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ロードレースやエンデューロを存分に楽しむ!
レースイベント当日に向けた備え

 自転車競技の花形であるロードレース。「ツール・ド・フランス」でも知られている長距離種目です。近年、日本でも多くのロードレースが行われるようになり、日本のプロレースにおいてはYouTubeなどでLive配信が行われ、ホビーレースでも魅力的な情報配信もされるようになり、より華やかな競技として注目を集めています。今回は長距離種目のロードレース、中距離種目のクリテリウムの楽しみ方を紹介していきます。

ロードレースってどんな雰囲気?

 ロングライドイベントやエンデューロに比べると駆け引きが魅力のロードレース。ひとつのゴールを目指しタイム競技ではありながらスピードの緩急が激しく、ハイペースで走ったり、アタックやスプリントを交えてライバルに打ち勝つゲーム性の高さが特徴です。

公道を利用したロードレースの「ツール・ド・おきなわ」

 ロードレースは5km前後の起伏に富んだサーキットコースでの周回や「ツール・ド・おきなわ」の様な公道でのレース、クリテリウムは1.5km~3km前後の平坦路の周回コースで行われるややテクニカルなレースです。足切り時間も短く、成績を目指すには相当なトレーニングが必要であり、どちらも気を抜けない展開が続くためにウォーミングアップから緊張感が漂います。平均速度は時速38km~45kmに達するこれらのレースは、単独では出し続けることの難しい速度のため、トップスピードとベースの速度域の高さを出せる能力がゲームを楽しむには必要です。

レースに向けた練習は?

 ロードレースとクリテリウム、どちらに参戦するためにも基礎体力が必要です。該当コース・カテゴリーにおける過去のリザルトで平均速度を確認し、その速度の時速マイナス3kmの速度で30分走れる体力があればレースをこなせるはずです。

 つまり平均時速40kmだったレースに対応するには、似た様なコースレイアウトで30分間、平均時速37kmを維持する力があれば勝負所まで残る力に近い体力を持っていると仮定できるでしょう。平坦基調のコースであればレースリザルトの時速マイナス5kmでもレースを走り切ることは可能です。

 ゴール間近まで先頭集団に残ることができればあとは加速力、独走力、駆け引きの勝負です。まずは完走できるレベルになる為に体力と技術を向上させましょう。

チームで走ればより楽しく強く走れる

 ロードレースの着順は個人単位でありながらも、チームでの参加が認められています。つまり、チームメンバーが多ければ駆け引きに対応する体力を温存することができ、チームワークでの勝利も目指せるのが特徴です。プロのレースでは同じチームジャージでまとまった走りをみせたり、アタックに必ずチームから一人送り込んだりするという手法は頻繁に見受けられます。個人競技でありながらチームメイトの勝利を期待し分かち合えるのがロードレースの面白さの一つでもあります。

 

安全に走るには

 ロードレースを走る体力に自信がついたら、レースでの車間の狭さを克服する訓練をしておきましょう。個人で練習する場合、3本ローラーの前輪の前に椅子を置くなど工夫して狭い環境で集中してペダルを回す技術を習得するのも良いでしょう。

 実践的な走行練習としてはエンデューロなど集団走行をおこなうイベントに参加するのも良いでしょう。エンデューロは比較的ペースが安定しているため、車間の感覚を養うのにはうってつけのレースです。それでも車間が狭いのが怖いと感じる場合は、アシストしてくれる仲間と走行中に上腕で接触する練習をすると良いでしょう。こうした接触の場面では、ぶつかってもペダリングを止めないのがポイントです。足を止めるとぶつかった相手の推進力に身体ごと引き込まれてしまいます。

エンデューロイベントは比較的ペースが安定していて車間の感覚を養うのにうってつけです。写真は「かすみがうらエンデューロ」

 また車間が狭まったときはペダリングを続けながら当て利きブレーキをすることが重要です。突然足を止めると後続のライダーも連鎖して足を止めてしまい集団全体が不安定となるからです。レースは人の力を利用するだけに集団でいるうちは一つの共同体として走行するという意識が技術面でも大きなポイントとなります。コーナーリングなどは第5回で紹介した技術を復習してください。

 

体力を残すために

 体力を酷使する長距離種目であるロードレースやクリテリウムでは、食事や補給のタイミングも重要なファクターです。2時間を超えるロードレースでは1000kcal以上のカロリーの消費が見込まれるため、前日からレースを意識した食事を行います。

 レース当日は緊張で食事が進まないことを考慮し、前日はやや炭水化物を多めに摂取すると良いでしょう。レース当日は通常の食事量をとりつつも、刺激の強い物は避けて済ませます。レース1時間前にはゼリーなど胃に溜まらない補給を行い、レース直前に100kcalほどのエナジージェルを飲んで血糖値を安定させてスタートするのが理想です。レース中のボトルにはアイソトニック飲料や、やや薄めたエナジードリンクを入れておくと血糖値が安定した状態を保てるでしょう。

レース1時間前にはゼリーなど胃にたまらないものを摂取しましょう
レース中の水分補給と血糖値安定のためにボトルにはアイソトニック飲料などを入れておきます

 100kmを超えるレースでは、前半ペースが落ち着いたときに固形物、後半レースが動く手前にジェル状の補給食を摂るのが理想です。一気に食べ過ぎると胃に血液が集まり、力が抜けてしまうのでこまめに補給をすることが重要です。普段のトレーニングから自分にあったタイミングの補給を練習してみましょう。

管洋介
管洋介(SUGA YOSUKE)
AVENTURA CYCLING代表、有限会社デボ代表取締役社長。競技歴22年のベテランロード選手。国内外で50ステージレースを経験。近年は長い経験を生かしてメディア出演も多く、自転車専門誌のレギュラーキャストとして、モデル、インプレッション、ライディングレクチャー、好評の連載を持つ。自転車ライディング講師として イベント他、様々なコミュニティでのテクニ カルコーチ務める。2017年よりAVENTURA CYCLING を立ち上げ、 自転車界の明るい未来をリードして行く。