2018.9.19
車道の左側を走っていると、路上駐車しているクルマのそばを通ることが多々あります。そんなとき、急にドアを開けられたら? 急に発車されたら? 接触してしまうだけでなく、車道側に弾かれて後続車両にひかれてしまうなどのさらなる悲劇につながりかねません。サイクリストにとって、路駐車両のドア開けと急発進は最大の敵です。
チェックすべきポイントは、「クルマに人が乗っているかどうか」と、「その人がどんな動きをしているか」です。車内の人が「シートベルトを外す」「ドアノブに手をかけている」などしていればそれはドア開けの準備動作ですし、ハンドルを右に回していたらそれは急発進の兆候です。窓やサイドミラー越しに車内の様子を確認しておきましょう。
そして左ハンドルのクルマ(主に外車)は、右側で急なドア開けをしてくる可能性が高いと思ったほうがいいでしょう。右側の助手席には、運転免許を持っていない人や子供(安全への意識が低い人)が乗っていることが多いためです。
また、「タイヤの向き」は注意して見ておきましょう。タイヤが右側に曲がっていたら、それは発車の準備動作です。
「路駐車両のバックランプ(後退灯)が一瞬光った」― これもドア開けと急発進のサインです。AT車の場合、運転のモードをセレクトレバーで切り替えます。駐車してクルマを降りる直前、ドライバーはD(ドライブ:通常走行)からP(パーキング:駐車)にレバーの位置を動かしますが、そのときR(リバース:後退)の位置を通過するため、一瞬バックランプが光るのです。発車するためにPからDへレバーを動かすときも同様にバックランプが光ります。路駐車両のバックランプが一瞬光ったら、ドア開けや急発進の可能性が高いと思って身構えておきましょう。筆者は常に路駐車両のバックランプをチェックしています。
最も効果的な対策は、クルマと距離をとることです。路駐車両の横を通るときは、もしドアが開いても当たらないくらいの間隔(1~1.5m)を確保すれば安心です。十分な間隔をとれば急発進されても避けやすくなります。ただし、車道側に大きくはみ出すことになるので、必ず後方確認をしてからにしてください。
路駐車両の多い場所を走るときは、日中であってもヘッドライトを点滅させておくのも一つの手。ドライバーが自転車に気付いてくれやすくなります。
自転車ライター。大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆し、信頼性と独自の視点が多くの自転車ファンからの支持を集める。「今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた」という自称、自転車大好き人間。
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