クロスバイクで冬の自転車通勤を快適にするポイントロードバイクで人生が変わった男がクロスバイクを買ったワケ<6>

2025/12/01    

 通勤利用の為、筆者がクロスバイクを購入してから時は過ぎ去り、季節は冬。今回は、寒空の下でクロスバイク通勤をする筆者が、冬の通勤・通学に役立つポイントをお届けします。

冬に最適なクロスバイク乗車時の服装を深堀していきます

夏も冬も重要なのは汗対策

 前回は初夏の通勤についてのトピックをお届けしましたが、冬の通勤でも意識すべき点は快適性、ひいては汗対策が冬でもネックになってきます。

 前述の記事でも紹介した通り、軽快車に比べるとスピードの出るクロスバイクにおいてはその反面、運動量も増加しがちです。これは冬でも本質は変わらず、汗をかいてしまう生理現象からは逃げ切れません。そこで今回は冬場の汗対策を主軸に通勤のポイントをご紹介します。

短距離なら普段の服装でOK

 個々人の代謝や運動負荷にもよりますが、一般的な平地の場合、5km以下の距離であれば、力いっぱい走らなければ、おおよそ普段の服装で問題ないでしょう。とはいえ、ヒールのある靴など、そもそも動きにくい服装は避けたうえでの話です。

サイクリングウェア専用ではなくてもOK。パーカーのようなウェアなら街乗りにも映えます

長距離は汗対策が必須

 ところが、これが10kmや15kmといった距離になってくると話が変わってきます。冬はさほど体を動かさずとも寒くないようにアウターをはじめ、各種防寒具に身を包んでいる人がほとんどでしょう。

 ここにスポーツ自転車による運動が伴うと結果、確実に汗をかいてしまいます。通勤通学を目的とした移動ですから、夏場ほどではないものの、目的地に到着後に胸元や脇の下といった部位に汗じみを作って学校や会社で過ごすという、なんとも悲しい一日を耐えて過ごさねばなりません。

 極めつけは着込んだ服の汗はほとんど乾かず、結果体を冷やし、体調を崩すといった、健康のためにはじめた自転車通勤で本来と真逆の事態に陥るといった本末転倒です。

カバンは慎重に選びましょう

 これは夏もそうですが、自転車通勤で使うカバンではリュックが人気です。自転車に乗る以上、両手をフリーにする必要があり、荷物をバタつかせず運ぶという意味ではこれが一つの最適解です。

 ただ、これには弱点もあり、リュックを背負った背中は非常にムレます。前から受ける風の冷却効果で冷える前面に対し、背面は熱がこもりやすく、自転車乗りであれば特に何もないフリーな状態にしておきたいポイントの一つです。

 自転車での利用を考慮したリュックでは本体と背中の間に隙間をつくることで蒸れにくくする構造や、体と接する面をメッシュ素材にするといったタイプのものがあるので、こうしたものを選ぶといいでしょう。

カバンを背負わない選択肢も検討しましょう

 トラップをはじめとする接触面から汗じみが発生する可能性もあります。その場合は自転車にラックを付けるといった車載方法を検討しましょう。

 無論、これも重量の増加や取り回しなど様々な影響をうけるので、持ち物、カバン、自転車、移動距離と負荷、これらを吟味して自分にあったスタイルを探してみてください。

冬も必須!吸汗速乾性の高いインナー

 ここまで触れてきたように、自転車は冬でも汗をかくものです。不快感からはじまり体調不良の要因ともなり得る汗に対し、夏同様に吸汗速乾性の高いインナーは重要度の高いアイテムとなります。

 スポーツ用のインナーは吸汗速乾性に優れた素材を使用しているものや、汗冷えや汗ジミ、臭いを軽減する機能が付いているものも多く流通しており、自分にあったものを選ぶといいでしょう。

 注意点としては高性能なインナーの場合、内側をドライに保つ反面、外側に汗を逃がす効果が高いため、トップスが綿素材など吸水性に優れた素材の場合、汗をインナーから吸い上げてしまい、これもまた汗じみや汗冷えを発生させるため、組み合わせも注意が必要です。

 また、冬の時期人気の発熱を謳う素材の製品の一部は、放湿性が低いため、多量の汗に対しては前述の汗冷えからの体温低下、体調不良の原因になりやすいので、利用は避けたほうがいいでしょう。

便利なベンチレーション付きアウター

 自転車通勤においては、普段使うアウターより薄手なベンチレーション付きのアウターがあると格段に快適性が増します。

サイクリング用の秋冬用ジャケットは、フロントベンチレーションがついている製品も

 前述のアウターで吸い上げた熱や湿気を走行中の風を取り込むことで逃がせるので、結果丁度いい体感温度で通勤することができます。また代替手段としてはフロントジッパーのアウターであれば開け締めである程度は体感温度を調整できます。

その他 冬にあると便利な通勤グッズ

ここまで汗対策を中心にアイテムを紹介してきましたが、ここからは冬あると便利なアイテムについて紹介します。

安全+温かいグローブ

 安全のため、夏もグローブを装着すべきですが、冬はここにもう一つの要素、防寒が加わってきます。

冷えを防ぎつつ、グリップやクッション性を兼ね備えた冬用グローブ

 必ずしも自転車専用である必要はありませんが、安全のためにしっかりとブレーキやハンドルを握れる手にフィットしたものが理想的です。また、自転車の専用品やアウトドア用品であれば、対応する気温がメーカーで提示されているのでお使いの環境に適したものを選ぶことをおすすめします。

薄手のネックウォーマー

 防寒対策として首周りは非常に重要な部位かつ効果を体感しやすい部位ですが、反面蒸れやすいため、これもスポーツ用の吸汗速乾性の高いネックウォーマーがおすすめです。マフラーなどは、落下時に絡まる可能性があるため、避けたほうが良いです。

薄手のネックウォーマーは温度調節がしやすくGOOD

まとめ

 今回汗対策アイテムを中心に紹介しましたが、冬のサイクリングでは「少し肌寒い」と感じるレイアリングがベストです。また、長距離長時間の場合はこまかく、薄く、重ね着で調整するとさらに快適になります。

 とはいえ、筆者も自転車をはじめたばかりの頃は適切なレイアリングなどできていたかといえば、いささか疑問です。

 ただ、日々外に出て自転車に乗るようになると今までよりも気温や天候の変化にシビアになっていき、レイヤリングも自然に最適化されていった気がします。体を鍛える以外にも、そんな日々の変化やレベルアップも含めて自分なりのスタイルを見つけるのも自転車の醍醐味ではないでしょうか? この記事が“汗ビチャ”で悩んでいる通勤サイクリストの一助になれれば幸いです。

宮崎薫(みやざき・かおる)

夢破れた20代後半、友人に誘われる形で始めたロードバイクがきっかけで人生が激変。変わる体質、減る体重、高まる自己肯定感に後押しされ、就職→大手広告代理店への転職→憧れの女性との結婚に成功するという自転車サクセスストーリーを地で行く30代。最近は仕事も忙しく充実しているが、以前ほど自転車に時間が割けないジレンマに陥っている。

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