2020.4.17
ロードバイクと体の柔軟性は一見関係ないように思えますが、その特有の前傾姿勢を楽にキープするために背中〜股関節にかけての柔軟性があると有利です。深く背中と股関節を曲げられるのでその分前傾姿勢にゆとりを持つことができます。深い前傾姿勢をキープできると、空気抵抗を軽減できるのでスピードアップも望めます。
また、股関節を構成する筋肉が硬いとペダリング中の膝への負荷が増してしまいますし、股関節が硬い分、腰を曲げることで代償して前傾姿勢をとることになるので、乗車中の腰への負担も増してしまいます。柔軟性はロングライドやヒルクライムに際しての故障の予防にもなるのです。
ロードバイクでのサイクリングは長時間の運動になり、それだけ体へのダメージも大きいです。これまで紹介した筋トレと合わせて、ストレッチやマッサージなどのケアをしっかりすることで、長く健康に自転車を楽しめるようにしましょう。
下半身の筋トレでもお伝えしたように、ハムストリングスはペダリング中に酷使する筋肉のひとつです。主にペダルに力を伝える踏み足のフェーズで重要な役割を担っています。ハムストリングスがしっかり伸びつつ機能するようになることで、ペダルに対してより上死点付近から力を加えることができます。
またハムストリングスの柔軟性が低いと前傾姿勢を取る際の股関節の屈曲を邪魔してしまいます。前傾姿勢がきつく腰を痛めやすい場合、ハムストリングスの柔軟性が損なわれている可能性があります。
ペダルにしっかりと力を伝えるためにも、故障を間接的に予防するためにも、ハムストリングスのストレッチをしっかり行いましょう。
① 膝立ちになったところから、伸ばしたい方の足を前に出します。骨盤に手を当てておきましょう
② 骨盤を前に倒して股関節を深く曲げます。
腰から曲げるのではなく股関節から曲げるように意識しましょう。
こちらも筋トレ編でご紹介した筋肉です。お尻を覆うように付着した筋肉で、股関節を伸ばす作用を持ちます。ペダリングにおいてはハムストリングスが力を発揮するための加速装置のような形で作用します。ペダルに力を伝えるきっかけになる、とても重要な筋肉です。
前傾姿勢を取る上では骨盤をしっかり前傾させることが重要ですが、大臀筋の柔軟性が低いとこの動きを邪魔してしまいます。また背筋と連動して腰を支える役割もあるため、大臀筋が硬いと背筋がその作用を代償する事になり、結果腰を痛めやすいです。
普段の仕事がデスクワークの方などは特に座る時間が長いことで筋肉が圧迫されて硬くなりやすい部位でもあります。
日々のケアとして是非取り入れてほしいストレッチを2つご紹介します。
① 長座になり、伸ばしたい方の足を反対側の膝の上に置きます。
② 下側の方の膝をゆっくり曲げていきます。このとき背中が丸まらないように注意しましょう。
大臀筋上部のストレッチの状態から両手で膝を抱えて胸の方に寄せます。胸をしっかりと伸ばしてあげましょう。
ストレッチによる柔軟性の向上はしっかりと継続して取り組まないと効果が得られません。最低でも1セッションで30秒、できれば60秒を目指してストレッチすると良いでしょう。また頻度としては週5回以上できると良いです。
正しくストレッチをしているつもりができていなかったりして効果が得られないことがとても多いです。どこの関節を大きく動かしてどこの筋肉を伸ばしているのかをしっかり確かめながらやりましょう。
今回のハムストリングスのストレッチで言うなら、“骨盤をしっかり倒す”ことでももの後ろの筋肉を伸ばしています。また、大臀筋で言うなら、“骨盤をしっかり起こしつつももを持ち上げる”ことでお尻を伸ばしています。
ストレッチは柔軟性を拡大してロードバイク上での姿勢や動きを改善するために行うものです。“ロングライドの後の疲労回復・筋肉痛予防”としての効果はゼロではないものの薄いです。
疲労回復・筋肉痛予防には入念な筋肉のマッサージと、ゆっくり湯船に浸かって入浴をすることの方が効果を確実に得られます。一手間はかかりますが、慣れない長距離ライドは体へのダメージも大きいので、サイクリングで酷使するお尻〜太ももの筋肉をマッサージと入浴でしっかりとケアしていきましょう。
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