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初めての輪行旅にぴったり 栃木県・益子町で‟ポタリー”ポタリング

 ロードバイクに慣れて、そろそろ公共交通機関と組み合わせた輪行旅に挑戦してみたいと思いませんか? そんな思いにうってつけの旅先があります。陶器の「益子焼」で有名な町、栃木県の益子町です。ゆったりと向かえる旅先で、短めの距離ながら林道や田園風景の中を走る里山ライド、カフェや陶芸を巡るポタリングまで楽しめるビギナー向けのサイクリング最適地です。
「益子焼」でおなじみの益子駅。早速大きな益子焼の甕が駅舎でお出迎え
オススメポイント短い距離の中で、林道ヒルクライムや田園地帯サイクリング、そして益子焼きを巡るポタリングもできる、自転車の魅力が凝縮されたビギナー向けのエリア。東京から日帰り輪行できるので、ちょっとした旅気分も味わえます。
レベル(初級者向け、ただし要輪行テクニック)
距離17.3km
獲得標高159m
始発・終着地益子駅(真岡鐵道)
立ち寄りグルメスターネット、イチトニブンノイチ
立ち寄りスポット濱田庄司記念益子参考館、pejite

前半は里山サイクリングからスタート

ライドのスタート地点は真岡鐵道の益子駅です。都心からだと例えば新幹線と在来線を乗り継げば所要時間は2時間半ほど。日帰りながら、ちょっとした旅気分も味わえてしまう距離です。ライドをスタートする時間も11時頃で十分なので、東京から向かう場合でも時間に余裕をもって出発することができます。
午前11時からスタート。都心からのアクセスに少々時間がかかるが、このくらいからスタートしても十分楽しめる
自転車ウェルカムな益子町。駅近くの観光案内所にはポンプや工具の貸し出しも行っている
ライドコースは、「林道サイクリング⇒ちょこっとヒルクライム⇒田園サイクリング⇒益子町ポタリング」という行程で進めていきます。益子町は、陶芸店や窯が軒を連ねる益子駅周辺を囲むように東側、北側が小高い山が存在します。それらの里山を堪能したあと、町へと下りていくコースになっています。ということで、まずは林道を目指して駅から北側へと向かいます。
ちょっと走ると、すぐに気持ちの良い林道へ
スタートして2.4kmほど北へ走ったところにある「生田目林道」へと入ります。地元の「ましこポタリングマップ」でもおすすめしている道だけあって、木漏れ日が気持ちよく、クルマ通りも少ない走りやすい林道です。 ここが一つ目の坂、といっても勾配は緩やかなので、坂が苦手な人でも得意になったような気持ちで走れるでしょう。
緩やかなワインディングロードが気持ちいい
少し上った丘の上からペダルを止めて町を見下ろすと、眼下にきれいな田畑の風景が広がります。
見事な田畑が広がる(取材時=7月)
約4kmの林道を走り終え、泥部坂という坂を下ると、今度は上から眺めた一面の田んぼの間を走り抜けます。青々とした麦畑が風に揺れる光景は、まるで波打つ緑の水面のよう。もう少し季節が進むと、今度は黄金色一色に染まるのでしょうか。
視線の先に広がる青々とした麦畑
3kmほど気持ちの良い平地を堪能したところで、2つ目の坂「引地坂」が現れます。最初の坂と違い、今度は少々気合の要る斜度強めの坂です。
田んぼの中に突如現れたフォトジェニックな鳥居。この奥にひっそりと八幡神社が佇んでいます
最大斜度はなんと約15%、平均斜度12%! とはいってもだらだらと長い坂ではなく距離860mで約100mをアップするので、本当に気合勝負です。こういうヒルクライムもサイクリングのアクセントになって良いもの。漕いで上れない場合、押して歩いてもさほどの距離ではありません。 里山ライドを堪能したところで時間は概ねお昼12時を回る頃、お待ちかねのランチタイムです。本日の昼ごはんは、益子の地元食材を使った身体にやさしい自然食「スターネット」です。
地元で採れた有機野菜が食べられる一軒家風カフェ「スターネット」でランチ
1998年にオープンした同店は、町のメインストリートから少し離れたところにある、ひっそりとした佇まいのカフェ&ショップ。自然と調和した暮らしをテーマにした店内は洗練された雰囲気で、カフェスペースだけでなく、益子の陶芸作家による作品や衣類等の雑貨、自然食品等も取り扱っています。
民藝の香が漂う、雰囲気の良い店内
その日に益子町近郊で採れた食材を使ったおかず8品が載ったプレートと、ごま風味の出汁が利いたうどんのセット。他のレギュラーメニューには、無農薬の豆で作られた豆腐や油揚げ、無農薬栽培の野菜を50種類ものお米が混ざった「色々米」の上に乗せた「おぼろ豆腐丼」、そしてオリジナルブレンドのスパイスを使い、トマトの酸味を生かした特性カレーを提供しています。
身体に良い自然食をワンプレートで味わえる
食後は益子焼のカップでコーヒーを堪能(別注文)
その他にドリンク類やスイーツも充実のラインナップなので、カフェ利用で訪れるのもおすすめです。

■スターネット

所在地:栃木県芳賀郡益子町益子3278-1 TEL:0285-72-9661 営業時間:11:00~18:00(ランチ11:00~15:00、ドリンク11:00~18:00、デザート11:00~17:30) 定休日:毎週木曜(祝日を除く) URL:https://www.starnet-bkds.com/

これが本当の「ポタリング」?

腹ごしらえをしたら、ここからはいよいよ益子焼巡りサイクリングです。陶芸や陶器、窯元のことを英語で「pottery」(ポタリー)といいますから、名付けて「ポタリーポタリング」、略して「ポタポタ」です。 残りの時間をショッピングに費やすのも良いのですが、せっかくなので陶芸の文化に触れてみるのはいかがでしょう。ここ益子町には、江戸時代からある益子焼の知名度を全国区にした陶芸家で、人間国宝の故濱田庄司氏の旧家を利用した「濱田庄司記念益子参考館」があります。
益子焼を代表する陶芸家の故濱田庄司の住まいを一部利用した「濱田庄司記念益子参考館」
古い瓦や大きな茅葺で覆われた館内では、濱田氏が実際に使用していた作陶場や登り窯等が手に触れられる距離で展示されている他、手仕事の日用品の中に「用の美」を見出す「民藝運動」の提唱者の一人だった氏が国内外で蒐集したコレクションが展示されています。
濱田氏の作品や工房、窯なども見学できる
濱田自身が蒐集した国内外の工芸品を展示している
日本を代表する陶芸ながら、その時代の作り手によってデザインを柔軟に変え、いまなお生活の器として愛される益子焼のように、「人間国宝」さえも柔軟に参考館のオフィシャルグッズとなっていて、とてもユニーク。最近はまた「民藝ブーム」が再来しているそうで、古い中にも廃れない民藝の魅力を感じ取ることができます。
人間国宝の濱田庄司氏だが…
こういうTシャツが作られてしまうのも濱田氏の人柄?
記念館を鑑賞したあとは、カフェで休憩。益子町には雰囲気の良いおしゃれなカフェが点在しますが、ここ「イチトニブンノイチ」はこだわりのコーヒーで地元でも定評のあるお店です。
こだわりの自家焙煎コーヒーが堪能できるカフェ「イチトニブンノイチ」。アンティークな佇まいの店構え
本日のケーキ(レモンと生姜)をスペシャルティコーヒーとセットで
「日々、珈琲のことをじっくり考え、研究」しているという店主が全て生豆から選択・選別し、自家焙煎した豆をハンドドリップで堪能できます。 店内には絵や写真、アンティークなオブジェ等が所狭しと並び、不思議なアート空間を醸し出しています。それらに囲まれてスペシャルティなコーヒーを堪能するひと時は、まるで時の流れが止まったように感じます。

■濱田庄司記念益子参考館

所在地:栃木県芳賀郡益子町益子3388 Tel/Fax:0285-72-5300 開館時間:9時30分〜17時(入館は16時30分まで) 休館日:月曜(月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館)、年末年始(12月28日〜1月4日※年により若干の変動あり)、展示替え休館:7月および12月の年2回、他臨時休館あり 入館料:大人800円、子供(中学生・高校生)400円、小学生以下は無料 URL:https://mashiko-sankokan.net/

■イチトニブンノイチ

所在地:栃木県芳賀郡益子町益子(益子陶芸村内) 営業時間:11:30~20:00 定休日:金曜日 TEL:0285-72-6123 URL:http://avantgalde1-1-2.jimdo.com/

ラストスパートでお土産を物色

益子焼で有名な益子町。町の中心部には大きなタヌキの置物がお出迎え?
さて、ここからはいよいよお土産の物色タイム。益子駅から東側に伸びるメインストリート「城内坂通り」周辺へと移動します。春と秋の年に2回開催される「陶器市」でも有名なエリアで、約500mほどの通り沿いに、カフェやギャラリーの他、個性豊かな益子焼の販売店約30店舗が軒を連ねています。 陶芸好きなら垂涎のラストスパート。予め、お目当ての窯元を決めておくもよし、立ち寄ったお店で偶然の出会いを楽しむもよし。いずれにせよ、購入した陶器を入れるザック等は必携です。
民芸の町としての賑わいを残す旧商店街。小さなエリアに多くの窯や陶芸ショップが並ぶ
町の中心地では陶器市のような出店も
この日立ち寄ったのは、メインストリートから少し外れた静かな通りに佇むアンティーク家具と生活用品のお店「pejite」(ペジテ)です。大正・昭和初期に作られたビンテージ家具や、地元益子を中心とした作家の器等、日本人の手仕事が感じられる品々を取り扱っています。
地元益子を中心とした作家の器や雑貨、家具等を取り扱う「pejite」
約60年前に建てられた大谷石の米蔵を改築した店内
60年前に建てられた大谷石の米蔵を再利用した店内は天井が高く、美術館に足を踏み入れたかのような雰囲気が漂います。演出された空間に陳列された器もまるで一つ一つが作品のようですが、突出して高価なものではなく、普段使いできるシンプルな器が並びます。 買い物を終え、ゴール地点の益子駅に到着した時点で午後4時。これから都心へ帰ったとしても午後7時前後には到着します。
町内には自転車ショップ「エビコ―サイクル」も。トラブル時も心強い
午前11時からのスタートで、わずか5時間のうちに里山サイクリングからショッピングまで急ぐことなく全てを堪能することができました。このように、益子はサイクリングの要素が凝縮された格好のエリアなのです。 自転車を始めて、そろそろ輪行旅に挑戦してみたいと思っている人、あるいは周囲にそのような友人がいたら、ぜひ益子町を旅先の候補に加えてみてはいかがでしょうか。

■pejite

栃木県芳賀郡益子町益子973-6 tel./fax. 0285-81-5494 mail info@pejite-mashiko.com open 11:00-18:00 close 木曜日 URL:http://www.pejite-mashiko.com/