東日本大震災の復興支援を目的としたライドイベント「CYCLE AID JAPAN 2025 in 郡山 ツール・ド・猪苗代湖」が9月27日(土)、福島県の猪苗代湖周辺を舞台に開催された。10回目を迎えた今年、天候に恵まれ秋晴れが広がるサイクリング日和となり、全国各地から訪れた680人のサイクリストが猪苗代湖周辺の絶景やグルメなど地元の魅力を堪能した。

選べる3つのコース
「CYCLE AID JAPAN」は東日本大震災の被災地である福島の復興支援と、自転車の利用促進を目的としたイベント。2013年に福島・宮城・岩手の3県で初開催され、2014年からは福島県単独での開催がスタートし、今大会で10回目を迎えた。

3コースあり、母成(ぼなり)峠へのヒルクライムと猪苗代湖一周(通称:イナイチ)をする100kmコースやイナイチをメインにする85kmコース、50kmコースがあり、幅広い世代の参加者がライドを楽しんだ。ただライドを楽しむだけでなく、走行距離に応じた金額(1km=10円)を完走後に自分で決めた寄付先に寄付金を参加料から支払えるチャリティサイクリングとなっている。

開会式では、椎根健雄郡山市長や自転車協会の伊藤政博理事長、関根英樹CAJ郡山大会実行委員長、岩城光英CAJ郡山・猪苗代大会名誉会長が挨拶をした。


猪苗代湖周辺グルメと絶景を思い切り堪能
午前8時、100kmコースの号砲を合図にスタート。続々と参加者が秋晴れの猪苗代湖を目指して駆けていった。


イベントは決められたルートを巡り、各エイドステーションで地元のグルメを楽しむファンライド形式。参加者たちはスピードを競うことなく、仲間と話しながらライドを楽しんだり、写真を撮ったりなど、それぞれの楽しみ方とペースで進んだ。

100kmコースは序盤に最大の難所である獲得標高970m越えの母成峠が現れる。e-Bikeで上る参加者やブロードバイクやクロスバイクなど、それぞれの愛車でヒルクライムを楽しんだ。

各地のエイドステーションでは、その地域にまつわる“名物”を提供。絶景を堪能するだけでなく、地域のグルメも堪能することができる。リピート参加者の中には、エイドステーションのグルメを楽しみにしている人も少なくないのだそう。





どのコースを選んでも猪苗代湖走れるコ-ス設計がされており、脚力や楽しみ方に合わせた「イナイチ」を走ることができる。


エイドステーション「少年湖畔の村」では、毎年人気の定番「湖南そば」が振舞われ、参加者は皆舌鼓を打っていた。



走って、選んで、寄付をする
東日本大震災への復興支援として、参加費の一部を任意の団体や基金に寄付する取り組みも行われた。
ゴール後、参加者たちは会場内に設けられた①「東日本大震災義援金、東日本大震災特別災害見舞金関係寄付」(被災者への義援金)②「ふるさとふくしま応援寄付金」(福島県内の復興や猪苗代湖・尾瀬等の自然環境保全)③「郡山環境保全基金」(猪苗代湖を含む郡山市関係の環境保全)―の3つの中から寄付先を選択し、選んだボックスに自らのゼッケンシールを投函。参加者がエントリーして走った距離に応じて、1kmあたり10円の寄付を行った。

ソロで、仲間で 楽しみ方は十人十色
15時を過ぎると、ゆったり自分のペースで楽しんだ参加者が続々とゴール。ゴール制限時間は設けられているが、ゆとりがあるため思う存分猪苗代湖を堪能することができる。ゴールゲートでは、ゴールパフォーマンスを決める人、仲間と楽しくゴールするグループなど、最後までツール・ド・猪苗代湖を楽しんでいた。

ゴール後、参加者は完走証を受け取り、一緒に走った仲間や愛車との写真を撮って思い出を残していた。


福島県内だけでなく、全国各地から総勢700名の参加者が訪れた復興応援のチャリティサイクリングは、終日気持ちの良い秋晴れで幕を閉じた。