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東京から新幹線で1時間ちょっとで行ける森林浴

Cycling Course厳選サイクリングコース

長野・軽井沢 日帰りサイクリングのススメ
東京から新幹線で1時間ちょっとで行ける森林浴

 スポーツ用自転車で少し長めの距離を走れるようになったら、次は自転車と公共交通機関を組み合わせた「輪行」でさらに遠くへ脚を伸ばしてみませんか?ローカル線の延長も良いけれど、せっかく行くなら日常とは切り離された旅気分を味わうのも一興。ということで、今回おすすめしたいのが長野県の軽井沢町。東京から新幹線で1時間ちょっとで行ける好アクセスながら、自然豊かな環境で快適なサイクリングを楽しむことができます。ゆったりと時の流れるカフェで癒されつつ、森林浴で体をリフレッシュする休日日帰りライドをご紹介します。
標高1000mに位置する「1000m林道」からの眺め。視界が開けた先に八ヶ岳を望む
オススメポイント観光地として人気の高い軽井沢エリアの四季折々の魅力を味わえるル―ト。新幹線を使えば都内から日帰りサイクリングも可能だ。ルートによっては平坦や起伏に富んだ道が選べるなど、懐の広さも魅力。
レベル★★★(上級者向け)
距離56.7km
獲得標高730m
始発・終着地JR 軽井沢駅
立ち寄りグルメ一歩ベーカリー(自家製パン)、コーヒーハウスシェーカー(チーズバーガー)
立ち寄りスポットハルニレテラス雲場池

たっぷり味わえる四季折々の魅力

新幹線を使うと東京から1時間ちょっとで到着する軽井沢。輪行を解いてサイクリングに出発!
長野県と群馬県の県境に位置するリゾートタウン、軽井沢町。快適な夏の気候で避暑地や別荘地として有名だが、整備が行き届いた道路や林道、ところどころに絶景スポットやカフェが点在するエリアは、実はサイクリングコースとしても非常にうってつけの場所なのだ。   もちろんアップダウンもあるが、ルートを選べばその強弱はコントロール可能。ヒルクライム大会が開催されるような強度高めのチャレンジルートを選ぶこともできれば、アップダウンを抑えたファンライドコースを選ぶこともでき、その懐は深い。季節によって変化する樹木を間近で眺めたり、標高の高い場所から色づく山々を眺めたり、いずれのコースを選んでも四季折々の魅力をたっぷり味わうことができる。
青々と茂った緑の中を走る森林浴サイクリング。新緑、色とりどりの花、紅葉など季節によってさまざまな表情を見せる
コースのところどころに現れる湯川
今回チョイスしたルートは総距離約57kmののんびりファンライドコース。午前9時に軽井沢駅を出発し、中山道の宿場町である追分宿を通過、浅間サンライン~1000m林道~中軽井沢~離山林道を経て、午後5時までに再び軽井沢駅へと戻る、通算8時間のプランだ。獲得標高は約740m。程よくチャレンジし甲斐のあるヒルクライムも含んだ、中距離ながらバリエーション豊かなコースとなっている。
コース上にある軽井沢風越公園には、全国的に希少なカーリングの施設がある。
せっかくなのでちょっと見学。五輪で一躍注目を浴びたカーリング。この日も賑わいを見せていた

町に流れる穏やかな時間

スタートから約14km地点にある中山道の宿場町、追分宿
観光客やバスで賑わう駅前を離れ、ひとたび幹線道路から外れると、それまでの喧噪がなかったかのように静けさを取り戻す。時折り車の往来がある程度で交通量は少なく、路肩を走っていても不安を感じることがほぼないほど路面の整備も行き届いている。   スタートから14kmほど走ったところでさしかかったのが「追分宿」(おいわけじゅく)。江戸時代にあった中山道の宿場町の1つで、いまも街並みに風情が残る。
かつての宿場町にひっそりと佇む、文豪・堀辰雄の文学記念館
かつて「追分だんご」を取り扱っていた和菓子屋を改築した「一歩(いっぽ)ベーカリー」
古民家を再生したカフェなどが立ち並ぶ中、かつて和菓子屋だった店舗を改築した「一歩(いっぽ)ベーカリー」に立ち寄る。
センスの良さでおしゃれに甦った古民家
自家製の天然酵母にこだわったパンが並ぶ。一番人気の商品はライ麦パン
香ばしい香りに誘われるように店内に入ると、自家製の天然酵母にこだわったパンがケースに並んでいた。一番人気だというライ麦パンの他に、菓子パンの種類も豊富。店内で食べるもよし、補給食として購入するにも良い、おすすめの立ち寄りポイントだ。
国産小麦などの材料にもこだわり、保存料の使用も極力控えているという
補給食としてあんぱん(左)とオレンジピールが入ったクリームチーズのパンをチョイス。店内での飲食も可能
そこから1.5kmほど走ったところに現れたのが「御影(みかげ)用水の温水路」。農業用として使うには冷たすぎる水を温める目的で水路幅を広げた全長900mの人工川だが、周囲の緑と調和した様はまるで自然の川そのもの。爽やかな水のせせらぎと、鳥のさえずりしか聞こえない風景に、ペダルを漕ぐ脚も止まる。
全長900mにおよぶ御影(みかげ)用水の温水路
川のせせらぎと小鳥のさえずりを聞きながらサイクリング
川面に反射する美しい陽の光と、そよ風。自転車を漕ぐ脚をとめて深呼吸

つらいけど気持ち良い!林道ヒルクライム

スタートして19kmほど走ったところから、じわじわと上りが始まる。「1000m林道」と呼ばれる標高1000mに位置する林道まで200mの標高を約10kmほどをかけて上る、このコース一番のふんばりどころだ。
浅間山方面に向かってじわじわとヒルクライムがスタート
約200mを上る。最大で斜度9%ほどの斜面が顔を出す、コース一番のふんばりどころ
標高1000mの高さを走る、その名も「1000m林道」。上りのキツさを木漏れ日が忘れさせてくれる…気がする
林を抜けたところで開ける眺望。向かいには八ヶ岳の山々が連なる
平地と上りを繰り返す道。次第に坂ばかりになり、途中何度か心が折れそうになるが、林道エリアに入ると木々の間を縫って木漏れ日が地面に降り注いでくる。緑を増した葉や苔むした岩肌に癒されながら、少しずつペダルを踏み込む。   そして上り詰めた先には、1000mの高さから見る八ヶ岳連峰の眺望が広がった。丘陵に広がるキャベツ畑の葉を揺らしながら吹いてくる風が、火照った頬を心地良く撫でていく。1000m林道を左折するとそこには見事な緑のトンネル。マイナスイオンを胸いっぱい吸い込んで、もう一踏ん張り。
ロードバイクでも行けるダート(未舗装路)。立ち込めるマイナスイオンが気持ち良い
そして70mほど上ったところで姿を現したのが、軽井沢のシンボル、浅間山だ。コース上でたびたびその姿を見ることはできるが、今回のコースで最高地点(標高1130m)にあたるここ(スタートから40km地点)から見る浅間山が絶景、と地元の人も太鼓判を押す。
スタートから約40km地点、林道を抜けたところで現れた雄大な浅間山

ご褒美ランチは地元の人気カフェで

国道18号線から少し入ったところに佇む隠れ家カフェ「コーヒーハウスシェーカー」
コースも終盤に差し掛かった47km地点、途中で補給したパンのエネルギーも切れそうなところで、そろそろランチタイム。進むスピードにもよるが、およそ13時~14時の間にたどりつく公算だ。   ここで立ち寄りたいのが「コーヒーハウスシェーカー」。幹線道路の国道18号線から1本入ったところにひっそりと佇む隠れ家的なカフェだが、地元の人も足を運ぶ人気店だ。
アメリカンスタイルの「シェーカー家具」が配された、居心地の良い店内。アウトドア好きな店主の趣味が随所に感じられる
常連客のイチオシメニューは、地元で人気のブーランジェリー「haluta」の特製バンズでジューシーなパテを挟んだ「シェーカーバーガー」。味もさることながらサイズも大きめで、食べ応えも抜群。きっと「ここまでがんばってよかった~!」としみじみするはず。シフォンケーキやパンケーキなど、スイーツ類も充実。いずれのメニューにも、コーヒーのオーダーはぜひともおすすめしたい。
常連客もイチオシの「シェーカーバーガー」(写真はチーズバーガー)
スイーツ類も充実(写真は7段重ねのパンケーキ)。ほどよく疲れた体に優しく染みるコーヒー
そこから2kmほど行った先にある「ハルニレテラス」。近くを流れる湯川に自生していた100本を超えるハルニレ(春楡)の木立を生かしたウッドテラスのような造形のおしゃれなショップエリア。レストランやカフェなど15店舗(温泉や宿泊施設も併設)が立ち並ぶ、人気の観光スポットとなっている。
春楡(ハルニレ)の木立を生かした“小さな街”「ハルニレテラス」
カフェやレストランなどが立ち並ぶ、観光客にも人気のエリア。色とりどりの傘が飾られ、梅雨の装いに
離山を越えるプチヒルクライム
ゴールまでラスト10kmを切り、つい気が緩みそうになるがここでもうひとふんばり。交通量の多い国道18号線を避けて軽井沢駅に向かうために「離山」(はなれやま)という小高い山を超える。とはいえ、1km強で100mほどのプチヒルクライムだ。   美味しいランチをとってくつろいだ体に、意外にきつい道のりがこたえるが、そこを超えたところに最後のご褒美の絶景スポットが待っている。鏡のような水面をたたえた「雲場池」(くもばいけ)だ。
神秘的な雰囲気が漂う雲場池(くもばいけ)。一周1,050mの人工池
新緑や紅葉など四季折々の美しい姿を見せるその様子は、軽井沢の名所の1つにもなっている。かつて白鳥が飛来したことから、地元では「スワンレイク」という愛称でも親しまれているという。遊歩道は一周するルートと、半周する550mの2つのルートがある。自転車での乗り入れは禁止されているのでご注意を。
春と夏は緑、秋は紅葉が楽しめる絶景スポット。池の周りには20分ほどで一周できる遊歩道がある
最後は「旧軽井沢銀座」を抜けて軽井沢駅へ。この商店街にも「ミカド珈琲」や「浅野屋」など軽井沢発祥のカフェをはじめ、さまざまな店舗が軒を連ねる。到着時間に余裕があれば、帰り支度の前にこの辺でサイクリングの余韻に浸ってみるのも良いだろう。   輪行を覚えたてのビギナーでもトライしやすい軽井沢日帰りサイクリング。これから夏~秋にかけておすすめです。

■一歩ベーカリー

住所:長野県北佐久郡軽井沢町大字追分578 営業時間:10:00?17:00ぐらい 定休日:水曜日・木曜日 TEL/FAX:0267-41-6511 ウェブサイト:http://ippo-company.com/

■コーヒーハウスシェーカー

住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉3460-16 営業時間 :10:00~18:00 (夏期) 10:00~19:00) 定休日:水曜日 TEL:0267-45-8573 Facebook:https://www.facebook.com/coffeehouse.shaker/
文: 後藤恭子(ごとう・きょうこ)

アウトドアメーカーの広報担当を経て、2015年に産経デジタルに入社。5年間にわたって自転車専門webメディア『Cyclist』編集部の記者として活動。主に自転車旅やスポーツ・アクティビティとして自転車の魅力を発信する取材・企画提案に従事。私生活でもロードバイクを趣味とし、社会における自転車活用の推進拡大をライフワークとしている。

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