2023.4.6
ロードバイクを買う理由や目的はそれぞれですが、選ぶ車体やアイテムにはセオリーがあります。なぜそのアイテムを選んだ方が良いのか、ビギナーに知っておいてほしいポイントについて、ロードバイクインプレッションやアイテムレビューでおなじみの自転車ライター・安井行生さんが解説します。
どんな趣味も楽しいことばかりではありません。ロードバイクもしかり。その一つが盗難です。
残念ながら、軽く持ち上げやすい、分解して現金化しやすい、回収業者のふりをしやすい、クルマなどのようにナンバー制度がないので足が付きにくい…などの理由から、高額なロードバイクは盗難のターゲットになりやすいのです。
実際、SNSには「愛車盗まれました」という投稿が頻繁に流れてきますし、筆者も2回ほどやられました。自宅に入られて自転車関連の機材をごっそり持っていかれたという可哀想な知り合いもいます。盗まれたら見つかる可能性はほぼないと思った方がいいでしょう。
防ぐ手立ては自衛しかありません。最も有効なのは、愛車から離れないことです。とはいっても、走りに行った先ではいろんなところに寄りたいもの。補給のためにコンビニに行くし、カフェにも寄りたいし、観光もしたい。
どこかに停めておくなら、セキュリティがしっかりしている駐輪場や、信頼できる人が管理しているスペースや、不特定多数の人が出入りしない室内など、できるだけ安全な場所を選びましょう。しかし現実はそんな都合のいい場所ばかりではありません。カフェの店先、コンビニの前などに停めることも多くなると思います。そうなると必須になるのが鍵・ロックです。
しかしこの鍵選びが難しい。防犯力(壊されにくさ)と、携行性(軽さ、コンパクトさ)は反比例するからです。防犯性を重視するがあまりゴツくて重い鍵を持って走るのは、せっかくのロードバイクの身軽さを大きく削いでしまいます。かといってあまりに簡素な鍵だと、ワイヤーカッターで簡単に切れてしまう。
要するに、自分のライドスタイルに合わせて使い分けるしかないんです。例えば、「コンビニやカフェなど、目の届くところに短時間とめるだけ」にするなら、軽く携行性に優れたもので十分でしょう。「どこかにとめて長時間離れる」というなら、多少重くとも防犯力の高い鍵がいいでしょう。鍵はそんなに高いものではありません。いくつか持っておき、愛車をとめる状況に合わせて使い分けましょう。
また、どんな鍵であっても、ある程度の長さがあるものをお勧めします。自転車に鍵をかける際、フレームとホイールに鍵を通して「走れない状態にする」だけではほとんど意味がありません。ひょいと持ち上げてトラックに積んでしまえますから。長めの鍵を使って移動できないようにしてください。
自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。
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