TOP HOW TO プロショップ直伝 MTBの選び方・始め方<3>使い方別 MTBの装備の選び方

How to ride and enjoy プロショップ直伝 MTBの選び方・始め方

<3>使い方別 MTBの装備の選び方

 MTB初心者にオススメの格好と装備は何か? 今回はMTBを楽しむために必要な装備やウェアについて紹介します。

MTBを楽しむために必要な装備やウェアとは? Photo: Kairi ISHIKAWA

1.これだけは揃えておきたい装備

 トレイルは石や根っこが多い凸凹の不整地なのでスムーズに走行することが簡単ではありません。トレイルを楽しく安全に走行するアイテムとして、以下の装備を必ず用意しましょう。

① MTB用ヘルメット

 ヘルメットは後頭部をしっかり守ってくれるデザインで、通気性に優れ、頭にしっかりとフィットするものを選びましょう。小枝や泥などから顔を守るバイザーもMTBヘルメットの特徴です。

後頭部をしっかりガードし、小枝や泥などから顔を守るバイザー付きヘルメットがオススメです。写真はKabutoのFM-8 Photo: Masahiro OSAWA
② グローブ

 グローブは安全性の高い指付のもので、手にしっかりフィットするものを選びましょう。初心者の方はグリップを強く握りがちなので、フィットしていないグローブはマメの原因にもなります。

MTBには安全性の高い指付グローブがオススメです Photo: Akihiro KOBAYASHI
③ シューズ

 MTBに乗る時のシューズは、ソールがフラットで滑りにくく、足首が曲がりやすいものを使いましょう。ソールの凸凹が大きいトレッキングシューズのようなものはペダルとの相性が悪く、滑りやすく危険です。

ソールはフラットで滑りにくいものがオススメです Photo: Akihiro KOBAYASHI

2.MTB用のウェア

 MTB用のウェアは、ロードバイク用のウェアに近いクロスカントリーレース用ウェアから、モトクロスバイク用のウェアに近いダウンヒル用ウェアまでと実に多様ですが、初心者の方はカジュアルなハイキング風のウェアがお薦めです。

DH系のロングスリーブシャツ Photo: Akihiro KOBAYASHI
トレイル系のロングスリーブシャツ Photo: Akihiro KOBAYASHI

 MTBライドは山で遊ぶスポーツなので、服装は天候や運動量に応じ体温調整がし易いレイヤリング(薄手のウェアを重ね着すること)が基本です。吸汗速乾性に優れたベースウェア、保温性を考慮したミドルウェア、風や雨を防ぐアウターを状況に応じて組み合わせます。

 機能性の高い自転車用ウェアがベターですが、伸縮性、吸汗速乾性、保温性、防風性に優れたものであればリーズナブルなもので構いません。

 ボトムはペダリングを妨げない伸縮性に優れた裾の絞れるロングパンツや、膝まで覆う7分丈のパンツがお薦めです。こちらも自転車用でもハイキング用でも、お手持ちのもので構いません。

MTB用ショーツ。ショーツはプロテクターとの組み合わせがオススメです Photo: Akihiro KOBAYASHI

 下着の代わりに直接着用するインナーショーツというものがあります。これはお尻の部分に吸汗速乾性に優れたパッドが付いていて、お尻の痛みを軽減してくれます。こういうアイテムもあるという参考まで。

カジュアルなハイキングスタイルの一例。トレイルライドに慣れないうちは転倒の可能性が高いため、MTB初心者はロングスリーブと伸縮性のあるロング丈のパンツがオススメです  Photo: Kairi ISHIKAWA

3.ケガを防ぐための装備

① プロテクター

 転倒に備え、膝や肘を守るプロテクターを装着することで、ケガをある程度防ぐことができます。

 気温が高い時期は、半袖のウェアと7分丈のパンツに肘&膝のプロテクターを組み合わせるというアレンジもできるので、後々、役立つアイテムとして、揃えておくとよいでしょう。

主にヒザやヒジに付け転倒の際に身体を守ります Photo: Akihiro KOBAYASHI
② アイシールド

 自然に囲まれたトレイルでは、小枝やホコリ、虫などが飛来します。それらから目を守るためにアイシールドを着用しましょう。

 アイシールドのレンズは色付や調光タイプがありますが、暗いトレイルでも視認性の落ちにくいクリアレンズがお薦めです。

森林のなかの暗いトレイルでも視認性の落ちないクリアレンズがオススメです。写真はOGKのBINATO-Z Photo: Masahiro OSAWA

4.バックパック

 トレイルライドでは、ライドに必要な荷物をバックパックに入れて運びます。バックパックの容量は10~15リットル前後で、ウェストベルトとチェストベルトが付いた、通気性とクッション性が考慮された背面パネル付のものを選びましょう。

ウェストベルトとチェストベルトが付いたバックパックがオススメです Photo: Masahiro OSAWA

 

 バックパックに入れるアイテムは、飲料水、携行食、携帯工具、スペアチューブ、携帯エアポンプ、ファーストエイドキット、レインウェア、ライトなどが主だったものとなります。

 希にメッセンジャーバッグでトレイルを走っている方がいますが、メッセンジャーバッグは悪路で不安定になるため、トレイルライドでの使用は危険です。

バックパック内のトレイルアイテムの例、上から携帯エアポンプ、スペアチューブ、タイヤレバー、ファーストエイドキット、携行食、携帯ツール Photo: Akihiro KOBAYASHI

5.ウォーターボトルとハイドレーション

 ペットボトルをバックパックに入れるという方法もありますが、フレームに付けたボトルケージにウォーターボトルを付けたり、ハイドレーション(吸水ホース付のウォーターバッグ)をバックパックに装備した方が、吸水する手間が省け便利です。

ハイドレーションバッグ。飲料水を入れたハイドレーションバッグをバックパックに入れ、ホースから吸水します Photo: Akihiro KOBAYASHI
ウォーターボトルを用意するという手もあります Photo: Masahiro OSAWA
小林秋弘(こばやし・あきひろ)
東京・池袋から程近い、マウンテンバイク・プロショップ「M.D.S」店長。トレイルからレース用MTBまで幅広い品揃えで、ビギナーからベテランライダーをサポート。組み立て、販売だけでなく、ツアーやスクールなどのイベントも企画、運営。自転車協会が定めるスポーツ用自転車の点検・整備のプロ「SBAA PLUS」認定者の資格も持つ。

撮影協力:有限会社アキコーポレーション アメアスポーツジャパン株式会社 株式会社オージーケーカブト シマノセールス株式会社 ホダカ株式会社 株式会社ミヤタサイクル