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TOJの東京ステージ・大井埠頭を‟遊ぶ”湾岸サイクリングコース

 例年5月に開催される「ツアー・オブ・ジャパン」(TOJ)の東京ステージの舞台にもなっている大井埠頭。トラックの往来が少なくなる毎週日曜と祝日は愛車を思い切り走らせることができるとあって、練習熱心なサイクリストの間でロードバイクの“メッカ”と化しています。これほど聖地化されていると、トレーニング派でない人も「一度は行ってみたい」と気になっている人も多いはず。ということで、今回は大井埠頭周辺のお楽しみを含めたおすすめのサイクリングルートを紹介します。
大井埠頭周辺には着陸寸前の飛行機をこんなに間近に見られる公園も
オススメポイント東京の新名所「高輪ゲートウェイ駅」を出発し、旧東海道を通ってツアー・オブ・ジャパンの東京ステージの舞台、大井埠頭を走るコース。羽田の穴子天丼や天王洲アイルのクラフトビール等、ベイサイドのグルメも満喫。
レベル★★(中級者向け)
距離43km
獲得標高385m
始発・終着地始発・JR高輪ゲートウェイ駅 / 終着地・りんかい線天王洲アイル駅
立ち寄りグルメ食通ゆたか(穴子天丼)、T.Y.Harbor(クラフトビール)
立ち寄りスポット旧東海道、大井埠頭、城南島海浜公園
 大井埠頭はコンテナや倉庫が立ち並ぶ、はっきりいって殺風景なエリアですが、信号も少なく、1周あたり約10kmをしっかり踏める貴重な場所とあって、日曜、祝日はたくさんのサイクリストがスピード練習を行う目的で集まってきます。それだけに「猛者たちの練習場所」というイメージもあるようですが、そんな心配はご無用。集まるサイクリストは皆、それぞれのペースで解放的な走りを楽しんでいます。今回は初めての人でも楽しめる「トレーニングだけじゃない大井埠頭」ということで、周辺のスポットを交えたルートを紹介していきます。

話題の高輪ゲートウェイ駅からスタート

場所柄、都心に近いことからほとんどのサイクリストが自宅から自走で訪れているようですが、アクセスの良い幹線道路はクルマ通りも激しいので、走り慣れた人でないと少し緊張してしまうかもしれません。 そこで今回は幹線道路を使わずに旧東海道でのんびりアプローチするルートを考えました。品川から国道15号線沿いに一本裏手に入った道で、品川駅まで輪行すれば、すぐに幹線道路の喧騒から逃れることができます。 ただ、本来ならば品川駅からのスタートがおすすめですが、今回はせっかくなので、3月にオープンしたばかりの高輪ゲートウェイ駅からスタートすることにしました。
話題の高輪ゲートウェイ駅からスタート
品川駅から距離にしてわずか2.7kmしか離れていませんが、「どうしても幹線道路を極力避けたい!」という人は品川駅で輪行解除することをおすすめします。 高輪ゲートウェイ駅から国道15号線を10分ほど走ったところで、八ツ山という分岐にさしかかります。そこを左に進めば、そこがもう旧東海道の入り口です。
旧東海道の入り口、「八ツ山の東司」にある東海道品川宿マップ。指をさしているポイントが現在地
その分岐のスポットには ちょっとした休憩場所があり、これから走行する品川宿の地図が設けられています。 品川宿は東海道五十三次の宿場の第一宿。地図を見ると、沿道には由緒ある社寺が数多く存在し、かつての宿場町の面影が残っています。ちなみに、この休憩所には公衆トイレもありますので、覚えておくと良いでしょう。 旧東海道はさまざまな店舗が軒を連ねる、いわば商店街。昔ながらの店構えが残る和菓子屋や、現代風にアレンジした茶屋風カフェがあったりと活気にあふれています。車両も通行可ですが、人も行き交うので、スピードを落としてゆっくり街並みを楽しみながら走りましょう。
曲がりくねった道の形状に旧道ののんびりしとした趣が漂う
目黒川にかかる品川橋。かつては北品川と南品川との境目だったことから「境橋」と呼ばれていたそう
「品川寺」と書いて「ほんせんじ」。品川区で最も古いお寺

ロードレースのメッカ・大井埠頭

旧東海道を3kmほど走り、「競馬場通り」に差し掛かったところで左折。そのまま直進すると大井埠頭に到着です。クルマに煽られることもなく、あっという間に到着です。
陸橋を越えるとTOJ東京ステージの舞台、大井埠頭が見えてきた
ここで1つ余談ですが、大井埠頭に向かう陸橋の上からJRの大井車両基地を望むと、 「新幹線のお医者さん」 こと「ドクターイエロー」を拝めるときがあるので、橋を越える際にちょっと歩道側にあがってチェックしてみてください。
運が良ければを橋を渡るとき「ドクターイエロー」が見れるかも?
橋を渡ったところにある「みなとが丘ふ頭公園」のシンボル、通称「ウニ」と。TOJではここがブースエリアとして使われる
平日と土曜はひっきりなしに往来するトラックで、とても自転車で走れる状況にない大井埠頭ですが、日曜・祝日は平日の喧騒が嘘のように静まり返ります。都心で行き場のないサイクリストにとっては、まさに天国のような環境です。
平日・土曜はたくさんのトラックが往来する大井埠頭ですが…
日曜祝日になると交通量はほぼゼロ
この日も午前9時過ぎに到着した時点で、すでにいくつかのチームがグループ走行の練習していました。ものすごい速さで走り抜けるチームもいれば、女性も交じってグループ走行をしていたりとチーム構成はさまざま。TTバイクに乗ったトライアスロンの選手らしき人もいて、まるでクリテリウムのように一周約10kmほどのコースをぐるぐると周回しています。
この日もたくさんのサイクリストがチーム練習をしていた
信号がなく、クルマ通りや歩行者がいない直線道路は都内では貴重な環境
もちろん交通量がほぼゼロといっても、時折クルマが現れることもあります。ところどころに信号も設けられているので、交通ルールとマナーを守って走ることが前提です。
色とりどりのコンテナを横目に城南島海浜公園へ
大井埠頭を心行くまで周回したら、隣接する城南島海浜公園へと向かいます。 羽田空港からもほど近い大井埠頭は、着陸寸前の航空機が頭のすぐ上を通過していくエリア。城南島は航空ファンはもちろん、ファンならずとも、その迫力を間近で楽しむことができる人気のスポットなのです。
城南島海浜公園から見上げる着陸寸前の飛行機。生で見るとけっこうな迫力。飛行機好きにはたまらない!

ランチは羽田で江戸前穴子

そこからさらに羽田方面へと足を伸ばします。このエリア一帯の埋立地を移動するには、橋を経由する際に歩道に乗らなくてはいけない箇所もありますので、その場合は徐行したりルールを守って安全に走行してください。 城南島海浜公園から走ること約10km。到着したのは羽田弁天橋、そして現れたのは真赤な大鳥居です。これがなんとも不思議な佇まい。なぜなら、社殿がないのです。
羽田空港からほど近い、弁天橋際に建つ大鳥居。過去の様々な経緯があり、穴守稲荷と切り離されて現在の形となった
もとは 「穴守稲荷」という神社の大鳥居だったそうですが、なぜ社殿から引き離され、このような形になったのか…。謎を紐解くと、この地域に起きた数々の歴史を知ることができるので、ぜひ自分の脚で訪れてみてください。 そろそろおなかが空いてきたので、ここらでお待ちかねのランチ休憩です。羽田といえば江戸前の魚の宝庫!羽田沖といえば穴子! ということで、今回は地元で評判の「食通 ゆたか」で穴子丼を堪能することにしました。
ランチは江戸前のとれたて穴子や地魚の天ぷらを堪能できる店「食通 ゆたか」へ
サクサクふわふわの穴子天丼(写真は中穴子)。味噌汁、お新香がついています
穴子天の他にもハゼやキス、ボサ(多摩川河口で獲れる川エビ)等地元で獲れる食材にこだわったメニューが並び、まさに東京湾の豊かさを感じられるお店 です。

■食通 ゆたか

所在地: 東京都大田区羽田4-22-9 TEL:03-3741-2802 営業時間:〔昼〕11:30~14:00(L.O.13:30)〔夜〕17:00~21:00(L.O.20:00) 定休日:月曜日、火曜日

帰りも輪行、締めはクラフトビールで

ランチを食べたら再び品川方面へと戻ります。安全な裏道を走行することも可能ですが、この辺りの裏道は住宅街が入り組んでいるので、いったん幹線道路に浮上して走行した方がスムーズです。また、この辺りは幹線道路の道幅も広いので、クルマの往来があっても比較的不安を感じずに走ることができます。 幹線道路を5kmほど走ったところで、再び旧東海道を経て、今度は「海岸通り」という裏道へ入ります。この道路も休日には交通量が減少するため、走りやすくなります。 海岸通りを数km走るとゴール地点、天王洲アイルにあるクラフトビールの 醸造所を併設したブルワリーレストラン「T.Y.Harbor」 に到着です。
天王洲アイルにある醸造所を併設したブルワリーレストラン「T.Y.Harbor」
「ビール?サイクリング中に飲酒なんてとんでもない!」 と思われるかもしれませんが、来るとき輪行してきたのですから、輪行バッグは持ってるはず。そう、帰りも輪行すれば良いのです。 最寄り駅は、りんかい線の天王洲アイル駅。ここから押し歩いても700m程度ですから、楽しいライドの仕上げを飾るにはもってこいの場所です。 レストランといっても、1時間ほど前にランチを摂ったばかり。ビールは飲みたいけれど、何かを食べるほどでもないなと思ったら、レストランに併設されているショップがおすすめです。
レストランに併設した、お土産等を取り扱うショップ。ビールのみならここでも気軽に堪能できる
店内から、ここでのビールを作り出している醸造機器を見ることができる
主にブリュワリーのお土産等のグッズを取り扱う店舗ですが、ビールのみであれば定番品から季節限定品まで レストランと同じラインナップを堪能することができます(配送も可能)。
T.Yハーバー限定の「SMOKED NUTS」。他にも季節限定のビールなどもラインナップ
人気のあるレストランの方は予約をしなければ待たなければならないこともありますが、ショップでは待たずに手軽にビールを味わうことができます。麦芽を入れていた袋を再利用したサコッシュも販売しているので、お土産にビールを入れて帰るのも良いかもしれません。

■T.Y.HARBOR BREWERY SHOP

所在地: 東京都品川区東品川2丁目1−3 TEL:03-6632-1718 営業時間:12:00〜21:00 定休日:月曜日、火曜日 >T.Y.HARBOR BREWERY SHOP
文: 後藤恭子(ごとう・きょうこ)

アウトドアメーカーの広報担当を経て、2015年に産経デジタルに入社。5年間にわたって自転車専門webメディア『Cyclist』編集部の記者として活動。主に自転車旅やスポーツ・アクティビティとして自転車の魅力を発信する取材・企画提案に従事。私生活でもロードバイクを趣味とし、社会における自転車活用の推進拡大をライフワークとしている。

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