TOP HOW TO 自転車マナー 道路を走るコツ <3>車道の走り方(直線道路編)

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道路を走るコツ
<3>車道の走り方(直線道路編)

 第1~2回では自転車に関するルールをおさらいしましたが、第3回からは「実際に公道を走るときの注意点」をお教えしたいと思います。まずは直線道路編。真っすぐの道をただ走るだけなんて簡単という人も多いと思いますが、クルマの左折、急停車、急発進、幅寄せ、飛び出し、ドア開けなど、様々な危険が待ち構えています。たくさんあるので箇条書きで説明しましょう。

(1)「情報収集」と「後方確認」は“基本のキ”

 街中を走るときは、常に周りを見回して情報を集めておくこと。ボンヤリとしていては危険の発見やそれへの対処が遅れてしまいます。周囲のクルマや歩行者と自分の位置関係や、次にどのような動作を意図しているか、しっかり把握しておきましょう。また、後方確認は基本中の基本。少しでも進路変更をするなら、後方確認を欠かしてはいけません。

クルマとの並走はバックミラーの死角になりやすく、突然の左折などがあり危険

(2)クルマとできるだけ並走しない

 左側に駐車場や店舗施設があるところでは、できるだけクルマと並走しないこと。クルマが急に左折する可能性があるからです。クルマの前に出てドライバーの視界に入るか、後ろに下がっておきましょう。また、そういう場所ではブレーキレバーに指をかけて急制動に備えておくこと。準備をしているだけで停止距離はかなり短くなります。前を走っているクルマが車道の流れに対して不自然に遅くなっている場合も、左折しようとしている可能性が高いので要注意です。

(3)ドライバーの顔や様子をチェックする

 クルマの近くを走る場合、チェックすべきは「ドライバーがどこを見ているか」です。ウインドーやミラー越しにドライバーの視線の向きを見れば、次の動きを予測できます。例えば、左を見ているなら左折する可能性が高いといえます。前を直視したまま曲がるドライバーはいません。もちろんウインカーなども判断材料にはなりますが、ウインカーを出さないドライバーも多いので、過信はしないように。

 ドライバーが何かを探してキョロキョロしている、運転中に携帯電話をいじっている、ウトウトしている、クルマの動きがフラフラしている…など危なっかしいクルマを見つけたら、近づかないようにしましょう。君子危うきに近寄らず、です。

文: 安井行生(やすい・ゆきお)

自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。

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