TOPニュース地方自治体と協同で自転車活用推進を地域に自転車文化を根付かせる「サイクリングキャラバン」初・・・

News / Columnニュース

地方自治体と協同で自転車活用推進を
地域に自転車文化を根付かせる「サイクリングキャラバン」初開催

 地方自治体と自転車協会、そしてSBAA PLUS認定者の店舗スタッフが一般ユーザーへサイクリングの推進を図るイベント「サイクリングキャラバン」が10月7日、宮城県角田市で開催された。会場には白石市、角田市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町の各首長らが来場。サイクリングには行政関係者も参加し、各地域の交流を深めつつ、阿武隈川沿いのサイクリングロードを快走した。(Photo & Text by Shusaku MATSUO)

宮城県仙南地域の2市7町の関係者が参加した「サイクリングキャラバン」が初開催

行政関係者らがサイクリングを体験

 サイクリングキャラバンを主催する自転車協会は、自転車の安全、活用推進を日々行っている。「自転車安全基準」に基づく型式検査に適合した自転車に付与されるBAAや、SBAA PLUSもその取り組みの一つ。BAAをはじめ、サイクリングの楽しさや文化をより広めるべく企画されたライドイベントがサイクリングキャラバンだ。

「サイクリングキャラバンが地域の課題解決の突破口になる」と述べた大河原町の齋清志町長
自転車協会の伊藤政博理事長は「自転車で街づくりをしている地方自治体への支援活動を行っていきたい」とコメント

 行政関係者らにサイクリングの文化を体験、理解してもらう機会として、さらに波及効果を高める狙いがある。ロードバイクといった競技性の高い車種だけではなく、クロスバイクでの参加もOKだ。動きやすいスポーツウェアを推奨し、スポーツサイクルの敷居を下げて、自転車ユーザー全体の興味を拡大するための施策である。

 今回、第一回目のサイクリングキャラバンの舞台となった宮城県仙南地域は、蔵王連峰のふもとに広がるエリア。雄大な景色に加えて、阿武隈川や白石川などサイクリングロードが整備された地盤である。大河原町では、マウンテンバイク(MTB)のプロ選手である井手川直樹さんが手がけたMTBパーク「OGAWARA MTB S-PARK(スパーク)」が今年4月にオープン。現在までに着実に利用者を伸ばし、地域に根付き始めているという。

MTBパーク「OGAWARA MTB S-PARK(スパーク)」を手掛けた井手川直樹さん(左)と大河原町の齋清志町長

極寒でも笑顔のサイクリングに

 7日に行われたサイクリングは、雨が降りしきる厳しいコンディションとなったが、距離を一部短縮して実施。気温は11℃という寒さであったが、防寒具や雨具に身を包んだ参加者らは熱意に溢れており、13時30分に笑顔で「道の駅かくだ」を出発した。

笑顔で阿武隈川沿いのサイクリングロードを走る参加者
 3つに分けられたグループのうち、先頭を率いたのが井手川直樹さん。曲がり角やマンホール、障害物に差し掛かると声を出して後続に促しつつ、後続もまたそれに倣い、グループ全体で安全な走行に努めた。雨に濡れた路面を走り続けたが一件の事故もなく、全員が無事に道の駅かくだへと戻った。  大河原町の齋清志町長は「地方創生を目指して事業展開がなされているが、広域連携の効果が得られていない。一方、全国では自転車を活用した街づくりが盛んで、宮城県でもサイクルツーリズム推進議員連盟が立ち上がった。地域と地域が繋がりづらい現状のため、サイクリングキャラバンが地域の課題解決の突破口になることを期待している」と述べた。
生憎の雨だったが、雨具や防寒具を着ながらサイクリングを楽しむ
阿武隈川沿いのサイクリングロードを一列で行く
 自転車協会の伊藤政博理事長は「自転車の安全利用、利用促進に取り組んでいる立場として、自転車で街づくりをしている地方自治体への支援活動を行っていきたい。今回はその一環であり、参加者の皆様にはサイクリングの素晴らしさを感じていただき、今後の施策のヒントになれば」と締めくくった。
無事に参加者全員がゴール
地域の広域連携が実現したサイクリングイベントとなった