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ロードバイク乗車時の膝の表側の痛みの原因と対策

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体の痛み緩和術<4>
ロードバイク乗車時の膝の表側の痛みの原因と対策

 ロードバイクユーザーを悩ます体の痛み。手、首、肩、腰、尻、膝など、痛みを覚える箇所は人様々です。あまりに苦痛で乗るのが嫌になってしまう人もいます。なぜ、ロードバイクに乗っているうちに痛みが生じるのでしょうか。痛みを和らげるにはどうしたらいいのでしょうか。自転車系YouTuberであり、本業は理学療法士を務めるtom's cyclingのTOMI氏に、痛みの原因から対応方法までを聞きました。第4回は膝の痛みの原因と対策を紹介します。膝の痛みは大きく分けて膝の表と裏、そして膝の外側と内側とで分けることができますが、今回は膝の表の痛みについて取り上げます。

※本連載はあくまで参考として紹介するものであり、痛みが強い場合などは医療機関の受診をオススメします。

膝の表の痛みの原因と対策を紹介

膝の表側の痛みの原因

 ロードバイクに乗って生じる膝の表側の痛みは、膝蓋骨と呼ばれる膝のお皿の下の部分とお皿の斜め上の部分に生じます。下記の写真の3点の部分がそこに該当します。

膝の表は3点が痛む場所です

 これらの部分に痛みを生じるのは、膝の筋肉を伸ばす、太ももの筋肉(大腿四頭筋)を使いすぎてしまっていることが可能性として考えられます。大腿四頭筋の膝の表側の筋肉はつながっており、大腿四頭筋の使い過ぎによってストレスが蓄積、痛みにつながります。ロードバイクビギナーであれば、重いギアでガシガシ踏むようなペダリングを続けていると痛みが生じやすくなります。

 また、サドルの高さが低い場合でも、大腿四頭筋への負荷が大きくなりますから、痛みが生じる可能性があります。

サドルが低いと太もも(大腿四頭筋)への負荷が大きくなり、膝の痛みを誘発する恐れがあります

膝の表側の痛みの対策

 対策として、まずはサドルの高さが低すぎていないかを確認することが必須です。サドルの高さについては、連載第1回の「ロードバイク乗車時のお尻の痛みの原因と対策」に述べた通り、「股下(cm)×0.875」がひとつの目安となります。算出した数値と実際のサドル高(BBからサドル上端までの距離)が大きく下回っているようならば、適切な範囲から外れている可能性があります。

「股下(cm)×0.875」をもとにサドル高が極端になっていないかを確認しましょう

 対策の2点目としては、大腿四頭筋を使ったペダリングではなく、お尻の筋肉(大殿筋)を使ったペダリングにすることです。大腿四頭筋の酷使により、膝の表に痛みが生じるわけですから、大殿筋を使ったペダリングに変えましょう。下腹部(腹筋)に力を入れた状態で、脚の付け根(股関節)から脚を動かしたペダリングを意識すると大殿筋を使っている感覚を得やすくなります。ペダリング時に大腿四頭筋を上から下に踏み下ろすのではなく、股関節から脚を動かすペダリングをしてみてください。

 大殿筋を活用したペダリングは膝の表の痛みのほか、腰の痛みの予防にもつながりますから、是非とも学んでおきたいところです。

膝の表の痛みのストレッチ法

 膝の前側の痛みが生じた場合のストレッチ方法も紹介します。直立した姿勢から、膝下を曲げましょう。ストレッチはすでに筋疲労を起こしている筋肉に対して回復の効果は持ちませんが、縮んでしまった筋肉に対しては伸ばしたほうがいいです。大腿四頭筋は縮みやすい筋肉ですので、ストレッチはそれなりに有効なものとなります。