使わずにいると経年劣化で接着力が弱まり、パンク修理ができなくなってしまうこともあります。携帯している場合は定期的にチェックをしてください。何はともあれ、パンクの神様に好かれてしまわないよう、日頃の行いには気を付けておきましょう。
自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。
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