TOP HOW TO 自転車ダイエットの極意自転車ダイエットの極意<1>
バランスの良い食事こそがパフォーマンスを上げる近道に

News / Column自転車ダイエットの極意

自転車ダイエットの極意<1>
バランスの良い食事こそがパフォーマンスを上げる近道に

 この度、栄養に関するコラムを担当させていただくことになりました、管理栄養士の河南(かわなみ)こころと申します。全5回と限られた中で、できるだけ楽しくわかりやすく栄養のことをお伝えできたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 今は情報の時代で、さまざまな所から膨大な情報を得ることができます。しかしその情報が全て正しいのかと言うと必ずしもそうではなく、誤った情報を得てしまうこともあるでしょう。また、多様性の時代でもあり、人それぞれ価値観が異なるように、正解・不正解も人によって違ってくると思います。

 栄養に関してもまさにそうで、ある栄養素を摂ることによって体調が良くなった人もいれば何も変わらない人もいたり、ダイエットもさまざまな方法があり、それぞれに結果が出たり出なかったりします。そのため、ご自身に合った方法を見つけてもらうことがベストであり、私はそのお手伝いができればと思っています。

たんぱく質だけを摂っても筋肉にはならない

 さて、第1回となる今回は、栄養学の基本となる「バランスの良い食事」についてお話しいたします。

 まずはじめに、「“これさえ食べていれば良い“という食べ物や栄養素はない」ということをお伝えしておきます。これは今までサポートさせてもらってきたアスリートの方々に散々聞かれて答えてきたことです。考えるのが面倒臭いのでしょうか、栄養摂取を簡単にしたいという思いは伝わってくるのですが、仮に「鮭が良いです」と答えたら1日3食、ずっと鮭を食べ続けるのでしょうか?きっといつかは飽きてくると思いますし、大好物でも一生ずっと食べ続けるのは厳しいと思います。

 栄養素はさまざまな種類のものが助け合って、体の中で働きます。筋肉をつけたいからと、たんぱく質だけとっていても筋肉はつきません。プロのアスリートでもプロテインを1日に数回飲んでいるにも関わらず筋量が増えてこないので、食事内容を聞くと、エネルギーが足りていないことがわかり、炭水化物をしっかりとって体内にエネルギーを満たすようにしてもらったら、メキメキと筋量が増えてきたこともあります。

 筋肉をつけるためにはたんぱく質だけでなく炭水化物も、そしてそれらを代謝するためにビタミンも必要となりますし、そこにミネラルもあると筋合成が促進されることもあります。そうなると、栄養素もいろいろ摂る必要があるということがおわかりいただけると思います。特に栄養素の基本となるのが「5大栄養素」と言われる、炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミンです。この5大栄養素をバランス良くとるためには、主食・主菜・副菜・乳製品・果物を揃えるようにします。

「5大栄養素」と言われる炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル・ビタミンをバランスよく摂ろう

 主食は炭水化物源となり、ご飯(米)・パン・めん類・シリアル・お餅になります。主菜は主にたんぱく質と脂質を多く含むもので、肉・魚・卵・大豆製品(豆腐や納豆など)となり、副菜・乳製品・果物でミネラルとビタミンをとることになります。副菜は定食の小鉢をイメージしてもらえたらと思います(野菜・きのこ類・いも類・海藻類などを使った料理)。

 例えば、昼食をコンビニで買う場合、おにぎりとパンになることはありませんか? おにぎりもパンも主食なので、主菜・副菜・乳製品・果物がなく、食事のバランスは良くありません。そこで、飲み物を牛乳や飲むヨーグルトにして乳製品を追加したり、果物や果物の代用として100%オレンジジュースを選ぶのも良いでしょう。また、おにぎりやパンの具で主菜や副菜が摂れると一石二鳥です(おにぎりの具を鮭にするなど)。

 朝食は時間がなかったり食欲がなかったりするかもしれませんが、ここで食べる人と食べない人とで後々のコンディションやパフォーマンスの差が出てくると思います。「塵も積もれば山となる」で、朝食を食べるか食べないかの少しの差ですが、毎日のことですので積もり積もるともの凄い差になります。

日頃から不足しないような摂り方を

 少し話は逸れますが、栄養素と薬の違いは“すぐに変化が現れる・現れない”ところ。頭が痛い時に鎮痛剤を飲めば数十分後には痛みは治まるように、薬には即効性があります。しかし、栄養素に即効性はほぼありません。貧血になったからと鉄を摂ってもすぐには改善されませんし、カルシウムを多く摂っても骨折がすぐに治ることはありません。ケガをしてから、コンディションが悪くなってから「何を食べたらいいですか?」と聞かれることも多いのですが、栄養素は薬ではありません。日頃から不足しないように、いろいろな栄養素をとっておく必要があるのです。

 そのために、バランスの良い食事を摂るようにします。毎食、主食・主菜・副菜・乳製品・果物を揃えるように意識してみましょう。1品ずつ揃えるのは大変だと思いますので、ひと皿にいくつか合わせるのも1つの方法です。丼ものだと「主食+主菜」となりますし、フルーツinヨーグルトにすると「乳製品+果物」が一度にとれます。具だくさんのおみそ汁に卵を落とせば、「主菜+副菜」となります。外食の場合は主食・主菜・副菜がとれるメニューを選び、食後にコンビニへ寄って乳製品・果物を追加できるとベスト!

 でも、いきなり完璧を求めるとしんどくなって続けられなくなると思うので、「昨日の朝食は主食だけだったから、今日は主食と主菜は揃えよう」という感じで少しずつ意識してみてください。

 最後にもう一度、バランスの良い食事の合言葉は「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」です。

河南こころ

河南こころ(かわなみ・こころ)
管理栄養士。女子フィギュアスケートバンクーバー五輪銀メダリスト、男子バレーボールVプレミアリーグ所属チーム、ラグビートップリーグ所属チームなどを栄養面からサポート。ロードレースチームの「シマノレーシング」を担当していた経歴をもち、現在も「シマノ鈴鹿ロードレース」で開催される栄養講座の講師を務めている。自転車ロードレースの主要な国内レースは常にチェックしているというロードレースファン。現在はFC今治のサポートの他、トレーナー養成学校でスポーツ栄養学の講師をしたり、栄養学を学ぶ学生のコミュニティ「COMPASS」のアドバイザーとして後進育成に注力している。