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サイクリングの極意<7>

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輪行で遠出してみる(電車編)
サイクリングの極意<7>

 サイクリングを始め、家の周囲を走ることに慣れてくると、次第に「いつも同じコースで飽きる…」となるでしょう。いくら走るのが楽しくても、ずっと同じではマンネリ化してしまいますからね。

 そこで、ガラッと景色と雰囲気を変えるためにオススメなのが、自転車と一緒に鉄道などで移動する「輪行」です。鉄道を使って一気に距離を稼ぐことで、ふだんは行けない場所にひとっ飛びできるというわけ。

 とはいえ、

 「電車で自転車を運ぶのか…めんどくさそう…」
 「不特定多数の乗客がいる列車内に愛車を持ち込むのは不安だな…」

 という気持ちもあって、一歩を踏み出せない人もいるでしょうから、輪行のコツと心構えについてまとめてみました。

ひとことで言うと「自転車を袋に入れる→担ぐ→電車に乗る」のが輪行

 乱暴に言うとそういうことです。初回の緊張感はありますが、特別なことはありません。まずは輪行バッグという専用の袋を購入しましょう。観光地などでは自転車をそのまま乗せられる「サイクルトレイン」が走っていることもありますが、日本では多くの場合、輪行袋に入れないと電車には乗れません。

 輪行袋本体といっしょに、エンド金具とリアディレーラーを保護する機材も買うと良いです。基本的なものであれば5000~7000円くらいで揃うはずです。

 ロードバイクを例に取ると、両ホイールを外し、フレームにくくりつけて、リアディレーラーを保護して、袋に詰めます。これ、言葉にすると超簡単に聞こえますが、やってみると「あれ?なにげに手間取るぞ…(汗)」ってなるはずです。慣れない作業は時間がかかる。なんでもそうですよね。

 「で、具体的にどんな手順でどこをいじって準備をすればいいの?」

 言葉で説明するよりも、動画が良いでしょう。このサイト上にも解説動画があります。詳しく&優しく解説してくれているので、具体的な手順はこれを見ればOK。
http://www.sbaa-bicycle.com/sbaa_sp/movie/kihon07.html

 

 ちなみに筆者は初めての輪行時に30分近く掛かった思い出があります。「15分くらいだろう」という見込みが思い切り外れ、お目当ての列車に乗れませんでした。袋にキレイに入れるのが一人だとうまくいかなかったり、入れ終わった!と思ったら手順を1つ飛ばしていたことに気付いて袋から出したり…というムダが発生したからです。よって、ぶっつけ本番でやるのではなく、自宅で数回練習しておくことをオススメします。

前後輪を外してフレームにくくりつけ、あとは輪行袋に入れるだけ、の状態

 ちなみに今は10分かからないくらいで準備できるようになりました。発車15分前に駅に着くと焦りますが、ギリギリ間に合うレベル(笑)。慣れれば10分前後で輪行準備はできるようになります。

輪行しやすい駅の選び方

 輪行は最初のうちは「小さめの駅」から開始するのが緊張感が少なくて良いです。東京駅や新宿駅のような巨大な駅はたしかに便利ではあるのですが、それなりに重いバイクを担いで歩き回るには広すぎます。

 ロードバイクで8kg前後、他にもリュックやヘルメット等も持っていますので、なんだかんだで10kgかそれ以上の荷物を持っていると考えれば、あまり歩きたくはないですよね。人通りも多いので、大きな輪行袋を担ぎながらだと、ぶつかりそうで怖いです。自転車を輪行袋に入れる作業をする際も、荷物を広げると迷惑になりやすいです。

 こんな感じで、大きな駅は足も心も疲弊しますので、なるべく避けましょう。

 駅選びのコツは「歩く距離をなるべく最低限にする」こと。つまり、改札からプラットフォームが近い駅だと負担が少ない。さらに、電車内に輪行バッグを持ち込む際のマナーとして、「先頭か最後尾の列車に乗る」があります。かさばる荷物を持ち込むわけですから、他の乗客の邪魔にならない配慮です。

 東京近郊だと、電車が15両でホームの全長が300メートル以上、なんて駅もあります。プラットフォームを延々と歩かないで済むためには、中央口ではなく、あえて北口とか南口のように「端っこの改札からアプローチする」のがコツ。人の数も少なめですので、輪行作業もしやすかったりします。ちょっとしたことですが、知っておいて損はないでしょう。

 ちなみに筆者が好んで使うのはJR赤羽駅です。乗り入れ線や本数が多く、ハブ的な駅のわりに、改札からのアプローチが短距離で済むからです。自宅の最寄駅ではないのですが、わざわざ赤羽駅まで移動して輪行するのが習慣となっています。

紐で固定して転倒防止

輪行時に守りたいマナー

 いくら電車に自転車を持ち込むことが認められているとはいえ、やはり大型荷物を持っているわけですので、他の乗客のなるべく邪魔にならない、迷惑をかけない配慮はしたいもの。先頭か最後尾の列車に乗車する以外にも、Tシャツや短パンに着替える(全身サイクルウェアは非サイクリストにはちょっと違和感)とか、ヘルメットを脱いでおくとか、もすると風景に馴染んでGOODです。

 あと、休日の最後尾(もしくは先頭)車両には乗り込んだ時点ですでに他のサイクリストが陣取っていることもあるし、その逆もあります。そんなときは知らない者同士であってもバイクを重ねて、なるべく省スペースで置けるよう協力し合いましょう。

 「えー、知らない人とそんなことできない…」

 と躊躇するかもしれませんが、不思議なもので、列車内でサイクリスト同士が出会うと、なんとなく無言のまま「こちらにどうぞ…」「これはこれは、ありがとうございます…」という雰囲気になるものです。なので大丈夫です(笑)。

写真・文/中山順司

中山順司
中山 順司(なかやま・じゅんじ)
ロードバイクをこよなく愛するオッサンブロガー。ブログ「サイクルガジェット」を運営。“徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。