2022.7.5
マウンテンバイク(MTB)のプロフェッショナルがMTBにまつわる素朴な疑問に答えていく本コーナー。第31回は「MTBはどこにしまっていますか? しまうときのポイントは?」という質問にプロライダーの井手川直樹氏が答えていきます。
マウンテンバイクをどこにしまうかですが、僕の場合は、普段使うバイクは基本、遠征用の車(ワンボックス)の中に入れています。…と、これでは参考にならないと思うので、一般的な話をしていきましょう。
スポーツ用自転車は、雨などに濡れない場所に保管するのが理想です。雨などで濡れてしまったり、室外で砂埃が付着したりすることで、本体やパーツ類の劣化を招いてしまいます。このため、室内保管の方がバイクが傷まず、長く安全に乗り続けることができます。競技用車両であれば特にデリケートなので、室内保管をオススメします。
実際にどのように室内に収納するかは、バイクの台数や住宅事情にもよるかと思います。リビングに置く人もいますが、空いている部屋や、普段あまり使わない部屋に置いておく人が多いようです。コンパクトに収納するなら、車輪は外してホイールバッグに入れ、別で置いた方がかさばらないです。
またマウンテンバイクはハンドル幅が広いので、前輪を外してしまうか、ステムの取付け部をいったん緩めて、ハンドルを90°横に曲げてしまえば、幅が狭くなってコンパクトに収納することができます。このほかにも一般的な収納アイデアとして、突っ張り棒式のサイクルラックで、上下二段にして収納するなど、スペース効率を高める方法があります。
逆転の発想として、自宅には置かないという手もあります。どこでもあるわけではありませんが、富士見パノラマにあるBGHと言うショップであれば、シーズン中の保管サービスを行っているショップがコースのそばにあります。別料金でメンテナンスサービスも設定されていますし、シーズン中はそういったサービスの利用を検討してみるのもいいでしょう。
「マウンテンバイクは室内に保管しましょう」と言うと、気になるのは自転車の汚れではないでしょうか。オフロードで楽しむマウンテンバイクは汚れやすく、一日楽しんだ後は泥まみれということが普通にあります。これをそのまま自宅内に持ち込むわけにはいきません。
ではどうするのかというと、だいたいのMTBフィールドには洗車場があるので、走行した後はキレイにしてから持ち帰っています。これはマナーとしてですが、走行した場所で付いた泥はその場所で落としてから帰りましょう。泥の中には微生物や種子なども含まれている場合がありますので、生態系を崩さないという心配りも必要です。自然の中で遊ばせてもらっている意識を持って共存していきたいですね。
フィールドに洗車場が無かったりする場合もあります。そのような場合は事前にお皿を洗うようなブラシを用意して行きましょう。できるだけブラシなどで泥を落としてから、ご自宅などで洗車するようにしましょう。いずれにせよ、なるべく自宅までドロドロの自転車を持ち帰らないのが基本です。
走行後の洗車のポイントを以下に説明します。
まず、ハンドルやサドル周りに、上から水をかけていきます。上から下に向かって順番に泥を落としていくと効率良く洗車できます。次にタイヤの泥を落として、フレームを上から、最後にコンポーネント周りとしていきます。泥の洗車というと高圧洗浄機のイメージがあるかもしれませんが、高圧だと回転部のベアリングなどに水が入り込みやすいので、高圧の水を接近させて直接自転車にかけるのは避けてください。ベアリングが入っている場所は車輪やヘッド、BBの他にも、フルサスのリンク部など、マウンテンバイクは繊細なパーツが多くなっています。
いったん全体を濡らしてから、各部をブラシなどを使ってキレイにしていきます。洗剤は中性洗剤で大丈夫ですが、専用のものは泥も落ちやすく環境にも配慮されていますので使いやすくおすすめです。最後に水気は乾いたタオルなどでしっかり落とし、チェーンやギアなどにはオイルの注油も忘れずに作業してくださいね!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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