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自転車は車道の信号に従うだけでは不十分な場合があるって本当ですか?

News / Column弁護士に聞く、自転車のルールの素朴な疑問

弁護士に聞く、自転車のルールの素朴な疑問<10>
自転車は車道の信号に従うだけでは不十分な場合があるって本当ですか?

 これってあり? なし? こんなときはどうする? 自転車に乗っていて、ふとした疑問を抱いた経験はないでしょうか。ここでは自転車にまつわる交通ルールを中心に、Q&A方式で弁護士が素朴な疑問に答えていきます。

Q 自転車は車道の信号に従うだけでは不十分な場合があるって本当ですか?

A 信号には、丸型の青、黄、赤の灯火を備えるものと、人形の記号の赤の灯火と人形の記号の青の灯火を備えるものの2種類があります。つまり、俗に我々が考えている「車両用信号」と「歩行者用信号」です。便宜的にそう呼ぶことにします。

車両用信号
歩行者用信号

 自転車が、この信号にどのように従って進行すべきなのかは、単に「車両用信号」が一つあるだけの交差点であれば、それに従って進行すればよく、難しい話ではありません。しかし、このように車両用の信号とは別に、歩行者用の信号がある場合には、注意が必要です。

 まず、自転車が車道を進行している場合には、車両用の信号に従うのが原則です。例えば、歩車分離式の信号によって交通整理が行われている交差点の場合、対面する車両用の信号が赤で、横断歩道の歩行者用信号が青だった場合、自転車は進行してはいけません。

 また、歩道が「自転車通行可」の場合であって、自転車が歩道を進行して横断歩道を横断する場合には、歩行者用信号に従うことになります。ただし、二人乗りの自転車や、けん引自転車などは除きます。

 しかし、近年その数を減らしているとはいえ、横断歩道に自転車横断帯がある場合には、状況が異なってきます。

自転車横断帯(自転車マーク)のある交差点

 自転車は、自転車横断帯を通る義務があるので(道交法63条の7第1項)、横断帯を進行するのですが、自転車横断帯は歩道ではないため、自転車は原則どおり車両用信号に従うべきとも思えます。

 しかし、実際には自転車横断帯は歩道と隣接して設置されていることが多いので、その場合には、公安委員会が「歩行者・自転車専用」という標識を歩行者用信号につけて自転車は、歩行者用信号に従わなければならないこととしています(道交法施行令2条4項)。「歩行者・自転車専用」の標識がついた歩行者用信号が赤の場合には、自転車は、車両用信号が青であっても進行してはいけないということになります。「自転車専用」の標識がついた信号に従わなければならないということですね。

自転車横断帯(自転車マーク)のある交差点

 また、自転車は、「自転車専用」「斜め横断専用」など標識が付けられた信号に従う必要があります(道交法施行令2条3項)。

 自転車横断帯がある場合の守るべき信号のルールは、以上の通りですが、自転車横断帯がある場合の走行の方法について簡単に補足しておきます。自転車横断帯がある付近では道路を横断する場合には、横断帯を通行しなければなりません(道交法63条の6、63条の7)。しかし、自転車横断帯は横断歩道ではないので、自転車を降りることは求められていませんので、乗車したままで横断できます。

自転車横断帯のある場所を通過する際、自転車は歩行者・自転車専用信号の指示に従いつつ、自転車横断帯を通過し、再び車道に抜けていくことになります
本田聡
本田聡(ほんだ・さとし)
2009年弁護士登録。会社関係法務、独占禁止法関係対応、税務対応を中心に取り扱う傍ら、2台のロードバイクを使い分けながら都内往復20kmの自転車通勤を日課とする。久留米大学附設高校卒・東京大学法学部卒・早稲田大学法務研究科卒。