2024.10.16
A:令和6年11月1日から、自転車の酒気帯び運転、スマートフォン等の「ながら運転」に罰則が適用されます。これまで、自転車の「酒酔い運転」に対しては罰則がありましたが、「酒気帯び運転」には罰則がありませんでした。また、スマートフォンやナビなどを手に持って使用したり、注視したりする場合の罰則は、これまでクルマや二輪車の運転者のみが対象でしたが、11月1日以降は自転車の運転者にも適用されることになりました。
本年5月に、自転車の運転者の交通違反に対していわゆる“青切符”という形で「反則金制度」を適用する道路交通法の改正が行われましたが、それとは別に「酒気帯び運転」や「ながら運転」に対する改正も同時に行われました。
反則金制度の改正は施行まで2年の準備期間がありますが、「酒気帯び運転」と「ながら運転」に対する改正は施行まで6カ月の準備期間しかなく、5月の法案成立から「6カ月以内」ということで11月1日からの施行となりました。
反則金制度の施行は、取締りの仕組みの整備や、現場の警察官の教育など取り締まる警察側の準備が必要な事項が多く、また、大きな変更のための周知も必要なため、2年の施行準備期間が置かれましたが、「酒気帯び運転」と「ながら運転」に罰則を適用するためにはそれほどの準備も必要ないため、早期の施行となったものと思われます。
この改正により、免許、登録、車両の構造に関する特有の規制を除き、罰則が適用される交通違反は、クルマや二輪車と自転車との間で、ほとんど差がなくなったということになります。すなわち、自転車の運転者がクルマや二輪車の運転者とほぼ同様の責任を負うことになったと考えて良いと思います。その意味では、自転車の運転者には責任に見合った自覚が求められているといえるでしょう。
なお、共同危険行為の禁止(道交法68条、117条の3)、救護義務等(道交法72条1項、117条1項等)などは、いまだに自転車の運転者に適用されずに残っていますが、救護義務などは今後、自転車の運転者にも適用されることも考えられます。
2009年弁護士登録。会社関係法務、独占禁止法関係対応、税務対応を中心に取り扱う傍ら、2台のロードバイクを使い分けながら都内往復20kmの自転車通勤を日課とする。久留米大学附設高校卒・東京大学法学部卒・早稲田大学法務研究科卒。
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