2023.9.4
A:特に都市部では、ここ数年で道路の左側に「自転車専用」の路上ペイントや標識がある通行部分が置かれるようになってきました。このように、特定の通行について指定する旨の車両通行帯が整備されている場合には、道路標識等によって指定された通行区分以外は、その車両通行帯を通行できません(道交法20条2項)。
例えば、「バス専用」と道路標示がされた車両通行帯は身近にみられるものですが、バス以外が通行することができません。この指定の車両通行帯に、指定された車両以外の車両が通行した場合には、違反となり、取り締まりの対象となります。
一方で「自転車専用」と道路標識等で指定された車両通行帯は、自転車や特定小型原動機付自転車以外の車両は通行できません。通行すると違反となり、同じく取り締まりの対象となります。
では、自転車専用の車両通行帯に自動車が駐車している場合には、違反になるでしょうか。この場合、道路に駐車しようとする場合には道路の左側端に沿うように駐車しなければならないとされていますので(道交法47条2項)、駐車車両は、道路の左端から、車両の幅分程度は道路を占有することになり、結果として自転車専用の通行帯をふさぐ形になってしまいます。
ただ、自転車は駐停車車両がある場合には他の通行帯に迂回することで通行自体は可能ですから、完全に妨害されているわけではないと考えれば、自転車通行帯を塞ぐ形の駐停車は適切ではないにしても取り締まりの対象となるとまでは言えないと考えられます。
もちろん、多くの道路では「駐車禁止」となっている場合が多いでしょうから、駐車自体できませんので、問題になるとすればほとんどの場合は停車の場合でしょう。停車の場合であっても自転車専用通行帯の交通をまったく遮断することになるような停車は、道交法47条1項、2項の趣旨からしても適切とは考えられませんが、その道路が「駐停車禁止」となっていなければ取り締まりの対象とはならないと言えます。
2009年弁護士登録。会社関係法務、独占禁止法関係対応、税務対応を中心に取り扱う傍ら、2台のロードバイクを使い分けながら都内往復20kmの自転車通勤を日課とする。久留米大学附設高校卒・東京大学法学部卒・早稲田大学法務研究科卒。
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