Q,仲間とのライドでトレインを組んで公道を走る場合、隊列の長さに制限はある?弁護士に聞く、自転車のルールの素朴な疑問<39>
仲間と集まって自転車で走ることはスポーツ・レジャーとして楽しい活動ですが、一方で集団で自転車を走らせるということは周囲の交通当事者に配慮が必要な走り方でもあります。競技レベルの速度で、何台もの自転車が隊列を組んで走る様子(いわゆるトレイン)はサイクルイベントではよく見る光景ですが、これをプライベートで公道で行うことは問題ないのでしょうか?

注意すべきは車間距離
A:まず道路交通法で、特に走行可能な標識がある場合を除いて明確に禁止されているのは、「自転車の並走」です(道交法19条)。自転車が前後に並んで走ること自体は禁止されていません。しかし、自転車の車間を詰めすぎることは、「車間距離の不保持」という違反行為になります(道交法26条)。空気抵抗を減らそうと前後の車間距離を縮めようとすることがあると思いますが、前の車両が急に停止したときに追突を避けることができる必要な距離を保っていなければ違反です。
では、いわゆるトレインの長さには制限はないのでしょうか。結論から言えば、十分な車間を取り、安全な速度でかつ交通ルールを順守して走行している限り、いわゆるトレインの長さには制限はありません。そもそも密集して車間を空けずに高速で走るのが「トレイン」だとしますと、2台でも合法とはいい難く、対して同じ場所に向かう複数の自転車が十分な車間を取り、同一進行方向に縦に並んで走るだけであれば違法になることはないといえるでしょう。

2009年弁護士登録。会社関係法務、独占禁止法関係対応、税務対応を中心に取り扱う傍ら、2台のロードバイクを使い分けながら都内往復20kmの自転車通勤を日課とする。久留米大学附設高校卒・東京大学法学部卒・早稲田大学法務研究科卒。
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