TOP サイクリングコース 片道約40kmで東京~茨城まで4都県を走破! 関宿城を目指す春の江戸川“菜の花”サイクリング

Cycling Course厳選サイクリングコース

片道約40kmで東京~茨城まで4都県を走破!
関宿城を目指す春の江戸川“菜の花”サイクリング

 寒い冬が終わり、自転車に乗る気持ちがふつふつと沸き起こる初春。その心を歓迎するように、道端を彩る花たちも顔を出します。その代表格といえるのがいわゆる菜の花(正式にはアブラナ)。サイクリストの気持ちを先取りするかのようなタイミングで3月上旬から咲き始め、黄色い絨毯のようにサイクリングロードを彩ります。そんな菜の花の見事な群生で知られる「江戸川サイクリングロード」(江戸川自転車道)は、ゆるゆると冬眠明けの体をほぐすのに最適。初夏まで咲き続け、サイクリストのシーズン始めを温かく見守ってくれます。

江戸川サイクリングロードの春の風物詩、菜の花ライド

柴又公園から出発

 江戸川サイクリングロードは江戸川沿いに整備された、河口から利根川との分岐点まで約64kmを走れるサイクリングコース。正式名称は右岸コースを「江戸川自転車道」(一般県道三郷幸手自転車道線)、左岸コースを「江戸川左岸自転車道」(一般県道松戸野田関宿自転車道線)という。
※河川を上流から下流に向かって眺めたとき、右側が右岸、左側が左岸

江戸川サイクリングロードの玄関口、柴又公園からスタート

 河口からサイクリングロードをそのまま走ることもできるが、下流域は比較的路面の状態が良くなかったり、河川敷の工事でコースが途中で通行止めになっている個所も少なくない。それを回避するために、映画『男はつらいよ』でおなじみの「寅さん記念館」のある葛飾区の柴又公園をスタート地点とするのがおすすめ。サイクリングロードにダイレクトに面している公園なので、各方面から集まる仲間との待ち合わせにも使いやすい。ここまでのアクセスには自走も良いが、道に不慣れな場合は最寄り駅の京成金町線の柴又駅まで輪行すると良いだろう。

 

 ここからサイクリングロードを遡上して、埼玉・千葉・茨城の3つ県境に位置する関宿城(せきやどじょう)を目指す片道約40kmのサイクリングに出発。スタートから数kmほど走っただけで、早くもチラホラと咲き始める菜の花。やがて黄色の面積が増していき、1つ目の群生ポイントである三郷市の「みさとの風広場」周辺には可愛らしい“菜の花ロード”が現れた。ここ、みさとの風広場にはトイレもあるので、菜の花の撮影スポットであるとともに休憩ポイントとしても利用されている。

寅さん公園から10kmほど走ったあたりから菜の花の群生地帯に

 スタート地点から16kmほど走ったところでで、土手下にゴルフ場のクラブハウスが見えてくる。そこには「JUNGRILA」(ジャングリラ)という飲食店が併設されており、BBQコースがメニューに並ぶ一方で、ホットドッグやスパムおにぎりなどの軽食もあり、カフェとしても利用できる。

スタートから16km地点にある「JUNGRILA」。バイクラックも完備

 この先、目的地までコース上にはコンビニなどは一切ないので、サイクリングロードまで自走してきて小腹が空いていたり、補給食を携帯していない場合は、ここでエネルギーを補給しておくと良いだろう。バイクラックも完備されており、雰囲気はサイクリストウェルカム。この日もいくつかのサイクリストのグループが休憩に利用していた。

次々に現れる菜の花の群生

 北上するにつれて徐々に“黄色い絨毯”の規模が拡大し、特定のスポットではなく至るところに菜の花の群生が出現し始める。ところによっては道幅が狭くなるエリアがあり、そんなときサイクリングロードのある両脇に腰の高さほどの菜の花から香りがふんわり漂ってくる。

北上するにつれて、至るところに菜の花の群生が
橋がある場所は河川敷を走る。サイクリングロードに戻るためにアップ・ダウンを繰り返す。地味に標高を獲得

 野田橋を過ぎたあたりから道行く人の数も減少。下流域より比較的走りやすくなり、目的地の関宿城に向かって20kmほどノンストップで快適なライドが楽しめる。

 

 スタートから44kmほどで、目的地&折返し地点の関宿城に到着。利根川と江戸川に囲まれた関東平野の真中に位置する関宿城は、千葉、埼玉、茨城の県境にある水運の要所で、江戸川の始まる場所でもある。折返し地点となる関宿城博物館は、この関宿町にあった関宿藩・関宿城と日本の水運工事に関する歴史にスポットを当てたユニークな博物館だ。

今回の目的地、関宿城(模擬天守)が見えてきた
スタート地点の柴又公園から44kmほどで折返し地点の関宿城博物館に到着
関宿城から2kmほど走ったところにある道の駅さかい

 スタートから時速15kmほどで走って約3時間、ここらでランチ休憩をとろう。おすすめは関宿城から2kmほど離れたところにある「道の駅さかい」。江戸時代に水運の拠点として栄えた境町の名残を再現した蔵づくりの建物では、地元の食材を使ったグルメが味わえる。ちなみに、利根川をまたいだそこはもう茨城県だ。

道の駅「さかい」の名物、地元の常陸野牛を使ったローストビーフ丼。これで1280円

 ここの名物は、地元のブランド牛を使った「常陸牛ローストビーフ丼」。説明によると「表面を焼いた常陸牛の赤身に味付けし、肉を真空状態にしてうまみを逃げにくくし、一晩寝かせてスチームオーブンで火を通すことで柔らかくしたローストビーフ」だそうで、かつて地元の丼コンペでグランプリに輝いたこともある逸品。特製の和風ソース・半熟卵との相性もよく、サイクリストの腹ペコを満たすボリューム満天の丼だ。

ゴールで待ち構える寅さん

復路は往路の対岸を。スカイツリーが見えてくると、東京が近づいてきたと感じる

 おなかを満たしたところでサイクリングを再開。もときた江戸川サイクリングを折り返し、一路東京方面へと向かう。しっかり補給をして回復したものの、60km地点を越えてくるとさすがに脚に疲れが出始める。もう走れない!と思ったらいつでもエスケープできるよう輪行袋を携行するのも手だが、ここは少し頑張って自力でコンプリートすべく柴又公園を目指したい。

演歌「矢切の渡し」で有名な江戸川の農民渡船で対岸へ

 江戸川サイクリングロードには、柴又がある右岸と左岸の矢切という地域を結ぶ渡し船、「矢切の渡し」がある。歌謡曲などでもおなじみのこの渡し船は、江戸時代初期、地元民専用に耕作や対岸の農地への移動手段として使われていた農民渡船で、かつて15カ所ほどあったうちの唯一現存するものだという。今も昔ながらの手漕ぎの和船が対岸の松戸市下矢切との間を往復しており、3月中旬~11月の間は毎日午前10時~午後4時まで運行している(中学生以上200円、4歳~小学生100円)。ここまで来ればゴールも同然。せっかくなので観光気分で渡し船に乗り、右岸へ渡って柴又へと向かおう。

夕暮れ時の柴又参道商店街を、帝釈天に向かって歩く

 ゴールは、“フーテンの寅さん”の「産湯をつかった」という名文句でおなじみの柴又帝釈天。彫刻と庭園が有名な題経寺をはじめ、そこから最寄り駅の柴又駅までを繋ぐ「柴又帝釈天門前参道商店街」は、まるで映画の中から飛び出してきたような昭和の情緒溢れる町並み。そぞろ歩くだけでその土地の歴史と、そこに住む人々の人情に触れることができる。

ゴールの柴又帝釈天に到着

 ゴールのご褒美は、柴又帝釈天門前参道商店街にある老舗和菓子屋「高木屋老舗」(たかぎやろうほ)の名物、草だんご。これまた映画『男はつらいよ』で寅次郎の「おいちゃん」「おばちゃん」が経営するだんご屋のモデルとされている店で、店内にはゆかりの品や写真が多く飾られている。店内に入らずとも、草だんごやみたらし団子を一串から購入することができ、店先の縁台でお茶とともに味わうことができる。営業時間は午後5時半までと“柴又タイム”は早めなので、ゴール時間にはくれぐれもご注意を。

映画『男はつらいよ』の舞台としても知られる、柴又の老舗和菓子屋「高木屋老舗」
あんこがたっぷり添えられた草だんご。甘すぎず、とても美味しい。お茶はサービス
京成電鉄、柴又駅前のにある「フーテンの寅像」の前で記念撮影するのをお忘れなく

 往復でトータル約90km。脚力が残っているのなら、そのまま自宅まで自走するも良し、もうおなかいっぱい!というのなら、すぐ近くに京成電鉄の柴又駅もあるので輪行するにも便利だ。

 

 いずれにせよ、締めくくりは柴又駅前にある「フーテンの寅」さんにご挨拶。せっかくなので記念撮影も忘れずに。

MAPを見る

■道の駅「さかい」

所在地:茨城県猿島郡境町1341-1
営業時間:9時〜18時
HP:https://www.ibarakiguide.jp/seasons/michinoeki/sakai.html

■高木屋老舗(たかぎやろうほ)

所在地:東京都葛飾区柴又7-7-4
営業時間:7時~17時30分
定休日:無休
HP:http://www.takagiya.co.jp/