TOP フィールド 初体験にして絶景 e-MTBの魅力満載のデビューコース
白馬岩岳 e-MTB STATION(長野県)

Mountain Bike Field フィールド紹介

初体験にして絶景 e-MTBの魅力満載のデビューコース
白馬岩岳 e-MTB STATION(長野県)

 「マウンテンリゾート」という新たな魅力で注目を集める白馬岩岳マウンテンフィールド。絶景を眺めながらスキー場をマウンテンバイク(MTB)で滑走する「ダウンヒル」というアクティビティが人気を集めていますが、一方で、ここ白馬岩岳ではMTBで“山登り”を楽しむことができるのはご存じでしょうか? 乗るのは電動アシストMTB(e-MTB)。ロードバイクで舗装された坂道を上る「ヒルクライム」とは一味違う、まるで自転車で山を登るような不思議な感覚が味わえます。

安全にスリルと絶景を楽しめるコース

 いわゆる“ママチャリ”だけでなく、シェアサイクルなどでも身近になった電動アシスト自転車。その名の通り電力で走力をアシストしてくれる自転車で、電動アシストのユニットが搭載されたスポーツタイプの自転車の総称を「e-BIKE」といいます。そのうちのMTBタイプの自転車を「e-MTB」と呼びます。

 MTBは衝撃を軽減するサスペンションと障害物を乗り越える太いタイヤを装備し、山道などのオフロードを安定して走ることができるスポーツバイクです。そんな自転車にさらに電動アシストが搭載されるのですから、もはや向かうところ敵なし。どんな斜面も物ともしない、まるで戦車のような走破性は、MTBに乗り慣れた人たちの間でも「異次元の乗り物」といわれています。

 そんなe-MTBを自然の中で気軽にレンタルできるのが、白馬岩岳マウンテンフィールド内にある「白馬岩岳 e-MTB STATION」です。白馬岩岳といえば本来スキー場である斜面をMTBで滑走するダウンヒルが人気の、いわば“MTBの聖地”とも呼ばれる場所。e-MTBステーションはゴンドラで上った先の頂上にあり、通常のMTBで走るダウンヒルコースとは別にe-MTB専用のコースが設定されています。

岩岳の玄関口「ノアの里駅」。ここからゴンドラリフト「ノア」に乗って山頂まで約8分の空中散歩
ゴンドラに私物のMTBや麓でレンタルしたMTBを積載して上がってくる人も
山頂にあるガイドセンターで受け付け。松沢一輝さんら白馬観光のスタッフが乗り方や操作を指導してくれる。e-MTBとともにヘルメットも借りられるので、動きやすい服装、スニーカーさえ履いていれば即借りることができる

 専用コースには、白馬三山を眺める「マウンテンビューコース」と、林間などの斜面で上りを楽しめる「マウンテンサイクリングコース」の2つがあります。マウンテンビューコースはMTB初心者やe-MTBに不慣れな人でも安全に絶景を楽しめるコースで、目前に広がる雄大な景色を眺めながら気軽にライドが体験できます。最大の魅力はスリル満点なオフロードの終着点に設けた絶景スポット。まるで“特等席”のようなこの場所は、岩岳で白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)が最も美しく望める場所でもあります。

白馬岩岳で人気のアクティビティ「ヤッホースウィング ハイジのブランコ」の横を抜けて
「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」の展望台の下を潜り抜けると…
目の前に迫りくる白馬三山! たくさんの観光客でにぎわうエリアから少し離れただけで、まるで絶景を独り占めするような贅沢な空間に

 ステーションから往復で2kmほどと短い距離ですが、徒歩で行くには少し遠く、またe-MTBでないと戻りの斜面がきついコース。e-MTBの操作に慣れつつ、絶景が楽しめる絶妙なコース設計になっています。アシストは、「エコ」「オート」「ハイ」の3つのモードが選択可能。基本的にペダルの踏力に合わせてアシスト力が自動で変わる「オート」で良いと思いますが、途中に1カ所急斜面がありますので、上りに差し掛かる少し手前でアシスト力が最大で一定に保たれる「ハイ」モードにしておくと心強いでしょう。

上りのつらさが解放されると景色を楽しむ心の余裕も生まれる
e-MTBだと、どんな斜度の未舗装路もパワフルにクリアできる

上りがクセになる林間コース

 一方の「マウンテンサイクリングコース」は、いわゆる「MTBパーク」と呼ばれるダウンヒルコースの一部を利用したe-MTB専用のコースとなっています。スタートから林間コースまでは一般のダウンヒルコースと同じく下り基調のアップダウンを楽しみ、スキー場の広いコースに出たところで今度は別の道でスタート地点までの斜面を上り返す2km程度の体験コースです。

木製のゲートがスタート地点
一般のダウンヒルコースとの分岐点にある看板。少しわかりにくいけれど赤い矢印の部分がe-MTBの専用コースを指している
徒歩でしか行けないような森の中もMTBなら自由に走れる。e-MTBのアシストがあればMTBビギナーでも安心
森を抜けると広いスキー場に出る。そこからは一般のダウンヒルのコースなので、つられて下らないように要注意

 上りも再び森林コースへ。疾走感ある下りと違い、上りを突き進んだときの第一印象は「不思議」の一言。“上れないはず”と身構える頭と体をまるでe-MTBが連れて行ってくれるような乗り心地、そしてダウンヒルを逆再生しているかのような不思議な感覚に陥りました。

大きく盛り上がった木の根や急変する斜度も、太いタイヤと強いアシストで難なく走れる
普段は立ち入れないようなゴンドラの下を走る

 鋭角にカーブを描く上りに「さすがに無理だ!」と半ばあきらめつつもe-MTBを信じてペダルを踏み込むと、アシストがぐいっと働き、うまくクリアしてくれました。その動きをやがて体が覚えると、山を走る恐怖心は消え、いつしか下りよりも上りが楽しくなっていました。

e-MTBは山を楽しむ最高のツール

 登坂時の困難さから解放してくれるe-MTBは、走行が楽になるだけでなく、ライド中に景色を楽しんだりする心の余裕も与えてくれます。さらに、MTB初心者にとっては恐怖心という最初のハードルが取り除かれるため、緊張がほぐれやすく、安全に乗車時の体の使い方を覚えることにも役立ちます。

 スタッフの松沢さんによると利用客の中にはMTB初心者も多く、「マウンテンリゾートに訪れて興味をもって体験される方が多く、これまで体験したことのない乗り心地に魅了されている方が多いようです」とのこと。走った先で絶景も楽しめるので、観光ツールとしても人気だそうです。

 白馬岩岳e-MTB STATIONがオープンするのはスキー場の営業が休止する、ゴールデンウィークから10月末までのグリーンシーズン。今シーズンはもう閉鎖となりましたが、来春、残雪の白馬三山を眺めるついでに、e-MTBを体験してみてはいかがでしょうか。

フィールド情報

所在地 〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村北城12056
電話番号 0261-72-2474(白馬観光開発)
営業期間 春~秋まで営業(詳しくは白馬岩岳MTB PARKのホームページで告知予定)
営業時間 9:00~16:00(季節によりOPEN時間が変わる可能性あり)
利用料金 1,500円(税込)/30分
搬送 なし
実施イベント なし
管理者 白馬観光開発

※表示価格はすべて税込です。(2022年10月30日現在)

フィールドタイプ

レベル

設備

e-MTB専用の特設コースで、白馬の最高のロケーションとe-MTBでのアクティビティが楽しめます。e-MTBとヘルメットをレンタルして、目前に広がる雄大な景色を眺めながら初心者の方でも気軽にライドが体験できます。 https://www.nsd-hakuba.jp/iwatake_mtb_park/
文: 後藤恭子(ごとう・きょうこ)

アウトドアメーカーの広報担当を経て、2015年に産経デジタルに入社。5年間にわたって自転車専門webメディア『Cyclist』編集部の記者として活動。主に自転車旅やスポーツ・アクティビティとして自転車の魅力を発信する取材・企画提案に従事。私生活でもロードバイクを趣味とし、社会における自転車活用の推進拡大をライフワークとしている。

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