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点検はもちろん、遊び方指導も徹底的に オフロードコースも運営
「自転車の駅 サガミ」小林敏明さん(新潟)

 JR新潟駅から東に約6km、新潟空港にもほど近い閑静な住宅街に佐上商会「自転車の駅 サガミ」は店を構える。住宅街の交差点に位置する好立地の角には、「駅」と名乗る店らしく駅名票が掲げられ「左に行くとサガミバイク部、右に進むと新潟空港方面」と遊び心のある表示が見える。高い看板には、SBAA PLUSマークや、ロードバイクやマウンテンバイクの競技写真が入ったパネルが掲げられている。住宅街の中でも一目で自転車店であることが分かる上に、スポーツ用自転車に乗ることで広がる世界観や、安心に乗るために必要な整備内容などが、初心者でも分かるようになっている。

角に立つ高い看板には店の紹介が分かりやすく表示
たくさんのバイクが並ぶ店内

 店内には、所狭しと様々なタイプのスポーツ用自転車が陳列。国内外の最新モデルが並んでいたかと思うと、その間に20年以上の前のモデルがピカピカの新車のように並んでいたりするから、宝探しの気分にしてくれる。ロードバイクもカーボン製のものがあったと思えば、イタリア製や国産ハンドメイドフレームビルダー製のクロモリフレームのものまで、誰もが納得するであろう品揃えだ。

店の前に並ぶ佐上博社長(左)と小林敏明店長

 サガミ商会は昭和21年に創業。オートバイを専門に扱う「空港店」と自転車を扱う太平店(現「自転車の駅 サガミ」)があり、小林さんはオートバイ部のお客さんだったという。そこから同店のアルバイトとして働き始め、昭和56年、佐上博社長がスポーツ用自転車に力を入れるようになった時に「自転車の駅 サガミ」にスカウトされた。今では同社長が「自転車にとりつかれた男」と評するほどだが、最初は「オートバイの整備と違うところもあり、大変だった」と振り返る。しかし「最初のマウンテンバイクブームで、その楽しさにハマり、土曜日にダウンヒル、日曜日にクロスカントリー。新潟、福島にお客さんと行脚し、遊び方を探るようになりました」(小林さん)と話す。

 スポーツ用自転車の整備の資格を有するSBAA PLUS認定者として、整備にも確かな技術を持つ小林さんだが、「自転車はお客さんに楽しんでもらうのが一番。何十万も出してもらって、買ってもらうのだから、いろいろな遊び方、目的地を提案できないといけません。そのためには、たくさん乗って、遊ばないといけないと思っています」と「遊び」に関しても一流の店長だ。最初はMTB専門だったが、ロードバイクのお客さんの相談に乗るためにも、すぐにロードバイクの練習を開始し、競技も始め、地元開催の「佐渡ロングライド」や年一度の「しまなみ海道バスツアー」など様々な企画で店を盛り上げる。女性や始めたばかりの人には『月1スイーツサイクリング』を企画。「昨年は60kmで6軒のアイスクリーム屋さんを回るライドもしました」と笑う。

シクロクロス車をピットスペースで整備する小林敏明さん

 ソフトだけでなく、ハード面でも楽しさを提供する。お客さんたちと協力して全国でも珍しい共用オフロードコース「角田浜トレイル」を共同で運営、管理する。日本海に面した松林を地権者から借り受け、草刈りやコース整備をお客さんたちと進めて3年前にオープン。今では最長5kmほどのコースが取れ、オフロードシーズンにはシクロクロスやマウンテンバイクに乗ったサイクリストで賑わう。使用料無料だが、1枚700円のステッカーを作り、売り上げを運営費に充ててサポートしている。地元のファンだけでなく、YANSこと柳原康弘さんによる「オフロード教室」が開催されたり、平野星矢選手(チーム ブリヂストン)も自走で来るなど、「シクロクロスとMTBの聖地」になりつつある。

毎年、小林店長が企画する「しまなみツアー」は大人気だ
お店が管理を手伝うオフロードコース「角田浜トレイル」

 佐上社長も「点検は当たり前、同時に遊び場を提供する時代になっている。自転車を売る前に己を売れ、という言葉を守って、みんなに楽しさを共有し、自分の顔を売ってくれている」と全幅の信頼を寄せる。一生懸命遊ぶ小林さんの周りにたくさんのお客さんが集まり、それに興味を持ったお客さんが「自転車の駅 サガミ」に新しいお客さんを連れてくる。「実際にそうやって仕事が増えてきています」と手ごたえを感じている。

自転車の駅 サガミ