マウンテンバイクを自在に操るテクニック 「重心移動」をマスターしようプロライダーが伝授! 自宅周辺で実践できるMTBスキルアップTips<5>

2026/01/28    

 これまでにマウンテンバイク(MTB)の上でリラックスして立つ「ニュートラルポジション」を学びました。しかし、実際のトレイルは上りや下りが連続するダイナミックな場所です。そこで必要になるのが、路面の状況に合わせて自分の重心位置を変える「重心移動」のスキルです。「右に左に」とバイクを倒し込むコーナリング技術に入る前に、まずはこの前後の動きを身体に覚えさせましょう。

Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

「前」への重心移動で急な上り坂を攻略

 まずは、基本のニュートラルポジションからハンドル側に上体を近づけ、前屈みになるポジションを意識してみましょう。

まずは基本のニュートラルポジションから Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 その状態からハンドル側に上体を近づけ、前屈みになるポジションを意識してみましょう。このポジションは主に斜度のきつい上り坂で使用します。前傾のポジションを活用すると坂がきつくなってきた時にフロントタイヤが浮くのを防ぐことができます。

胸をハンドルに近づけるイメージ Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 急坂でペダルを強く踏み込んだ際、フロントタイヤが浮き上がってしまうのを防ぐことができます。前輪にしっかりと重さを乗せることで、狙ったラインを正確にトレースできるようになります。

「後ろ」への重心移動で下り坂での安定感を確保

 次は腰を引いて後輪の上に荷重をかけます。このポジションは下り坂の時や大きな段差を降りる時に有効です。

腕を突っ張るのではなく、股関節を折り曲げてお尻を後ろに突き出すイメージ Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 重心を下げることで、下り坂で「前転しそう」という恐怖心を抑えられます。リアタイヤにしっかり荷重がかかるため、ブレーキの効きも安定し、スリップを防ぐことができます。

【練習方法】バイクの上で前後に動いてみよう

 ニュートラルポジションを起点として、ある程度のスピードを出しながら「前・後ろ・前・後ろ」とスムーズに動けるように練習しましょう。

Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 走りながら前後に動かすのが少し怖い場合は、バイクスタンドにバイクを固定したり、もしくは誰かにハンドルを持ってもらいながら、まずは重心を動かす感覚をつかみましょう。

 「前後のバランス移動」は、単に坂を上り下りするためだけのものではありません。この動きは、今後登場する「フロントアップ(前輪を上げる)」や「リアアップ(後輪を上げる)」といった応用テクニックの全ての土台となる、極めて重要な動作です。感覚を身体が覚えるまで、何度も繰り返し練習してみてください。

 次回はコーナリングの基本を解説します。

文:清水一輝(しみず・かずき)

MTBプロライダー。3歳のときに初めて自転車レースに参加し、様々な競技を経験した後12歳でMTBダウンヒルに専念。2009年に全日本選手権ジュニア優勝を皮切りに国内レースを牽引する存在になり、エリートカテゴリーで歴代トップとなる5度の全日本選手権制覇や2度のアジアチャンピオン獲得など輝かしい戦績を記録し続けている。2023年には初開催の全日本選手権マウンテンバイク・エンデューロも制する。

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