2018.9.19
スポーツ用自転車に乗り慣れてくると、いろんなイベントに出てみたくなるものです。長距離を走りきるロングライド。山を上るタイムを計測するヒルクライム。サーキットなどで順位を競うエンデューロ。自転車仲間や他の参加者と一緒にゴールを目指して走る。それは楽しいものです。でも、イベント参加時には公道を走るときとは違う注意が必要です。
まず、自転車をイベント参加に耐える状態にしておくこと。イベントでは自転車に高い負荷がかかります。ちゃんとした技術を持っているショップでキッチリと整備をして、愛車を最善の状態にしておくことが必要です。とくにロングライドは一人で長距離を走るイベント。自転車が故障してもサポートを当てにできないことも多いため、パンク修理くらいはできるようになっておきたいところです。
次に、どんなイベントでも自制心を持ってマイペースで走ること。テンションが上がって無理をしてしまい、事故になってはせっかくのイベントが台無しです。特に注意してほしいのはサーキットを走るとき。クルマや歩行者はいない。路面は良く段差などもない。集団走行になれば空気抵抗が少なくなりますし、気分も盛り上がります。どうしてもスピードが出てしまうんです。「怖い」と感じたら、それは実力以上のスピードで走っているということ。冷静になって安全なスピードまで落としましょう。
そして、イベント参加に必要な最低限の運転技術を身に付けておくこと。イベントではいつもより走行距離・乗車時間が長くなります。だから「スポーツ用自転車に乗れるようになる」だけではダメ。「乗りこなせるようになる」ことが必要です。
エンデューロなどで集団走行が想定される場合は、事前に仲間と一緒に集団走行の練習しておくとベストです。単独事故なら転ぶのは一人ですみますが、集団の中で転倒すると大勢を巻き込んでしまいますから。
ヒルクライムは、イベントの最中というよりイベントが終わったあとの下りに注意です。誰でも簡単にスピードを出せる下りでは、重大事故が起きることも多いです。スピードを出しすぎないように意識し、事前に練習走行をして、コーナリングやブレーキングの技術を身に付けておきましょう。
自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。
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