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Q スマホを見ながら自転車に乗っている人が許せません。警察は取り締まれないのですか?

News / Column弁護士に聞く、自転車のルールの素朴な疑問

弁護士に聞く自転車のルールの素朴な疑問<18>
Q スマホを見ながら自転車に乗っている人が許せません。警察は取り締まれないのですか?

「禁止行為」となるか否かの決め手は「見方」(Getty Images)

Q スマホを見ながら自転車に乗っている人が許せません。警察は取り締まれないのですか?

A 「スマートフォンを見ながら自転車に乗る」ことは禁止されているでしょうか。東京都道路交通規則では、自転車の運転者の遵守事項として「自転車を運転するときは、携帯電話用装置を手で保持して通話し、又は画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。」と定めています(東京都道路交通規則8条(4))。このような定めは他の都道府県でも同様に置かれており、自転車を運転している最中にスマートフォンで通話したり、画面を見ることは禁止されています。

 ただし、スマートホンを手に持たずに、ハンズフリー装置を用いて通話する場合や、画面を「注視」しない場合は、禁止行為から除外されています。これは道路交通法で自動車や原動機付き自転車の運転者の遵守事項として定められている内容とほぼ同じです(道路交通法71条5号の5)。

 道路交通規則の運転者の遵守事項に反する行為は、五万円以下の罰金刑に当たる行為となっていますので(道路交通法120条10号)、警察は犯罪として取り締まることができます。

 現実には、警察が運転者の遵守事項に違反したとして取締を行っている例は多くなく、現認しても注意でとどめていることがほとんどのようです。

回答者: 本田聡(ほんだ・さとし)

2009年弁護士登録。会社関係法務、独占禁止法関係対応、税務対応を中心に取り扱う傍ら、2台のロードバイクを使い分けながら都内往復20kmの自転車通勤を日課とする。久留米大学附設高校卒・東京大学法学部卒・早稲田大学法務研究科卒。

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