TOP HOW TO e-MTBで広がるMTBの新たな楽しみ方e-MTBで広がるMTBの新たな楽しみ方<1>
e-MTBってどんな自転車? マウンテンバイクビギナーこそ試したいメリット満載の乗り物です

How to ride and enjoy e-MTBで広がるMTBの新たな楽しみ方

e-MTBで広がるMTBの新たな楽しみ方<1>
e-MTBってどんな自転車? マウンテンバイクビギナーこそ試したいメリット満載の乗り物です

 巷にはモーターとバッテリーを積んだ電動アシスト付き自転車が珍しくなくなってきました。マウンテンバイク(MTB)もそのジャンルのうちの1つ。まだまだ普及途中ではありますが、トレイルやオフロード初心者にとってはアシスト無しのMTBよりも楽しめる機能が満載なのが特徴です。山で、街で、電動アシストMTB(e-MTB)を楽しみ尽くしましょう!

この記事の内容

e-MTBとは?

 e-MTBは電動アシストのユニットを搭載したMTBのジャンルです。フレームにバッテリーを備え、クランク付近にモーターが搭載されていることが多いのが特徴です。手元にあるアシスト機能を選択するコントロールユニットで、道路状況に応じてアシストの強弱を調整することができます。

 さまざまな電動アシストユニットが登場し、自転車メーカーはそれぞれの規格に合わせた車体を販売しています。性能差は各々異なりますが、出力を抑えたモードで走ると100km以上の距離をアシストを効かせて走行できるモデルもあります。

e-MTBのメリットとは

 e-MTBは電動アシストの力を使って、険しい山道や悪路でも安定した推進力を得られるのが特徴であり、最大のメリットでもあります。自転車は通常、走り始めた瞬間や、低速で走行している最中はバランスを取りづらく不安定な状態になります。上りや、土や砂利、障害物が路面にあるオフロードの場合より顕著になるでしょう。

 しかし、e-MTBの場合はモーターが乗り手の出力をアシストしてくれるので、常に安定して走行することが可能です。漕ぎ出し時や速度が遅い状態ほどモーターのトルクがかかるように設定されているので、低速状態が多いe-MTBはそのメリットを感じる時間が長いはずです。

 通常のMTBの楽しみ方として、サマーシーズンのスキー場でリフトを使って人とMTBをゲレンデ上部まで運び、下りを颯爽と走るものがあります。これはMTBで上りを走るのはとてもハードであるためです。一方、e-MTBでは上り道もアクティビティとして堪能することが可能です。バランスを取りながら障害物を超え、グイグイと上りを突き進む感覚はクセになるはず。上り終えたら下りを楽しむだけ。同じコースで一石二鳥の遊びができます。

e-MTBで気をつけるべきポイント

 e-MTBはバッテリーとモーターを備えている分、重量がノーマルのMTBと比較して重くなる傾向にあります。また、大きく太いブロックタイヤを装着しているので、車体が大きく、取り回しがロードバイクやクロスバイクに比べると簡単ではありません。MTBフィールドでは全く問題はありませんが、車に積載したり、自宅に保管する場合には十分なスペースが必要になるでしょう。

 また、バッテリーの残量には注意する必要があります。アシストが効いた状態であれば、太いタイヤでも軽快に走行できるe-MTBですが、もしバッテリー残量がゼロになると、車体の重さを一手に乗り手が引き受けてペダルを漕ぎ続けることになります。大体の車体には、手元のモニターや、バッテリー本体にインジケーターが備わっており、バッテリー残量が一目でわかるようになっています。こまめにチェックすることでバッテリー切れを防ぐことができるでしょう。

e-MTBのおすすめの楽しみ方は

 所有しても十分に楽しいe-MTBですが、おすすめはレンタルバイクの活用です。近年、e-MTBのレンタルバイクを用意するMTBフィールドやパークが増えつつあります。前述の取り回し問題も、現地でバイクをレンタルできれば解決できます。

 ロードバイクの場合は身体に合わせたポジションを設定しないと不調をきたすこともありますが、MTBの場合は比較的ラフなセッティングでもOKです。レンタルバイクでも問題なくフィットするでしょう。

 全国のMTBフィールド情報はこちらにまとめておりますので、お近くのフィールドやパークでレンタルバイクが用意されていましたらぜひご活用ください。新しいオフロードの魅力に出会えるはずです。

⇒フィールド一覧はこちら

文: 松尾修作(まつお・しゅうさく)

10代からスイスのサイクルロードレースチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーへ参戦。引退後は産経デジタルが運営した自転車専門媒体「Cyclist」の記者、編集者として自転車やアイテムのインプレッション記事を担当した。現在はYouTubeチャンネル「サイクリストTV」でナビゲーターを務めるほか、自治体の自転車施策プロデュース業務を担当。

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