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ロードバイク乗車時の膝裏の痛みの原因と対策

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体の痛み緩和術<5>
ロードバイク乗車時の膝裏の痛みの原因と対策

 ロードバイクユーザーを悩ます体の痛み。手、首、肩、腰、尻、膝など、痛みを覚える箇所は人様々です。あまりに苦痛で乗るのが嫌になってしまう人もいます。なぜ、ロードバイクに乗っているうちに痛みが生じるのでしょうか。痛みを和らげるにはどうしたらいいのでしょうか。自転車系YouTuberであり、本業は理学療法士を務めるtom's cyclingのTOMI氏に、痛みの原因から対応方法までを聞きました。第5回は膝の裏側の痛みの原因と対策を紹介します。

※本連載はあくまで参考として紹介するものであり、痛みが強い場合などは医療機関の受診をオススメします。

膝裏の痛みの原因と対策を紹介

膝裏の痛みの原因

 膝の裏側が痛くなる人は、サドル高が高すぎることが原因と考えられます。下死点付近で脚が伸び切ってしまい、脚を引き上げるときに負荷が生じていると思われ、高すぎるサドルでペダリングを続けることで次第に痛みを伴ってきます。

 サドル高が高すぎることで、腰痛を誘発したり、ハンドルとの落差が大きければ手の平の痛みにもつながったりもします。逆にサドル高が低ければ、膝ばかりかお尻の痛みにもつながりやすくなりますから、適切な高さに合わせることが大切です。

膝が伸び切ったペダリングになることで膝裏にストレスがかかります

 適切なサドル高の設定はいくつもの方法がありますが、広く認識されている方法は、第1回で取りあげた方法が参考になります。そこを基準にしてにセッティングし、微調整をはかるといいでしょう。算出した数値と実際のサドル高(BBからサドル上端までの距離)が大きく下回っているようならば、適切な範囲から外れている可能性があります。

膝裏の痛み対策ストレッチ編

 膝裏に痛みがあった場合のストレッチ方法として、ハムストリングスを伸ばす方法があります。地面にお尻を付けたまま脚を伸ばして前屈を行いましょう。足の指先を上げる動作をすると、膝の後ろ側がしっかりと伸ばされた状態になり、効果は高くなります。

地面にお尻を付けたまま脚を伸ばして前屈。足の指先を上げる動作をすると膝裏がしっかりと伸びる

 また、立った姿勢から体を前に倒して、両手で自分の太ももを抱きかかえる方法もあります。その際は胸と脚をつけた状態にし、そのまま膝を伸ばしていくようなストレッチを行います。

立った姿勢から体を前に倒して、両手で自分の太ももを抱きかかえます

 膝裏が痛くなったときは、膝裏上下の筋肉を伸ばすのがいいので、アキレス腱伸ばしをやりましょう。

アキレス腱伸ばしも効果的

膝裏の痛み対策マッサージ編

 痛みを緩和するには、ストレッチよりもマッサージのほうが効果が高いとされています。出先ではストレッチで対処し、帰宅後にマッサージを行うとよいでしょう。

 膝裏の痛みのマッサージにはフォームローラーが役立ちます。フォームローラーを活用したマッサージとしては、足裏にフォームローラーを敷き、体重をかけて前後にころころと転がして、圧迫を加えていくだけです。ハムストリングスの筋肉は外側と内側に分かれているので、脚を外側に向けた状態で転がす、内側に向けた状態で転がすと良いです。

フォームローラーで筋肉をほぐします
脚を外側に向けた状態で転がす、内側に向けた状態の2つのパターンでマッサージをしましょう

 フォームローラーがない場合は、膝の裏側を自分で圧迫してみましょう。膝の曲げ伸ばしをすると痛みを感じるポイントがあるので、痛みを感じたポイントよりも少し上の箇所を圧迫しながら膝を曲げ伸ばしするのも効果的です。