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ビンディングペダルとシューズの仕組みと選び⽅

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ロードバイクの始め方<8>
ビンディングペダルとシューズの仕組みと選び⽅

 ロードバイクを買う理由や目的はそれぞれですが、選ぶ車体やアイテムにはセオリーがあります。なぜそのアイテムを選んだ方が良いのか、ビギナーに知っておいてほしいポイントについて、ロードバイクインプレッションやアイテムレビューでおなじみの自転車専門媒体『La route』編集長・安井行生さんが解説します。

シューズをペダルに固定

 シティサイクルとロードバイクで、機能や構造が最も異なるところといえば、シューズとペダルではないでしょうか。シティサイクルのペダルは、どんなシューズでもペダルを踏みやすいようフラットな形状になっています。だからこの普通のペダルを「フラットペダル」と呼んだりします。一方、本格的なスポーツバイクで使われるペダルは「ビンディングペダル」と呼ばれます。専用のシューズと専用のペダルを使い、シューズとペダルを固定するシステムです。

 こうすることで、どんなに激しくペダルを回しても、ペダルとシューズがずれることなく、安定したライディングが可能になり、結果として速く走れるようになります。また、最も効率よく力が伝達される位置に足を固定してくれるので、体力を余すところなく推進力に変換できるようになります。

 足を前後上下に動かしても固定されたままですが、横にひねるとパチンと外れます。慣れていないと止まるときに転びそうでドキドキするかもしれませんが、慣れると逆にビンディングペダル&シューズじゃないと怖くなるくらい。

 どのように固定しているのかというと、まず専用シューズの底にクリートと呼ばれるパーツを取り付けます。そのクリートを専用のペダルがキャッチすることで固定します。

左がロードバイク用、右がMTB用のピンディングペダル

 ビンディングペダルのデメリットは、専用のペダルとシューズが必要になること、慣れるまでは少し怖いこと、シューズの底にクリートが付くので歩きにくくなること。

 そんなビンディングペダル、「歩くことを視野に入れたタイプ(MTB用)」と、「歩くことは考えずに性能を追求したタイプ(ロードバイク用)」に大別できます。

 前者は靴底のグリップが大きく作られており、普通の靴とさほど変わらない感覚で歩くことができます。走りに行った先で歩いて観光するとか、お店に立ち寄るような使い方をするなら、こちらのほうがいいでしょう。

 後者は、軽さを重視しているためグリップがほとんどなく、クリートが地面に直接当たってしまい、非常に歩きづらい。歩けなくはありませんが、“ペンギン歩き”になってしまいます。また、長距離を歩くとクリートがすり減ってしまうという欠点も。そのかわり、シューズもペダルも軽くできており、またシューズとペダルの接触面積が大きくとられているので、パワー伝達性にも優れます。歩きやすさより速さ・効率を求めるならこちらを。

 どちらにせよ、ビンディングペダルを使うと、スポーツバイクの可能性が大きく広がります。より遠くに、より速く走れるようになります。走るのが何倍も楽しくなります。ぜひチャレンジしてみてください。

文: 安井行生(やすい・ゆきお)

自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。

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