2025.1.27
会社への通勤手段として購入したクロスバイク。最近少々汚れが目立つ様になってきました。そこで今回は水が使えない環境でもお手軽にできる洗車方法についてご紹介します。
バイクのコンディションを保つうえでは、日頃のクリーニングがもっとも手軽なメンテナンス作業です。運動を目的とする車種は一般的な軽快車と比べると、爽快に走る構成である反面、ギアの枚数が多いなど機構が少々複雑だったりします。
つまり、軽快車よりもメンテナンスが重要になりますし、それを怠ればせっかくの愛車も気持ちよく乗ることができません。日頃通勤目的で使う以上、極力トラブルを避け、ひいては自分の安全を守る意味でもチェックを兼ねた洗車は必須の作業です。
さて、洗車とはどういったものを皆さんは想像するでしょうか?
「洗う」が文字として入る以上、一般的に水をバシャバシャとかけて洗浄するようなものをイメージする人が多い様に思われます。実際、同じスポーツバイクとして挙げられるロードバイクをはじめとしたジャンルにおいては専用のスタンドに固定し、泡をまとわせ、スポンジで汚れを落とし、水で汚れを洗い流す洗車法はプロアマ問わず実施されていますし、近年ではこうした洗車を専門に扱うサービスもあります。
反面、こうした洗車は専用の道具を必要とする点や、水を使うことでパーツ保護の為のグリスを洗い流してしまうなど、専門的な知識や経験が無いことで発生する一定のリスクがあります。こうした事態を避けるためにも初心者はまず、水を使わない洗車からチャレンジするとよいでしょう。
ここではお手軽な水を使わない洗車で用意すべきものを紹介します。
油や汚れを取るために使う布のことを「ウエス」と呼びます。
マイクロファイバークロスや使い捨てのペーパーウエスなど、様々な便利アイテムがあるので、このあたりは自分にとって使いやすいものをチョイスしてみてください。ポイントとしてはチェーン周りと車体本体に使うものは分けて使う意識が必要です。
また、専用品を用意する必要はなく、雑巾や使わなくなったシャツなどでも代用できます。ただし、毛足の長い布についてはかえって繊維が付着したりすることもあるので、毛羽立ちの少ないものを選ぶと良いでしょう。
チェーンやギアの油汚れを落とすためのケミカルは、今回スプレータイプで水が要らないものを選びました。油汚れに対するアイテムは、洗浄にあたって器具や水洗いが必要なものがあるので、購入前に利用方法を含めて確認することがベストです。
なお、パーツクリーナーやディグリーザーは自転車専門店のほか、ホームセンターでも購入できます。速乾性や遅乾性など、揮発するタイミングが異なる種類で販売されているので、作業に応じて用意するとよいでしょう。
チェーンやギアの油汚れを落とすためのアイテムとして使います。
特段専用品を使う必要はなく、使い古しの歯ブラシなどでもOKですが、チェーンなど可動部に使う性質上、毛は抜けにくく硬めのものがおすすめです。
洗浄したあとのチェーンに注油するために使います。
選び方や使い方については以下の記事を参考にしてみてください。
自転車を走らせるうえで重要な役割を果たしているパーツがチェーンです。乗り手の動力をギアへと伝え、変速を担うチェーンは常に負荷がかかり続けています。もし、油が切れてしまうと過度に摩耗したり、最悪の場合は走行中に切れてしまうことも…
必須ではないものの、あると便利なアイテムについてもいくつか紹介します。
主にバイクの油汚れや洗浄時のケミカルが手につくことを防ぎます。こうした油汚れは手に付着するとなかなか落ちないことが多く、また、ケミカルや洗剤による手荒れを防止するためにも有効です。
これはギア(スプロケット)の汚れを落とすために使います。伸縮性が高くギアの隙間に入れることができ、繊維で汚れを絡め取ることが可能です。
今回選んだクリーナーはスプレータイプの為、ある程度噴射の勢いで汚れを流すことができますし、ウエスを利用することで対処できます。こうした日常のアイテムを工夫することでよりきれいな洗車が実現できます。
洗車の準備が整ったところで早速愛車の洗車にとりかかります。ここで必要なアイテムが揃っていないと作業が中断してしまうので、作業内容を頭にいれて、必要なアイテムを想像してから取り掛かることをおすすめします。
大まかな流れとしては以下の流れで、まずはチェーンや変速機といったドライブトレイン側のオイル汚れが顕著な箇所から洗浄し、その後フレーム周辺を綺麗にします。汚れの飛び散りで2度手間を発生させないことがコツです。
1.チェーン/ギアのクリーニング
2.フレーム/ボディのクリーニング
3.仕上げの注油
洗浄場所については水を使わないとはいえ、ケミカルやオイルが垂れることが想定されますので、屋外やベランダでの作業が理想です。室内であれば洗浄の際に床が汚れることを見越して、段ボールなど敷物があることが望ましいです。
まず、ギア(スプロケット)やチェーンに対しクリーナーをスプレーしていきます。その後、ギアやチェーンのコマの汚れを浮き上がらせる様にブラッシングし、これを乾いたウエスで拭き取ります。
注意点として、スプレーするクリーナーによって汚れが飛び散るので、ブレーキパッドやキャリパーといった制動に関わる部分に付着しない様、養生するなど対策をしましょう。特にディスクブレーキのディスクはギア付近にあるため注意が必要です。
また、汚れが溜まりやすい箇所としては、変速部分のプーリー、ギアの隙間などブラシが届きにくいところもあります。忘れず掃除しましょう。
フレームはホコリや泥、チェーンからの油など様々な汚れが付着しています。今回は簡易的な洗車なので、ウエスでの拭き上げで対応します。
汚れの度合いにもよりますが、いきなり乾いたウエスで拭き上げると表面に固まった泥や砂をボディにこすりつけることにもつながるので、おすすめは軽く湿らせたウエスでこれら大きな汚れを落としてから、乾いたウエスで拭き上げるといった流れがベストです。
利用するウエスはギアやチェーン汚れに使用したものとは分けることを心がけましょう。せっかく綺麗にしてもウエスについた油汚れをこすりつける結果になってしまいます。
注意点としてはチェーン/ギアのクリーニング時にも挙げた様に、リムブレーキではホイールのリムやブレーキパッド、ディスクブレーキでは特にディスクブレーキ部分は制動力に直結する部分なので、洗車初心者のうちは乾拭きや軽い水拭きのみとし、ケミカルを使った洗浄を避けることをおすすめします。
主な注油箇所についてはチェーンと変速部分になりますが、今回の場合、注油は洗車直後ではなく、少々間を置いた対応がベターです。チェーンのクリーナー使用直後、溶剤の残留が想定されるためです。パーツクリーナーを使った場合は溶剤が完全に揮発してからのオイル塗布が望ましいでしょう。
細かい部分への注油についてはこちらの記事で解説しているので参考にしてみてください。
自転車を走らせるうえで重要な役割を果たしているパーツがチェーンです。乗り手の動力をギアへと伝え、変速を担うチェーンは常に負荷がかかり続けています。もし、油が切れてしまうと過度に摩耗したり、最悪の場合は走行中に切れてしまうことも…
今回は普段利用するクロスバイク向けにライトな洗車方法をご紹介しました。
冒頭でも挙げた様に一口に洗車といっても水を使った大掛かりな洗車もありますが、こうしたものは前述の通り専門知識や手間が当然かかります。自転車を始めた当初の筆者もこれらを含めて「洗車」自体を非常にハードル高く捉えていた時期がありました。
しかし、こうした洗車は日々のスポーツバイクを使った生活を送る以上、どうしても必要です。乗る頻度にもよりますが、洗浄はメンテナンスの基本であり、こうした作業を怠れば、故障やトラブルに伴う事故のリスクが生まれます。
今回紹介した水を使わない洗車はメンテナンスの最初の一歩となります。日々の簡易的な清掃でもバイクの不具合の発見や細かなダメージを軽減できるので、まずは簡単な愛車の清掃から始めてみてはいかがでしょうか。
夢破れた20代後半、友人に誘われる形で始めたロードバイクがきっかけで人生が激変。変わる体質、減る体重、高まる自己肯定感に後押しされ、就職→大手広告代理店への転職→憧れの女性との結婚に成功するという自転車サクセスストーリーを地で行く30代。最近は仕事も忙しく充実しているが、以前ほど自転車に時間が割けないジレンマに陥っている。
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