eBIKEの現代版ランドナーで自転車旅 200kmを走り切る装備を解説長距離ライドのコツと楽しみ方<6>

2025/08/15    

 令和のいま、自転車は“脚力だけ”の乗り物ではありません。モーターやバッテリーの進化により、電動アシスト付き自転車が広く普及しました。今回は、モーターを搭載したスポーツ用自転車「eBIKE」で荷物を積み、東京から長野・諏訪湖まで約200kmを旅した模様を紹介。まずは旅に必要な装備や準備をお伝えします。

脚力や体力に縛られないeBIKEで自転車旅に出かけよう!

eBIKEの立ち位置とは

 日本では、eBIKEには明確な規則があります。漕ぎ出し時に最大のアシスト力が働き、スピードが上がるにつれて徐々に弱まり、時速24kmでアシストが停止します。これは安全に公道を走るための基準で、それ以上の速度でもアシストが効く場合は「ペダル付き電動バイク」となり、ナンバーや保安部品が必要です。eBIKEを選ぶ際は、この規定を満たしているか必ず確認しましょう。

スポーツ用自転車のラインナップが増えるeBIKE

 現在のeBIKEは進化が進み、小型軽量のバッテリーやモーターを搭載し、航続距離100km以上のモデルも登場しています。クロスバイク、MTB、ロードバイク、小径車とタイプも多彩。スポーティーかつ快適なサイクルライフを楽しめる存在として定着しつつあります。

小径車タイプやクロスバイクタイプなど各社から発売されている

自転車旅こそeBIKE!その理由とは

 旅の距離や日数が長くなるほど、持ち物も増えていきます。一般的に、自転車では“軽いほど楽、重いほど体力が必要”という関係がありますが、ここで頼りになるのがeBIKEです。

 アシストの上限は時速24kmまでですが、それ以下の速度であれば荷物を積んでもモーターが助けてくれます。さらに、最近のeBIKEにはディスクブレーキが標準装備されており、軽い力でしっかり止まれる油圧式や、太いタイヤが装着できる設計など、ツーリング向きのスペックが盛り込まれています。荷物をしっかり積みながら、長距離を快適に走れるeBIKEは、旅の頼れる相棒です。

距離に応じた装備を揃えよう

 今回の目的地は、長野県の諏訪湖。東京・日本橋から片道約200km、山間部のアップダウンもあるルートです。長距離かつスピードも出るため、今回はコントロール性の高いロードバイクタイプのeBIKEを選びました。2泊3日で往復400kmの旅です。

車体のキャリア取り付けたパニアバッグ。左右一つずつ装着してバランスも考慮

 旅仕様のフレームには、キャリアやステー、フェンダーが取り付け可能なダボ穴があり、それらをフル装備。パニアバッグも左右に一つずつ積み、旅感たっぷりの積載スタイルに。筆者は普段、最低限の荷物で往路を走り、復路を輪行しますが、今回は荷物を全て積載。一眼レフカメラやノートPCも含め、荷物だけで20kg超、車体を合わせて約40kgとなりました。

持参した装備やアイテムはこちら

■車体周り

  • ・フロントライト
  • ・サイクリングレコーダー(前後)
  • ・サイクルコンピューター
  • ・リアライト

■パニアバッグ(左右)

  • ・着替え(2泊3日分)
  • ・スニーカー
  • ・ノートPC
  • ・一眼レフカメラ
  • ・輪行袋※予備として
  • ・トラベルアメニティ
  • ・充電コード類(スマホ、PC、eBIKEバッテリー用)
  • ・予備バッテリー(eBIKE用)2本
  • ・財布(現金、保険証、各種カード類)

バッテリーは距離に応じて準備

 荷物が増えた大きな理由の一つが、予備バッテリーの持参です。今回のeBIKEは航続距離約100kmのモデル。往復200km+峠道という条件から、追加で2本のバッテリーを積載しました。途中でバッテリーが切れても安心の体制です。

 多くのeBIKEではメーカーから追加バッテリーが購入可能。長距離走行を考えている方は、チェックしておきましょう。

現代版ランドナーが完成!

 1970〜80年代、日本には「ランドナー」というツーリング専用自転車がありました。キャリアやパニアバッグを装着し、長距離を旅するスタイルです。今回のeBIKEも、まさにその現代版。ディスクブレーキや太いタイヤ、そして電動アシストを備え、当時以上に快適な旅が可能になりました。

eBIKEランドナーで日本橋から諏訪湖を目指します

 次回は、この“eBIKEランドナー”で東京・日本橋から長野・諏訪湖までを往復したツーリングレポートをお届けします。

松尾修作(まつお・しゅうさく)

10代からスイスのサイクルロードレースチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーへ参戦。引退後は産経デジタルが運営した自転車専門媒体『Cyclist』の記者、編集者として自転車やアイテムのインプレッション記事を担当した。現在は自治体の自転車施策プロデュース業務等を担当。

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