2018.10.2
新潟市には、個人経営の魅力的な自転車店が揃う。JR新潟駅から旧国道7号線を東に4kmほど、交通の便が良く、大通りから少し入ったところにある「クサマ自転車商会」もその一つだ。店舗の入り口には一般用自転車が出迎えてくれる。中にも一般用自転車やクロスバイクが2段に並ぶが、歩を進めると、アンカーをはじめとした最新ロードバイクも揃っている。
昭和37年両親がお店を創業。以前はバイクと自転車の併売店だったが、現在は2代目の草間晃さんが店主を務め、一般車とスポーツ用自転車の取り扱いが半々となっている。準工業地帯の住宅街に位置するため、ファミリーから子供車、スポーツ用自転車がメイン。草間さんは「一般車も置くことでお店の敷居が低く、そこからスポーツ用自転車に進んでくれるお客様も多いです」と話す。
整備に関しては「自転車は、命を乗せて走るもの。だから、メンテナンスのミスで事故やケガがないように、という当たり前ですが、大事なことを頭において整備しています。メンテナンス不足での(お客様の)事故やケガは1度もないです」と言い切る。壁にも「自転車を常に安全安心にお乗りいただくために、あなたの命を守るために点検調整が必要です」とお客さんに呼びかける、手書きのスローガンが並ぶ。
高い整備の技術力を裏打ちするのが、スポーツ用自転車の整備の資格を有するSBAA PLUS認定者としての自信と、「ブリヂストンサイクルマネージメントスクール」で学んだ経験だという。大学卒業後、当時「ブリヂストンサイクル」がお店の後継者を対象に作った学校で半年、整備について、自転車のイロハについて学んだ。その1期生として、同期生と切磋琢磨。そこで刺激を受け、本格的に店を継ぐことになったという。
また、そこで初めてのめり込んだのがロードバイクだった。当時、企業チームだったブリヂストンサイクルの自転車競技部が走るのを間近で見て、ロードバイクに本格的に乗るようになったという。2010年にお店のチーム「TEAM KUSAMA」を結成。現在総勢60人ほどのチーム員。月1回、往復60~70kmを目安に「朝サイクリング」を企画し、山へ海へ、時にはパン屋さんコースやスイーツコースも取り入れるなど、毎回コースを変えてサイクリングしている。
毎年9月には、アップダウンを求めて県内の「奥胎内渓谷」まで往復120km走る1日サイクリングを開催。好評を得ている。県内のいろいろなサイクルイベントにも参加。「やはり年に一度の佐渡ロングライドが一番楽しみですね」と話す。さすが地元、佐渡行きのフェリーターミナルまでは、お店から約4kmの近さだ。
お店の奥には「TEAM KUSAMA」のチームジャージが誇らしげに掛かっている。「苗字が“草間”だから、草の色をイメージして緑にしよう、ということでこのカラーリングになりました」とダークグリーンのジャージを手にして笑うが、背中には羽ばたくハクチョウのシルエットが入る。「集団でも目立ちますし、新潟のチームなので、新潟市のシンボルを入れたかったんです」と、新潟市から全国に存在をアピールする。
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