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クロスバイクの洗車のコツを教えてください

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知っておきたい!クロスバイクのメンテナンス&トラブル対処法<9>
クロスバイクの洗車のコツを教えてください

 クロスバイクに乗っていて、自転車の不調を感じることはありませんか? 小さな不調だし、まだ走れると思ってそのままにしていると、さらに大きなトラブルに発展するかもしれません。クロスバイク・ユーザーなら知っておきたいメンテナンスとトラブル対処法を紹介していきます。

クロスバイクが汚れたときのお手入れは?

自転車をキレイに保とう

 クルマであれば定期的に行うであろう“洗車”は、自転車においては少し違ったニュアンスになるかもしれません。ボディーをキレイにする見た目の意味合いが強いクルマの洗車に対して、クロスバイクなどスポーツ自転車の洗車は、露出しているドライブトレイン(車輪に動力を伝える役割を果たすパーツ群)の洗浄という、走行性能にかかわる部分のメンテナンスという意味合いが大きくなるからです。

 洗車は注油と比べて難易度が高く手間も多いので、「可能であればやったほうがいい」といったレベルの作業です。ただし、先にも書いたとおりスポーツ自転車のドライブトレインは外に露出しているので、砂やホコリといったものが付着することで、ギヤやチェーンのスムーズな動きを阻害したり、そのまま使い続けるとギヤやチェーンが余計に削れていってしまいます。

 定期的にドライブトレインを洗浄することで、機械部分のスムーズな動作を保つことができ、各パーツも長持ちしますし、何より走りが軽快になります。できる範囲で自転車はキレイに保ちましょう。近年は自転車専門店で洗車をサービスメニューに入れているところもありますし、まだ多くはありませんが自転車の洗車専門店というものもありますので、利用するのも良いでしょう。

ドライブトレインの洗浄

 さて、自転車の機械部分の洗浄には、ディグリーザーと呼ばれる洗浄液が市販されており、これを使うことで汚れや劣化した油分といったものを除去することができます。

ディグリーザーで汚れを除去→再注油、というのが機械部分の洗浄メンテナンスの基本です

 一番良いのは自転車を一度パーツ単位にバラして、一つひとつ洗浄することですが、そこまでするとなると手間が膨大ですので、できる範囲でやってみましょう。例えばチェーンであれば、スプレータイプのディグリーザーを浸透させて、タオルやウエスでふき取るだけでも、だいぶ汚れを落とすことができます。

ウエスを裏から当てながらチェーンなどにディグリーザーを吹き付けます

 自転車用のディグリーザーは、他の部分に飛び散っても悪影響が少ないものが多いですが、噴射する際には一応周囲に飛び散らないよう、裏にウエスなどを当ててディグリーザーをかけてください。そうしてディグリーザーをよく馴染ませてあげると、チェーンに付いているオイルの汚れが取れてきます。ここでウエスなどでチェーンにテンションをかけてもんであげると、外側だけでなくリンク内の汚れも取れてきます。この要領でチェーンを一周洗浄してあげましょう。

指先でチェーンをこじるようにテンションをかけながら、ウエスでよくもんであげます
ウエスの中ではこんな感じになっています

 他の部分も同じように洗浄することができます。古い油分を落としてカラカラになっているので、洗浄後は必ず注油してください。

フレームの洗浄は

 ドライブトレインなどの機械部分以外であれば、水拭きでも汚れはほぼ落ちます。ポイントは汚れが付いたばかりのうちにキレイにしておくことで、長く放っておくと固着して、落としにくくなってしまいます。

フレーム部分は水拭きだけでもかなりキレイにできます

 自動車の洗車のように水をジャブジャブかけて洗う方法もありますが、洗った後の水の除去が面倒なので、近年は水を使わず吹き付けてふき取るだけ、といった洗浄剤も市販されておりよく使われています。フレームをキレイにするのであれば、洗浄剤を配合した使い捨てのシートといった商品もあります。ワックス効果もあるなど便利です。

最近は便利な洗浄シートも市販

 軽く拭くだけでも自転車全体を見ることになりますから、各部の破損や消耗に気付く機会にもなります。定期的に愛車をチェックしてあげましょう。

写真・文:米山一輝

取材協力:ダイワサイクル宝塚中山寺店