「曲がる」がもっと楽しくなる! MTBコーナリング「3つの基本姿勢」プロライダーが伝授! 自宅周辺で実践できるMTBスキルアップTips<6>
マウンテンバイク(MTB)のライディングにおいて、最も奥が深く、そして爽快感を得られるのが「コーナリング」です。今回は、トレイル走行の要となるコーナリングでのバランスの取り方と、状況に応じた3つの基本姿勢について詳しく解説します。もし「コーナリング中に姿勢が崩れる」「うまく曲がれない」と感じたときは、一度原点に立ち返り、これまでに学んだ「ニュートラルポジション」を思い出してみましょう。今回解説するコーナリングのテクニックを含め、MTBのあらゆる応用動作はすべてこの基本姿勢の延長線上にあるからです。

基本中の基本:ニュートラル・コーナリング
コーナリングには状況に合わせて3種類の姿勢がありますが、まず完璧にマスターすべきなのが「ニュートラルポジション」のまま曲がる方法です。
これは、ペダルを地面と水平(水平足)に保ち、身体を前後左右のセンターに置いたままバイクを傾けていく姿勢です。中低速の緩やかなカーブや、細かな切り返しが続くセクションで非常に有効です。
■練習方法
広場などにミニパイロンや目印を等間隔に並べ、スラローム走行をしてみましょう。バイクを左右にリズミカルに倒し、サスペンションの動きを感じながらクリアしていくのがコツです。


スムーズに曲がるための「目線」と「ライン取り」
技術的な姿勢と同じくらい重要なのが、目線とルートの選び方です。
人間は見た方向に身体が動く習性があるので、コーナーの入り口では、すぐ目の前の地面を見るのではなく、コーナーの出口をしっかりと見据えてください。目線を先に送ることで自然と肩が開き、腰が回り、無理なくバイクが旋回します。
次にルートの選び方、「ライン取り」です。コースのどこを走るかは「アウト・イン・アウト」が基本となります。
- アウト(入り口): コーナーに入る手前では、コースの幅を最大限に使い、外側からアプローチします。
- イン(頂点): コーナーの最も深い部分(クリッピングポイント)では、内側に寄せます。
- アウト(出口): コーナーを抜ける際は、再び外側に向けて加速していきます。 このラインを意識することで、スピードを落としすぎずにスムーズなコーナリングが可能になります。
状況に応じた応用姿勢
さらにスピードが上がったり、路面状況が悪化したりした場合には、以下の2つのポジションを使い分けます。
■外足荷重
コーナーの外側のペダルを真下に下げ、そこにしっかりと体重を乗せる姿勢です。 スピードが出ている場面や、砂利道などの滑りやすい路面、またはタイトなコーナーで威力を発揮します。外足に荷重することでタイヤが地面に強く押し付けられ、グリップ力が増してスリップを防ぐことができます。


■足を出すポジション
状況が過酷になり、転倒のリスクがある場合に用いるのが、コーナー内側の足をペダルから外すスタイルです。 これは主にオフロードレースや急激なヘアピンカーブで見られるテクニックで、重心をより内側へ低く保つために行います。


◇
まずはニュートラルな状態で「バイクが自然に曲がっていく感覚」を養い、そこから外足荷重などのアレンジを加えていきましょう。基本姿勢を忘れずに練習を積めば、どんなにタイトなコーナーでも流れるようにスムーズに走り抜けられるようになります。怪我に気をつけて、MTBならではの遠心力を楽しんでください。

MTBプロライダー。3歳のときに初めて自転車レースに参加し、様々な競技を経験した後12歳でMTBダウンヒルに専念。2009年に全日本選手権ジュニア優勝を皮切りに国内レースを牽引する存在になり、エリートカテゴリーで歴代トップとなる5度の全日本選手権制覇や2度のアジアチャンピオン獲得など輝かしい戦績を記録し続けている。2023年には初開催の全日本選手権マウンテンバイク・エンデューロも制する。
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