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ロードバイク乗車時の手の平、手首、腕の痛みの原因と対策

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体の痛み緩和術<2>
ロードバイク乗車時の手の平、手首、腕の痛みの原因と対策

 ロードバイクユーザーを悩ます体の痛み。手、首、肩、腰、尻、膝など、痛みを覚える箇所は人様々です。あまりに苦痛で乗るのが嫌になってしまう人もいます。なぜ、ロードバイクに乗っているうちに痛みが生じるのでしょうか。痛みを和らげるにはどうしたらいいのでしょうか。自転車系YouTuberであり、本業は理学療法士を務めるtom's cyclingのTOMI氏に、痛みの原因から対応方法までを聞きました。第2回は手の平、手首、腕の痛みの原因と対策について取り上げます。

※本連載はあくまで参考として紹介するものであり、痛みが強い場合などは医療機関の受診をオススメします。

手の平、手首、腕の痛みの原因と対策を紹介

手の平の痛みの原因と対策

 まず、手の平の痛みについて。第1回でもお伝えしたように、ロードバイクは、ハンドル、ペダル、サドルの3点にバランスよく荷重かけた状態が体に痛みを生じさせない基本となります。このバランスが崩れて、手の平に負荷がかかり続けると、痛みが生じてきます。

 ロードバイクの乗車時は、体幹を活用して上半身を支えるのが基本ですが、ビギナーの場合は、時間が経過すると上半身を支えきれず、背骨を反らせてハンドルにもたれかかったり、腕を伸ばして腕でハンドルを押し付けたりして乗ってしまい、ハンドルへ必要以上に荷重をかけた状態に陥りがちです。

 もうひとつ。ハンドルとサドルの落差が大きすぎる可能性もあります。プロロードレーサーのようなポジションは見た目が格好良いですが、乗り慣れていない人が真似をすると、ハンドルにもたれかかった乗り方になりがちで、荷重バランスが崩れてしまいます。その結果として、手の平の痛みにつながっている可能性があります。

 手の平の痛みを緩和するための手軽な対処法として、厚手のパッドが着いたグローブを利用したり、クッション性の高いバーテープの利用といった方法もありますが、アイテムでの痛みの緩和は補助的なもので、乗り方に問題があると考えたほうがいいでしょう。ハンドルにもたれかかるような乗り方は、安全面からもオススメできませんし、無理のないポジションにしたうえで、上半身を支えられるように体幹を鍛えていくのが一番の近道です。

 ハンドル、ペダル、サドルの3点にバランスよく荷重することを意識した乗り方をしていれば、次第に体幹もついていきますし、体幹が足りなければ、第一回で紹介したハンドニーで筋力トレーニングをするのもオススメです。

手首の痛みの原因と対策

 次に手首の痛みについてです。手首の痛みは、手首を手の甲側に反らせる背屈させて、手に体重を乗せた状態を続けてハンドルを握ってしまっていることが原因と考えられます。

手首を屈曲させた状態で乗り続けると手首に痛みを生じます

 対策としては、手首を背屈させずに真っ直ぐにハンドルを握ることです。ハンドル幅が広すぎても手首が背屈した状態になりやすくなります。ハンドル幅を狭くすることで、手首の痛みが生じにくくなることもあります。

手首を背屈させずに真っ直ぐにハンドルを握りましょう

 痛みを和らげるために手首のストレッチも有効です。背屈させた状態とは逆の方向に手首を曲げてストレッチさせます。手首を曲げる際は、じゃんけんのグーの状態にしたまま、手首を内側に曲げていくと効果が高まります。

ストレッチではじゃんけんのグーの状態にしたまま、手首を内側に曲げていきます

腕の痛みの原因と対策

 最後に腕について。上腕三頭筋(二の腕の下側の筋肉)が疲れやすい部位です。乗りなれている人で、乗車時にハンドルを押すような乗り方をしていると上腕三頭筋疲れやすいです。ストレッチでは、腕を後ろに回し、肘を下に引っ張り上腕三頭筋を伸ばします。

上腕三頭筋に痛みが生じます
腕を後ろに回して肘を下に引っ張ります