2021.9.28
クロスバイクに乗っていて、自転車の不調を感じることはありませんか? 小さな不調だし、まだ走れると思ってそのままにしていると、さらに大きなトラブルに発展するかもしれません。クロスバイク・ユーザーなら知っておきたいメンテナンスとトラブル対処法を紹介していきます。
今回は自転車の駆動力を伝達する重要なパーツ「チェーン」の寿命についてお話しします。
自転車のチェーンは、長期間使えば交換が必要になってくる消耗品です。チェーンを長く使うと「チェーン伸び」といわれる状態が発生します。
これは実際にチェーンの長さが伸びてくるのですが、チェーンの素材自体が引っ張られて伸びてくるというよりは、チェーンを構成するリンク部分が回転やたわみを繰り返すうちに削れてきて、それにより生まれた小さな隙間が全体で積み重なることで、チェーン全体の長さが伸びてしまうのです。チェーンの寸法が物理的に狂ってくるわけですから、ギヤとのかみ合わせが悪くなってしまいます。
伸びたチェーンを使い続けると、さまざまな問題が発生します。まずチェーンがギヤから外れやすくなります。ひどくなるとギヤとチェーンがうまくかみ合わず、力を入れて漕いだ際にギヤがチェーンから抜けてしまう「歯飛び」という現象が起きたりもします。
さらに伸びたチェーンを使い続けると、チェーンが接している他の部分、つまり前後のギヤが、伸びたチェーンに合わせる形で削れてきてしまいます。こうなってしまうと、いざチェーンを交換するとなった際に、新しいチェーンがギヤにかみ合わず、ギヤ部分も一緒に交換しなくてはならなくなります(もちろん、費用が余計に掛かります)。
目に見えるトラブルが発生しなくても、伸びたチェーンは力が逃げやすくなるため、走りが重くなってきます。チェーンは消耗品であることを知り、適切なタイミングで交換するようにしましょう。
チェーンの寿命は一般的に、走行距離3000km〜5000kmとされています。クロスバイクの一般的な使われ方であれば、2年程度が標準的ですが、もちろん乗り方や走る距離は人によって異なりますので、一概に期間だけでは寿命は測れません。
実は、適切にチェーンの伸び具合を測ることができる「チェーンチェッカー」という器具があります。本格的にスポーツバイクを扱う自転車店であればまず持っている道具で、気になるようであれば何かのついでに依頼してみましょう。
チェーン交換の作業は、ショップに任せた方がいいでしょう。一般家庭には置いてない専用の工具が必要なほか、チェーンの長さを適切に調整したり、変速機まわりの複雑なルートに正しくチェーンを通したりと、初心者が行うにはハードルの高い作業です。何よりチェーン交換はかなり手が汚れます。
チェーンの寿命を延ばすには、まずはしっかり注油しておくようにしましょう。油が切れて錆びてしまったチェーンなどは問題外です。垂れるほど油まみれにする必要はありませんが、定期的に、適度な注油を心がけましょう。
また、ペダルを漕ぐ際には、軽めのギヤを使うようにしましょう。実はスポーツバイク初心者の方は、全体にギヤの選択が重すぎる傾向があります。クロスバイクであれば1分間に60回転〜90回転くらいを目安にギヤを選んでみましょう。これは1秒間にペダルが1回転〜1.5回転くらいする計算になります。
思った以上にクルクル回すことになりますが、これくらい軽めのギヤの方がチェーンだけでなく脚への負担も少なくなり、楽に遠くまで走ることができるようになります。
写真・文:米山一輝
取材協力:ダイワサイクル宝塚中山寺店
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