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Cycling Manner 自転車マナー

道路を走るコツ
<1>自転車はどこを走る?

 日本では「自転車=歩道を走るもの」と思っている人が多いでしょう。でも実は違います。自転車が走るのは車道。本来、歩道を走ってはいけないんです。

  ただ、<歩道が「自転車通行可」となっている場合>、<70歳以上のお年寄りと13歳未満の子供の場合>、<路上駐車がある・道路工事をしている・著しく交通量が多いなどで車道が危険な場合>という3つのケースでは、自転車も歩道を通行していいことになっています。

自転車の通行が可能な歩道を示す標識

 とはいっても、いきなり自転車で車道を走るのは心配という方もいると思います。すぐ横をクルマがビュンビュン通り過ぎていくし、そもそも車道のどこを走ればいいのか分からないし…。でも、正しい走り方を身に付ければ、車道のほうが安全に、快適に、楽しく走れるようになります。この連載では、そのためのルールとコツをお教えします。

 まずは走る場所から押さえておきましょう。車道であればどこでもいいというわけではありません。自転車が通行できるのは車道の左端。クルマと同じで自転車も左側通行なんです。逆走(車道の右側を走ること)は違反であり、周囲の通行者に危険を与える行為なので、絶対に左側通行を守ってください。

道路は左端を通行しましょう

 また、自転車も一方通行を守らなければいけません。ですが、実際は一方通行の出口にある「進入禁止」の標識の下に「自転車を除く」「二輪・軽車両を除く」などと書いてあることも多く、この場合は一方通行でも逆走できます。ただし、逆走でも左側通行は守ること。

車両進入禁止の標識ですが、補助標識に「自動車・原付」とあり、自転車や軽車両は含まれません
自転車進入禁止の陸橋。入口に標識があります

 一般道にある陸橋やトンネル、オーバーパスやアンダーパスも、自転車は原則通行できます。ただし、入口に「自転車進入禁止」の看板があるところは入れないので注意してください。

最高時速30km制限を示す標識

 意外と知られていない自転車の法定速度ですが、実は道交法には規定がありません。とはいえ、むやみに速度を出していいという訳ではなく、十分に安全を確保できる速度で走ってください。また、道路の最高速度標識には従う必要があります。市街地や住宅地では時速40kmや30kmの制限となっていることが多いです。

文: 安井行生(やすい・ゆきお)

自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。

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