2023.12.21
ドロップハンドルバーに巻いてあるテープのことを「バーテープ」といいます。様々な種類の素材やカラーが取り揃えられており、手軽に愛車のイメージチェンジを図れます。一方、巻き方にはコツがあるので、失敗すると綺麗に巻けなかったり、千切れてしまうケースもあります。気持ちよく使えるように上手に巻けるようにしましょう!
バーテープの本来の役割は、安全に、そして快適にハンドルを握れるようにすることです。カーボンやアルミハンドルはつるつるして滑りやすく、そのまま握っても力が入らずグリップできません。ここにある程度摩擦力とクッション性のあるテープを巻くことで、安全にハンドルをグリップできるようにします。
バーテープは使えば使うほど擦り切れたり、汚れたりするものなので、定期的に変える必要があります。特に手が直接触れるアイテムなので、擦れたり破れたりしたバーテープを握るととても使い心地が悪いもの。汗や汚れも染み込みやすく、雑菌も繁殖しやすいため、できれば清潔に保ちたい部分です。最低でも1年に1回~2回は変えておきましょう。
布のような素材から、ラバーや新素材まで、現代では多くの商品が出回っています。どれも平らな紐状で、ハンドルの左右に一本ずつ使用します。1000円~5000円ほどの価格が主流です。値段による差は素材ごとのクッション性や握り心地の好みによるものなので、高ければ良いというわけでもありません。
開封するとテープが2本、バーエンドキャップが2つ、化粧テープなどが入っていることを確認しましょう。
バーテープを巻く前に、下地を綺麗にしておきましょう。これまで使ってきたバーテープを剥がすと、固定用のテープの残骸がねばねばと残っていたり、汗の塩が結晶化していることも。特に室内でローラーのトレーニングをする人は、汗の塩がSTIレバー(変速レバー)のクランプ部などに入り込んでいるケースもあります。金属部が腐食して破断することもあるため、新しいバーテープを巻く前に、濡れたウエスなどで汚れやべたつきはしっかりとふき取っておきましょう。
はさみとビニールテープを用意しましょう。柄の長いはさみを用意するとベターです。テープを適正な長さにカットし、切り口を整える際に使用します。バーテープのハンドルバーとの接地面に両面テープが付いているのですが、あくまで巻き付ける際の仮止め用途ほどの粘着性しかありません。最終的な固定は巻き上げた最後の部分をビニールテープで固定します。
準備ができたらいよいよ巻き付ける作業に入ります。なお、バーテープの巻き方はハンドルバーの下から巻くのか、上から巻くのか、内巻きか外巻きか、隠しテープを使うのか…など多くの“流派”が存在します。今回ご紹介するのはごく一般的な巻き方です。作業に慣れてきたら好みの巻き方を見つけて、チャレンジしてみても良いと思います。
まず、ドロップハンドルの先端から巻き始めます。その際、バーテープの幅半分ほどを余すように巻き始めましょう。この余り分をバーエンドキャップで押し込むことで固定します。
バーテープを巻く方向は車体に向かって内側になります。テープの幅の半分ほどを残す形でらせん状に巻いていきましょう。均等な幅で巻いていくことがポイントです。綺麗に巻くコツは少々引っ張りながらテンションをかけることにも留意しましょう。テンション次第で握った際のフィーリングが変わるので、硬めが好きな人はより引っ張り、クッション性を持たせたい人は抑えめに巻いてください。ただし、テンションをかけすぎると千切れる可能性もあるので引っ張りすぎには注意しましょう。
STIレバー部にさしかかると、クランプ部を避けなければなりません。ここに隙間が生まれるため、隠しテープを用意しておくと効果的です。STIレバーのクランプを覆うように、数センチのバーテープの切れ端を用意しておくと隙間が目立たず綺麗に巻くことができます。
ハンドル上部まで巻けたら最後は仕上げです。車体の内側のテープを斜めにカットしてビニールテープで固定します。斜めに切り込むことで、カットした部分がツライチになり、見たがすっきりします。左右のテープ固定部は、ステムからの長さが左右均等に揃えるとより美しく仕上がります。なお、テープの固定部分は握っているうちにズレやすい場所なので、一部接着剤で固定力を高めておくことも有効です。
バーテープを巻く作業は数を重ねるごとに上達していきます。専用工具も必要ないので、慣れれば自宅での作業も用意でしょう。しかし、より美しく巻くにはお店のスタッフにお任せするのも手です。見た目もフィーリングも大きく変わるアイテムですので、プロに作業を依頼する人も多数います。
いくつもの高価なパーツで構成されているロードバイクですが、なかでもバーテープは比較的安いアイテムです。汚れや破損があった場合には、気軽に好感してみてはいかがでしょうか。テープの色を変えるだけでがらりと車体全体の印象が変わるので、コーディネートもより楽しめるでしょう。
10代からスイスのサイクルロードレースチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーへ参戦。引退後は産経デジタルが運営した自転車専門媒体「Cyclist」の記者、編集者として自転車やアイテムのインプレッション記事を担当した。現在はYouTubeチャンネル「サイクリストTV」でナビゲーターを務めるほか、自治体の自転車施策プロデュース業務を担当。
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