2020.10.30
クロスバイクは軽快車(シティサイクル)よりも速く遠くに移動でき、通勤などの日常使いから週末のサイクリングといった趣味的な使い方まで幅広くこなしてくれます。スポーツバイク初心者の方には、クロスバイクがオススメと言いたいところですが、人気のスポーツバイクには、ロードバイクもあります。どちらを選ぶべきか迷う方もいるかと思ますが、どのような違いがあるのでしょうか。今回は、クロスバイク、ロードバイクの違いについて説明します。
端的に言えば、クロスバイクもロードバイクも、シティサイクルと比べると楽に、速く、遠くへ行くことができるスポーツバイクです。
同じ位置づけになりますが、速く遠くに行くことを突き詰めたのがロードバイクです。一般的にロードバイクはクロスバイクよりも重量が軽く、タイヤの幅も細い傾向にあります。車体重量が軽いことで、坂道を楽にこなすことができますし、タイヤの幅が細いことで路面抵抗が減り、速く走れます。
そして、走行時の最大の抵抗ともいえる空気抵抗もクロスバイクより少ないです。自転車の走行スピードを大きく左右するのは、自転車を走らせたときに体や自転車が受け止める空気抵抗です。ロードバイクはクロスバイクよりも乗車時の前傾姿勢が深くなるので、受ける空気抵抗が少なく速く走ることができます。
ロードバイクで1日に100km以上の距離を走る人はたくさんいますし、とにかく「速く遠くに」と考えるならば、ロードバイクも一考の余地ありです。
対してクロスバイクはシティサイクルよりは断然、速く遠くに行けますが、ロードバイクのように1日100kmを走ろうと思うと、なかなか大変です。
ロードバイクよりもタイヤは太めな傾向にありますし、ハンドルはフラットバーと呼ばれる棒状のつくりになっているので、ロードバイクほど深い前傾姿勢はとれません。路面抵抗、空気抵抗を考えると、ロードバイクのほうが速度が出せて、遠くまで行く能力に優れています。
比較すると、クロスバイクは、自宅から少し離れた場所までをサイクリングするのに適したスポーツバイクといったほうがいいかもしれません。とはいえ、平地ばかりの道のりで往復20〜30kmほどの距離ならばスポーツ初心者でもこなせますし、行動範囲はかなり広がります。普段とは違う場所に行くことができるはずです。
もうひとつお伝えしたいのが、クロスバイクのほうが初めてのスポーツバイクとして馴染みやすいということです。
クロスバイクのほうがロードバイクよりも乗車時の前傾姿勢が緩やかで、常に上体を起こした乗車姿勢となります。これが初めてのスポーツバイクとして考えた場合に適しているのです。慣れの問題ではありますが、ロードバイクに乗ったことのない人がロードバイクにまたがると、怖さを感じる人もいます。違和感が少なく、自然な感覚で乗車できるメリットは大きいです。
もうひとつ、価格にも注目したいところです。シティサイクルに比べると、クロスバイクは高価な自転車に見えてしまうかもしれませんが、高価なスポーツバイクの中では、比較的手頃な価格で購入できます。
ロードバイクと比較して考えてみましょう。ロードバイクは予算が10万円以内では、選べる自転車がかなり限られてしまいますが、クロスバイクは10万円以内で、数多くの有名ブランドの製品を購入することが可能です。ロードバイクよりも断然少ない予算でお気に入りのモデルを見つけ出すことができるでしょう。
ちなみに、クロスバイクの価格差は主に車体の素材とパーツグレードの違いです。値段に比例して軽量な素材が用いられ、パーツもグレードアップします。車体の素材は「スチール<アルミ<カーボン」の順に値段が上がっていきます。
今回はクロスバイクとロードバイクの違いに目を向けてきました。どちらが魅力的に見えたかは、人それぞれかもしれません。最終的には、スポーツバイク専門店を訪れて店員に相談するのがオススメですが、その際も、自分が普段、どんな使い方をしているのか、先々、どのような使い方をしたいのかを伝えることで、適切なアドバイスをもらえるはずです。
取材協力:ホダカ株式会社、コーダーブルームショップ 東越谷店
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