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ベイエリア~山手、中華街まで 25kmで横浜を味わい尽くす、みなと横浜ポタリング(神奈川)

 スポーツバイクに乗り始めると自力で移動できる行動範囲が一気に広がり、それまでの世界が狭く感じるようになります。観光地もそうで、自転車で巡ると、電車やバスを使った移動と違い、意外と狭い範囲に凝縮されていることがわかります。その例の一つが横浜で、みなとみらいから歴史ある港町と、様々な顔を併せ持つエリアが25kmほどで巡れる範囲に収まっています。スポーツバイクを始めたばかりでも安心の、短い距離で横浜を濃厚に満喫できる“みなと横浜ポタリング”をご紹介します。

港町・横浜を味わい尽くすポタリング
オススメポイント 自転車でのんびり走るのにちょうど良い範囲に、魅力的な観光スポットが凝縮されている港町・横浜。美味しいものもたくさんあるので、カロリーを消費しながら横浜をたっぷり味わい尽くしましょう。
レベル (初心者向け)
距離 24.9km
獲得標高 275m
出発・終着地 桜木町
立ち寄りグルメ ZEBRA Coffee & Croissant MARINE & WALK YOKOHAMAザ・ホフブロウかをり景徳鎮
立ち寄りスポット MARINE & WALK YOKOHAMA横浜赤レンガ倉庫山下公園横浜港シンボルタワー根岸森林公園港の見える丘公園横浜中華街MM21地区

みなとみらいの自転車ウェルカムなカフェスポット

 スタート地点は桜木町駅。“横浜ポタリング”というと横浜駅をイメージするかもしれませんが、横浜駅周辺は道路が複雑な上に車道の交通量も多いので、桜木町駅まで輪行することをおすすめします。

桜木町駅からスタート

 出発したら、横浜港を代表する歴史的建造物「横浜赤レンガ倉庫」を目指して海沿いへと向かいます。「みなとみらい」の観光スポットが集まっているだけでなく、道の幅も広いので、海沿いを走っているだけでもワクワクする“横浜感”が味わえます。

 途中、赤レンガ倉庫の手前にあるショッピングモール「MARINE & WALK YOKOHAMA」に立ち寄ります。一般の観光客も行き交う観光スポットですが、ここに是非サイクリストに立ち寄ってほしいスポットがあります。東京近郊のサイクリストにはおなじみの、神奈川・相模原市は津久井町にあるカフェ「ゼブラコーヒー&クロワッサン」です。

「ZEBRA Coffee & Croissant MARINE & WALK YOKOHAMA」の入り口

 津久井本店と同じくサイクリストウェルカムな店づくりで、2階という立地ながら、自転車を押し運びしやすいように階段のサイドにスロープが設けられています。

2階に上る階段に設けられた自転車用のスロープ

 自転車の駐輪はもちろん店内。当日も、すでにサイクルジャージでくつろぐサイクリストと、ラックには数台の自転車がとめられていました。

自転車をそのまま持ち込める広々とした店内
バイクラックも完備

 市街地から離れたところにあるカフェでなく、一般人が行き交う横浜のカフェで愛車とともにコーヒーを楽しめるのはなんだか不思議な感覚。いつもだったら人目を気にしてしまう全身サイクルウェアのいでたちも、ここではむしろそれが当たり前のような雰囲気です。

同店おなじみの巨大クロワッサン
クロワッサン以外にも豊富なラインナップ

 ゼブラコーヒーの名物、巨大なクロワッサンも健在。ただ、うっかり食べるとランチに響くので、ランチに備えてコーヒーのみで済ますか、遅めのスタートでここでランチとするか、ここは少々計画を要します。

インスタグラム等でも話題の「MARINE & WALK YOKOHAMA」のエンジェルスウィング

■ZEBRA Coffee&Croissant

所在地:横浜市中区新港1-3-1 MARINE & WALK YOKOHAMA シーサイド2F
TEL:045-264-6399
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし
公式HP:https://zebra-coffee.com/visit/shop-yokohama/

 ゼブラコーヒーが入っている「MARINE & WALK YOKOHAMA」を出ると、そのすぐ隣が横浜赤レンガ倉庫です。明治末期から大正初期に国の模範倉庫として建設され、長い年月を経て2002年、当時の面影を残したまま文化・商業施設として生まれ変わりました。

明治末期から大正初期に国の模範倉庫として建設された赤レンガ倉庫

 この赤レンガ倉庫は「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」に面した場所にあり、タイミングが良ければ、停泊している国内外の豪華客船を間近に見ることができます。

横浜港大さん橋国際客船ターミナルに停泊する豪華客船を間近に望むことができる(写真の客船は飛鳥Ⅱ)

 ちなみに、赤レンガ倉庫の敷地は自転車の乗り入れが禁止されていますので、下車して押し歩きをするようしましょう。

古き良き横浜に思いを馳せて

 赤レンガ倉庫をあとにして海沿いの道を走り、横浜の開港の地で、いまは官庁街となっている開港広場方面へと向かいます。

「クイーン」の愛称で親しまれている横浜税関。この他に「キング」(神奈川県庁)、「ジャック」(横浜市開港記念会館)が存在する

 開港広場は1854年に日本の開国を約束した「日米和親条約」が締結された場所で、その横浜開港資料館や、横浜港で生糸・絹産業及び貿易の振興的役割を果たしたシルクセンター、港湾関連企業等、かつての港町を思わせる風情が漂っています。

開港広場前。古き良き横浜の景色が残る通り

 ここでぜひランチに立ち寄っていただきたいレストランがあります。1947年創業の老舗「ホフブロウ」。シルクセンターの脇の道、水町通りを入っていったところに佇む「古き良き時代の港町ヨコハマ」を感じられる洋食屋です。

1951年創業の洋食店「ザ・ホフブロウ」
ホフブロウの看板メニュー「スパピザ」。ミートソースを絡めたスパゲッティにチーズをのせて焼き上げた逸品

 横浜港に寄港する外国船の船客や船員に愛されたという「港ヨコハマ」に育てられたレストランで、看板メニューである「スパピザ」もそんな料理の一つ。たっぷりのチーズがかかったピザのようなスパゲティは外国船の乗組員からの要望を受けて考案されたものだそうで、ここでしか味わえない人気メニューです。

■ザ・ホフブロウ

所在地:神奈川県横浜市中区山下町25-1 上田ビル1F
TEL:050-5456-1198
営業時間:月~金11:00~15:00(LO14:30)/17:00~22:00(LO21:00)、土日祝11:00~22:00(LO21:00)

 そしてデザートはホフブロウからほど近い、同じく横浜で愛され続ける老舗の洋菓子店「かをり」のレーズンサンドがおすすめ。高級ブランデーにたっぷり浸し、時間をかけて作り上げたカリフォルニアレーズンと、口あたりの良い上品な甘さのクリームを、上質なバターを使ったクッキーで挟んだ逸品です。

昭和22年創業の老舗洋菓子店「かをり」。絡まる蔦に歴史を感じる
地元に愛され続ける「かをり」の人気商品、レーズンサンド

 がっつりランチを食べたばかりで、すぐに食べられないという人でも大丈夫。サイクルジャージのバックポケットにすっぽり入るサイズなので、休憩用の補給食として携行しても良いでしょう。

■かをり

所在地:神奈川県横浜市中区山下町25-1 上田ビル1F
TEL:050-5456-1198
営業時間:月~金11:00~15:00(LO14:30)/17:00~22:00(LO21:00)、土日祝11:00~22:00(LO21:00)
公式HP:https://kawori.co.jp/

 ランチ後は、山下公園通りを本牧埠頭方面へと走ります。その途中、「ホテルニューグランド」の前を通過します。

異国文化の窓口として横浜と共に歩んできた「ホテルニューグランド」。重厚感ある正面ゲートに歴史を感じる

 1927年開業、異国文化の窓口として横浜と共に歩んできた同ホテルは、数々の国賓が利用した日本を代表するクラシックホテルの一つです。ちなみにニューグランドは、ドリアやスパゲッティナポリタン、プリン・ア・ラ・モードなど後に広く知られる料理が誕生した場所としても有名です。

開発が進むみなとみらい地区に対してクラシックな雰囲気が漂う山下公園

横浜のもう一つの顔、本牧・山手

 山下公園エリアから本牧埠頭へ向かって走ることおよそ5km、埠頭の「D突堤」に到着しました。本牧埠頭はA~D突堤があり、D突堤は埠頭の最奥に位置します。

本牧埠頭のD突堤にある「横浜シンボルタワー」

 ここに来るまで経由する道幅の広い臨港道路は、平日は多くのトレーラーが行き交う、足を踏み入れにくいコンテナエリアですが、往来が停止する休日はただただ広く、走りやすい道になります。華やかな横浜とは雰囲気が異なりますが、これも港町としての横浜の一面です。

シンボルタワーから望むコンテナターミナル越しの横浜ベイブリッジ

 次は異国情緒溢れる山手町方面を目指します。本牧からそのまま最短距離で向かうこともできますが、観光地としてはあまり知られていない、“関東屈指の名廃墟”といわれる根岸競馬場跡(横浜競馬場跡)をご紹介します。

根岸森林公園内にある根岸競馬場跡(横浜競馬場跡)

 正確には「旧根岸競馬場一等馬見所」で、日本初の洋式競馬場として幕末から76年間に渡って賑わいを見せたあと、戦後の米軍による接収を経てこの一角だけが残されました。建物に施された装飾に垣間見える、かつての栄華。ちょっと遠回りしても一度は訪れてほしい名所です。

 根岸から山手町へ2kmほど、さらに小高い丘を上っていくと山手町が見えてきます。

洋館が立ち並ぶ山手地区

 山手町は横浜の開港後に外国人居留地とされた区域で、当時の洋館がいまなお多く残る異国情緒漂うエリアです。全体が高台にあるので海や街並みの眺望も良く、とても気持ちの良い散策コースです。

 保存され、一般公開されている邸宅や庭園の他に、カフェとして利用されている邸宅もあるので、気になった建築物があったら休憩がてら立ち寄ってみるのも良いでしょう。

エリスマン邸
べーリック・ホール
カトリック山手教会
横浜外国人墓地

 山手エリアのフィニッシュ地点は「みなとの見える丘公園」です。イギリス海軍病院の跡地を整備した公園で、山下公園と並ぶ名所の一つです。

港の見える丘公園からベイブリッジを望む

 歌謡曲『港が見える丘』が公園名の由来とされ、園内には歌碑が建てられています。その名の通り、昼は横浜ベイブリッジや横浜港一帯を一望でき、夜は夜景が楽しめる人気のスポットです。

みなとみらい方面を望む
公園内には横浜ゆかりの作家、大佛次郎の記念館も

中華街で中国にトリップ

 ポタリングの締めは、横浜中華街で本場の中華料理を堪能しましょう。言わずと知れた観光名所ですが、やはりここは外せません。日本三大中華街の一つにして、広さ500平方メートルという最大の面積を誇る中華街です。 
中華街の山下公園側にある朝暘門の前で

 夕食の前に、ぜひ訪れてほしい名所をご紹介。「関帝廟」(かんていびょう)と「媽祖廟」(まそびょう)です。昼間は観光客で混雑していますが、夜は比較的人が少なくゆっくり観光したり、写真を撮ることができます。

関帝(関羽)を祀る関帝廟
海の守り神・媽祖を祭る「媽祖廟」

 また、夜になるとライトアップされるので、昼間とはまた違う雰囲気を楽しむことができます。赤い灯りがとてもエキゾチックで、まるで中国に来ているかのような錯覚を覚える空間です。

 さて、お待ちかねの夕食です。中華料理には上海、北京、四川、広東といった種類があり、それぞれにおすすめの店舗がありますが、今回は本場四川の辛さが味わえると評判の「景徳鎮」をチョイス。日本ではあまりなじみのない香辛料等がふんだんに使われた麻婆豆腐は、味覚フル活用で“中華感”を味わえます。

景徳鎮の人気No1メニュー「四川マーボー豆腐(本場の辛さ)」
牛バラ肉の辛子煮汁そば。真赤な辣油の膜に覆われて、湯気が立たない

■景徳鎮

所在地:神奈川県横浜市中区山下町190番地 市場通り沿い
TEL:045-641-4688
営業時間:月~金 11:30~22:00 (L.O.21:30)/土・日・祝 11:00~22:00 (L.O.21:30)
HP:http://www.keitokuchin.co.jp/

 中華街はみなとみらい線の駅もあるので、ここをゴールとして輪行で帰宅しても良いですし、飲酒をしていなければ、もうひと走りしてみなとみらいの夜景を楽しみながらスタート地点の桜木町駅まで戻るのも良いでしょう。

みなとみらい地区の夜景
 これだけ様々な名所を巡って総距離約25km。自転車を始めたばかりの人でも気軽に、かつ濃厚に楽しむことができます。公共交通機関での遠出はできないいま、自転車で“ディスカバー近所”、始めてみませんか?