TOP HOW TO MTBの選び方・始め方<1>オールラウンドに楽しみたい欲張り派のためのMTBの選び方

How to ride and enjoy プロショップ直伝 MTBの選び方・始め方

<1>オールラウンドに楽しみたい欲張り派のためのMTBの選び方

カナダのMTBブランドKONAのトレイル系エントリーバイク「BLAST」 Photo:Akihiro KOBAYASHI

 MTBは、オフロードに限らず街乗りなどのオンロード走行も楽しめるオールラウンドな自転車(バイク)ですが、本来はトレイルと呼ばれる舗装されていない山道や、MTB用オフロードコースを楽しむために生まれたバイクです。

 トレイルやオフロードコースは、ジープロードと呼ばれる広い道やシングルトラックと呼ばれる細い道、不規則な登りや下り、曲がりくねったカーブなどで構成され、季節や天候などの影響でいろいろなコンディションに変化します。

MTBのトレンドは?

 MTBはいろいろなコンディションのトレイルやコースを快適かつ安全に楽しめるように進化してきました。

 MTBの近年における大きな進化は車輪のラージホイール化です。⾧く続いた26インチホイールMTBに29インチホイールのMTBが加わり、その後、2012年頃に登場した 27.5インチ(650B)ホイールのMTBは、26インチバイクと29インチバイクの⾧所を併せ持つMTBとして現在のスタンダードとなっています。また、27.5インチホイールにファットバイクの様な太いタイヤを履かせた、27.5プラスバイクも新たなカテゴリーのMTBとして人気を集めています。

27.5プラスバイク。リムの大きさは 27.5インチ。横幅の太いタイヤを履かせることで外周径は 29インチとほぼ同じ Photo:Akihiro KOBAYASHI
29インチMTB。左の27.5プラスよりもタイヤの横幅は小さいが、外周径はほぼ同じ Photo: Akihiro KOBAYASHI

自然のなかで遊ぶことを目的にするならトレイル系バイクを!

 MTBは使いみちにより、いくつかのカテゴリーに分類することができます。軽量で加速や登坂、俊敏なコントロール性に優れる「クロスカントリー系バイク」、自然の中のトレイルを楽しむために作られた、登坂と下り性能のバランス、安定性に優れる「トレイル系バイク」、トレイルバイクに近い登坂性能を持ちながらも、より高い下り性能と安定性をもつ「エンデューロ(オールマウンテン)系バイク」、スキー場などに作られた専用オフロードコースで、下りのスピードとテクニックを楽しむための「ダウンヒル系バイク」、MTBパークなどでジャンプやバイクトリックを楽しむための「プレイバイク」などです。

 MTBの購入を検討する際、多くの方が実際のバイクカタログやネット上のカタログを見て、その種類の多さと価格の多様さに驚き、何を選んでよいのか迷われると思います。

 オフロードコースでダウンヒルを楽しみたい、クロスカントリーレースに出てみたいなど、最初からしっかりとした目的を持たれている方は少なく、カッコイイMTBで自然の中を気持ちよく走りたい!など、漠然とした憧れが購入のきっかけになっている方も多々いらっしゃると思います。

 一つのヒントとして、自然の中でMTBを楽しみたいと考えられている方は、「トレイル系バイク」を選ばれてはいかがでしょうか。

 トラベル量120㎜前後のサスペンションと太目でボリューム感のあるタイヤを備えたトレイルバイクは、登坂と下り性能のバランスが良く、悪路での安定性とコントロール性に優れているので、初めてオフロードを走るビギナーライダーでも扱いやすく、オフロードで経験を積みライディングスキルが上がっても、スキルに応じたトレイルライドを楽しむことができます。

MTB購入予算と選び方のポイント

 MTBを購入するための予算ですが、トレイルを楽しむという目的がある場合は基本性能がしっかりしているモデルを選びましょう。リアにサスペンションの付かないハードテイルバイクで10万前後から15万円前後、リアにサスペンションの付いたフルサスペンションバイクで20万前後から30万円前後のものがファーストバイクとしてお薦めです。

トレイル用ハードテイルバイクの例、写真はKONAの「HONZO AL」 Photo: Akihiro KOBAYASHI
前後に衝撃を吸収するためのサスペンションの付いたフルサスペンションバイクの例。写真は KONAの「HEI HEI」 Photo: Akihiro KOBAYASHI

 MTB選びのポイントのひとつとして、フレームとコンポーネンツ(部品)とのバランスが取れたものを選びましょう。初心者の方はカタログのスペックデータから、つい付属するパーツのグレードに目を奪われてしまいますが、大事なのはフレームの基本性能です。フレーム性能は使いみちに合わせた基本設計と素材によって決まります。詳しくは専門店に聞かれるとよいでしょう。基本性能が低いフレームを選んでしまうと、後々パーツをアップグレードしても、期待通りの結果を得にくくなります。例えば、パーツによるグレード差があるモデルであれば、上位モデルと同じフレームを使っている下位グレードのモデルを選ぶのも、良い MTB を選ぶ一つの手です。

HONZOシリーズには6車種あり、カーボンフレームの最上モデル「HONZO CR/DL」ほか、上位モデルのジオメトリを受け継いだ上写真の「BIG HONZO」もある Photo: Akihiro KOBAYASHI

 MTBの購入にあたり、まずは使う目的と予算を大まかに決め、ネットやカタログ等で情報を集め欲しいバイクの大まかなイメージを作りましょう。

 このイメージを作るという作業は実に楽しく、プロからバイク選びのアドバイスを受ける際にとても役立ちます。

小林秋弘(こばやし・あきひろ)
東京・池袋から程近い、マウンテンバイク・プロショップ「M.D.S」店長。トレイルからレース用MTBまで幅広い品揃えで、ビギナーからベテランライダーをサポート。組み立て、販売だけでなく、ツアーやスクールなどのイベントも企画、運営。自転車協会が定めるスポーツ用自転車の点検・整備のプロ「SBAA PLUS」認定者の資格も持つ。