2022.11.5
ロードバイクユーザーを悩ます体の痛み。手、首、肩、腰、尻、膝など、痛みを覚える箇所は人様々です。あまりに苦痛で乗るのが嫌になってしまう人もいます。なぜ、ロードバイクに乗っているうちに痛みが生じるのでしょうか。痛みを和らげるにはどうしたらいいのでしょうか。自転車系YouTuberであり、本業は理学療法士を務めるtom's cyclingのTOMI氏に、痛みの原因から対応方法までを聞きました。第6回は「膝の外側と内側の痛み」について原因と対策を紹介します。
※本連載はあくまで参考として紹介するものであり、痛みが強い場合などは医療機関の受診をオススメします。
膝の外側の痛みはランナー膝とも呼ばれる腸脛靭帯炎が疑われます。腸脛靭帯とは股関節から膝まで伸びた靭帯で、膝の曲げ伸ばしの繰り返しによって生じたストレスによって痛みが出るとされています。サイクリストにあてはめると、ガニ股の人やO脚の人がなりやすいと思われます。また、サドルが低すぎることでも、ペダリング時に股関節が詰まって、ガニ股ペダリングになる人もいます。
一方で膝の内側の痛みは鵞足炎と呼ばれる症状が疑われます。膝のお皿の骨から見て、内側下の鵞足と呼ばれる部分にストレスが生じて痛みが出る症状です。サイクリストにあてはめると、内股の人がなりやすいと思われます。
いずれの場合も、ペダリングの際に、(足先ではなく)膝の向きが外側を向いてしまったり、内側を向いてしまったりすることで、膝の外側・内側にストレスがかかるものと思われます。膝の関節は股関節や足関節と違い、左右に動かしたりできない自由度の低い関節になります。そのため、内側と外側は痛みの出やすいところです。クリートがすり減り足首の角度がわずかに傾いてそれが膝のストレスにつながるようなこともあります。
ペダリングをする際は、適切なサドルの高さで、真っ直ぐに踏み下ろすことが大切です。股関節の向きは多少、内側にずれても問題はありませんが、膝と足首が真っ直ぐ下りる状態が望ましいです。クリートのセッティングによって、膝と足首が真っ直ぐ下りるように調節するのも一つの手となります。
なお、膝の外側と内側の痛みはを足関節や股関節に問題があることが多いと思われます。痛みが深刻な場合や根本的な治療は医療機関を訪れることをオススメします。
大腿四頭筋は縮みやすい筋肉なので、そうした筋肉に対してはストレッチが有効です。ストレッチは座った状態で膝を曲げて折りたたみます。その状態を保ったまま、体の硬い人は肘が着く程度まで体を後ろに倒します。柔らかい人は背中を付けてストレッチをします。
膝の外側の痛みに対してはマッサージがさらに有効です。母指球と小指球を使って太ももを圧迫してほぐしていきましょう。少し痛くて気持ちよいくらいの圧力が適当です。
膝の内側に痛みはハムストリングスの硬さと内ももの硬さが原因になることもあります。ですので、ストレッチをして伸ばすことで効果的な場合があります。ストレッチでは、地面に座った状態で両足を開脚します。開脚したときに突っ張る薄筋という筋肉をのばします。開脚したときに余裕があれば地面のほうに胸を着けるようにして倒していきます。
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