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「一目惚れ」もあり! ロードバイクの種類と最近のトレンド

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ロードバイクの選び方<1>
「一目惚れ」もあり! ロードバイクの種類と最近のトレンド

 ロードバイクの始め方、なんてそんな難しいことではありません。でも、ロードバイクという乗り物をめいっぱい楽しみたいのなら、購入前に知っておいた方が良いことがいくつかあります。今回はそれをお伝えしたいと思います。

この記事の内容

ロードバイクの種類について

 まず、ロードバイクの種類について。「ロードバイク」という言葉の定義ははっきりとしていませんが、世間一般的には「ドロップハンドルが付いた、軽くてタイヤの細い、レースをするための自転車」といったところでしょう。20年前なら、ロードバイクというとまさにそういう自転車を指していました。しかし現在は、ロードバイクという乗り物はもっと多様になっています。

 長距離を快適に楽に走るための「エンデュランスロード」、オフロードもガンガン走れる「グラベルロード」、軽いグラベルライドから荷物を積んでのツーリングまで対応する「オールロード」などの派生車種が誕生したのです。もちろん、ロードバイクのメインストリームは「舗装路を速く走るための自転車」ですが、高速域に特化した「エアロロード」や、ヒルクライムが得意な軽量ロードに細分化できます。

 自転車という乗り物の性格を決定づける「タイヤの太さとギヤ比」も幅広くなりました。昔のロードバイクは「タイヤは細く、ギヤは高速域に特化したもの」でした。しかし現在のロードバイクは、各々のコンセプトに合ったものになっています。例えばオフロードを走るグラベルロードは、「太いブロックタイヤに、低速から高速までカバーする幅広いギヤ比」という仕様です。

「どう乗りたいか」で選べる時代

 このように、ロードバイクという乗り物は、以前とは比べ物にならないほど多彩になっています。「舗装路を速く走るための自転車」から、「ドロップハンドルが付いたスポーツバイク」まで定義が広くなったと言えます。

 なので、自分に合った自転車は、「その自転車でどんなことをやりたいか」によって決まります。「舗装路を速く走りたい」「ヒルクライムに挑戦したい」「いずれサーキットイベントやレースに出てみたい」というなら、軽快なロードバイクが良いでしょう。

 一方、エンデュランスロードはハンドル位置が高く、ホイールベースが長いので、ビギナーでも前傾姿勢がきつくないので、安定して走れます。「ロングライドに挑戦したい」「楽に走りたい」という考え方ならエンデュランスロードが最適です。「砂利道を走ってみたい」「キャンプツーリングにも興味がある」という人は、グラベルロードやオールロードが候補になります。

 各メーカーのカタログやホームページを見れば、その自転車がどのような目的に合うのかが書いてあります。また、ショップに出向いてスタッフに相談すれば、最適なアドバイスをもらえるでしょう。

「一目惚れ」も大事な要素

 目的に合ったタイプが決まったら、その中でどうやって一台に絞るのか。元も子もないことを言うようですが、現在のロードバイクはどれも完成度が高く、「それだけはやめておいた方がいい」というモデルはほぼありません。どれを買っても問題なく自転車ライフを楽しめます。それに、好みや目的は刻々と変わるものですし、セッティングの変更やパーツの交換などで自転車の性能を変えることだってできます。

 そのため「見た目が気に入ったもの」を買えば良いと思います。見た目を重視して、「レースに出る予定はないけど見た目がカッコいいからエアロロードが欲しい」「オフロードを走るつもりはないけど、太くてごつごつしたタイヤに惹かれるからグラベルロードを買う」という選び方も良いでしょう。

 はじめはどの車種も同じように見えるかもしれませんが、「エアロロード」「グラベルロード」などの単語で画像検索をして、自転車の写真をたくさん見て、そしてショップに足を運んで、色々な自転車を見ていくうちに好みのタイプが見つかるでしょう。ビビッ!ときたならそれが運命の一台かもしれません。

 スポーツバイクはあくまで趣味。機能や実用性で選ぶ家電とは違います。“一目惚れ”に勝るものはありません。

文: 安井行生(やすい・ゆきお)

自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。

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