TOP店長ものがたり技術にこだわり、一台一台真剣勝負 テックスポーツ カミハギ、上萩眞司さん(愛知)

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技術にこだわり、一台一台真剣勝負 テックスポーツ
カミハギ、上萩眞司さん(愛知)

 名古屋から岐阜方面に電車で10分、JR稲沢駅から徒歩10分ほどの県道62号線沿いに面して「テックスポーツ カミハギ」の店舗がある。玄関を入ると、威勢のいいあいさつの声が響く。店主の上萩眞司さんだ。

 1950年生まれ。生家はかつて自転車店を営んでいたが、機械工学を学んで就職したのは、横浜の飛行機製造会社だった。自衛隊向けの飛行機やヘリコプターなどの組み立てを手がける中で、専門的な工具の使い方や金属加工の技術を身に付けたという。横浜で5年半ほど働いた後、兄から愛知で自転車店を始めたいと誘われ、開業したショップに加わった。そこで30年ほど働き、自らのこだわりを生かすために独立開業。現在の場所に移転したのは2005年だ。

 ショップ名は「自転車店は展示場じゃダメ」という職人としてのこだわり。飛行機製造で身に付けた精度への徹底ぶりが、自転車を扱う上でも役立っているという。

 普通のショップでは対応できないような複雑な修理や、細かな現物合わせの加工ができるとあって、評判を聞きつけて遠くからも来店する人も。上萩さんのこだわりに呼応してか、マニアックなこだわりをみせるお客さんが少なくないそうだ。「お客さんも検査員なので、いい刺激になっている」という。

安い自転車も、ちゃんと組めば素晴らしくなる

 目指しているのは、「大きな店でなくてもいいから、きちっとした仕事をして信頼される店」。むやみに高い自転車を売るのではなく、ユーザーの使い方や体形などに合わせて、自転車の特徴を説明しながら商品を薦めるという。

 還暦をとうに過ぎたが、最新の技術も貪欲に勉強している。一方で自転車を組み上げるにあたっての、変わらず重要な部分はおろそかにしない。ショップは従業員まで自転車技士の資格を取り、SBAA PLUS認定者といった新しい資格も取得する。

 自転車はフレームセットから組み上げることにこだわる。メーカーで部品が組み付けられて届く完成車でも、一度分解して細部を調整しながら組み直すという。「メーカーさんの意志に応える組み付けをしないといけない」と上萩さんは説明する。「15万円の自転車でも、ちゃんと組めば素晴らしくなる。我々はそこが要求される」と、1台1台に愛情と使命感を持って取り組んでいる。

 パーツの組み付けがしっかりしていることはもちろん、自転車のポジションをユーザーに合わせる“寸法出し”にもこだわる。昔ながらのアナログ手作業で行うが、豊富な経験によりその精度は機械に決して負けない自信がある。細かいところまで合わせるために、ショップには数ミリ刻みの長さのステムを常時在庫している。

 「仕事にはガンコでないといかんと思います」とガンコ親父を自称。だが黙々と作業するタイプではない。気さくにお客とコミュニケーションを取っていく。常に一生懸命にやることで初めてお客の信頼を獲得できるという。

 自分からはプロショップと言わない。「お客さんからプロショップと言ってもらえるようにしたい」と、今日も目の前の一台と真剣に向き合っている。「毎日、死ぬまで勉強ですよ」と明るく上萩さんは語ってくれた。

テックスポーツ カミハギ

  • 住所:愛知県稲沢市駅前3-2-6 メゾンヤマサ1F
  • 電話:0587-23-3011
  • 営業時間:10:00〜19:00
  • 定休日:水曜日、第3木曜日
  • ウェブサイト:https://www.techkamihagi.jp/