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空気を入れる頻度はどのくらいがいいのでしょうか? 入れるべき空気の量は?

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知っておきたい!クロスバイクのメンテナンス&トラブル対処法<8>
空気を入れる頻度はどのくらいがいいのでしょうか? 入れるべき空気の量は?

 クロスバイクに乗っていて、自転車の不調を感じることはありませんか? 小さな不調だし、まだ走れると思ってそのままにしていると、さらに大きなトラブルに発展するかもしれません。クロスバイク・ユーザーなら知っておきたいメンテナンスとトラブル対処法を紹介していきます。

タイヤの空気が足りないとどうなる?

 自転車のタイヤは定期的な空気入れが欠かせません。タイヤの空気は時間と共に徐々に抜けてきてしまうからです。クロスバイクは一般車(ママチャリ)に比べてタイヤの空気が抜ける(適正空気圧ではなくなる)のが早いので、若干高頻度での空気入れ作業が必要になります。具体的には2〜3週に1度くらい、最低でも月に1度は空気を入れるようにしてください。

 もしタイヤの空気量が少ないと、走りの軽快さが損なわれるなど走行性能が悪くなります。また、タイヤの中でチューブが動きやすくなってしまい、チューブやタイヤを傷めてしまいます。ほかにも段差や石を踏んだ際に「リム打ちパンク」と呼ばれる(リム=車輪の外周の金属部と地面に挟まれてチューブに穴が空く)パンクを起こしやすくなってしまいます。

適正空気圧はタイヤによって異なる

 タイヤに入れる空気の量ですが、適正空気圧がタイヤの側面に刻印されているので、必ずその範囲の空気圧で使うようにしましょう。入れすぎも良くないということです。適正空気圧には幅がありますが、乗る人の体重や走り方によって、実際にどの値がいいかは変わってきます。自分の最適値を試行錯誤してみてください。

タイヤの刻印で適正空気圧を確認できます。写真のものは「INFLATE TO 345-515kPa ( 50-75psi / 3.4-5.1 bar ) MIN.-MAX.」とあり、345〜515kPa(psiなら50〜75、barなら3.4〜5.1)の範囲で空気を入れるように3つの単位で表示されています

 空気圧の指定があるわけですから、ポンプ(空気入れ)は空気圧計が付いたものを使うのがベストです。もし空気圧計の付いていないポンプしか用意できない場合は、自転車を購入した時の空気の入り具合を、タイヤを指で押してみて覚えておくようにしてください。

 ちなみにクロスバイクのタイヤのバルブ(空気入れ口)は、ママチャリで使われる英式(ウッズ)バルブではなく、仏式(プレスタ)バルブが使われていることが多いです。英式バルブは高い空気圧に耐えられず、また微妙な空気圧調整が難しいため、スポーツ車では仏式バルブが多く使われます。このほか米式(シュレーダー)バルブというものもあり、これは自動車やオートバイと同じものですが、クロスバイクではあまり使われません。

スポーツバイクに多い仏式(フレンチ、あるいはプレスタ)バルブ

仏式バルブの取扱いについて

 もしお使いのクロスバイクが仏式バルブの場合、ママチャリ用のポンプ(英式バルブ対応)で空気を入れるには、変換アダプターを介する必要があります。ただしアダプターは空気漏れが発生したり、また前述の空気圧管理もありますから、やはりベストとしては直接仏式バルブに空気を入れられ、かつ空気圧計が付いたスポーツ車向けのポンプを用意するのがおすすめです。

 仏式バルブは英式バルブと若干取扱いが異なり、キャップを外してポンプを接続するだけでは、空気を入れることができません。ポンプを接続する前に先端部の小ねじを緩めて、さらにこれを一瞬押して空気を通してあげましょう。その後にアダプターが必要なら取付け、ポンプの口金を接続して、ようやく空気を入れ始めることができます。口金を付け外しする際に、バルブの先端を曲げてしまうことがあるので、必ず口金はまっすぐ付け外しをしてください。

仏式バルブはポンプを接続する前に(左)バルブの先端の小ねじを緩めて、(右)先端を一瞬押して空気の通り道を作る、という作業が必要です

 少し手順は面倒ですが、仏式バルブは高圧を維持できて軽量であったり、微妙な空気圧調整がしやすかったり、虫ゴムの交換が不要であったりと、スポーツ車向けのメリットがいろいろあります。

写真・文:米山一輝

取材協力:ダイワサイクル宝塚中山寺店